ほんのひととき

“旅や本にまつわる読みもの”を日々お届けするウェブマガジンです。月刊誌「ひととき」の人気連載や特集の一部、文化・歴史をテーマとする書籍の内容や、ウェブ限定記事もお楽しみいただけます。[運営]株式会社ウェッジ ✉️honno.hitotoki@wedge.co.jp

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    ひととき2023年6月号【特集】井波彫刻[富山] 木槌の音が響く町

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    続 中世ふしぎ絵巻

    西山克
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    親鸞に秘められた古寺・生涯の謎 宗祖聖人と辿る旧跡と浄土真宗

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    図解 歎異抄(たんにしょう) たよる まかせる おもいきる

    齋藤孝
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    超約版 家康名語録

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  • 岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅

    昨年まで現地の大学院に留学されていた俳優の岩澤侑生子さんが、台湾をぐるりと一周した旅の記録を綴っていきます。心の赴くまま、行き当たりばったりの旅をぜひ一緒にお楽しみください!

  • 旅するリラックマ

    みんなを笑顔にしてくれる国民的キャラクター「リラックマ」が全国の名所へお出かけ!

  • 愛しい北海道ANIMALS

    北の大地に暮らす動物たちを23年間にわたり見守り続けてきた結びさんによるフォトエッセイです。そんな結びさんの撮影する動物たちの姿は、おもわず息をのむほど美しかったり、可愛らしかったり、ときに猛々しかったりします。どうぞご堪能ください!

  • イスタンブル便り

    25年以上トルコを生活・仕事の拠点としてきたジラルデッリ青木美由紀さんが、専門の美術史を通して、あるいはそれを離れたふとした日常から観察したトルコの魅力を切り取ります。人との関わりのなかで実際に経験した、心温まる話、はっとする話、ほろりとする話など。

  • わたしの20代

    旅の月刊誌「ひととき」の創刊20周年を記念した本企画「わたしの20代」。各界の第一線で活躍されている方に今日に至る人生の礎をかたち作った「20代」のことを伺います。

最近の記事

台北で髪を洗ってくれた台湾人女子と雲海を抜けて再会する(嘉義・奮起湖)|岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅(6)

その女の子と初めて会ったのは、台湾生活のなかでも特に憂鬱な一日、修士論文の口頭試験の前日だった。順風満帆とは言えなかった大学院での研究の大きな区切りを目前に控え、少しでも楽な気持ちになりたくて美容院に入った。 席に座ると、髪を明るく染めた小柄な女の子が担当になった。髪を洗ってもらいながら、無事に卒業できたら台湾一周旅行にでるつもりだと話すと、「私の恋人の家族が奮起湖で民宿を経営していて、私もその時期にそこいるから、ぜひ泊まりにきて!」と提案された。聞き慣れない地名で、どのあ

    • 【旅するリラックマ】なばなの里ベゴニアガーデン(三重県桑名市)

      なばなの里 ベゴニアガーデン絢爛たる花々が人気のフォトジェニックなスポット、三重県桑名市のフラワーガーデン「なばなの里」。四季折々の花畑や、まばゆいイルミネーション(5月末日まで)、温泉、レストランなどが併設されており、わけても「ベゴニアガーデン」は、4棟の大温室にベゴニアやペチュニアなど約1万2千株もの花々が常時満開となっている。池には大輪の花が浮かび、まるで華やかな絵画に入り込んだような美しさ。リラックマも花の香りの中で深呼吸! 写真=荒井孝治 出典:ひととき2023

      • 憧れの“白い動物”たち|愛しい北海道ANIMALS

        2023年5月13日。偶然、この日に羅臼の観光船に乗っていたこと。そして出航前に、丘の上からこの神秘的な白いシャチを発見してくれた方がいたことに感謝しかありません。 この日、船に乗ると白いシャチがいるらしいと聞かされ、数年前に数日違いで会えなかったことがある私としては、再び訪れた奇跡に胸が高鳴りました。シャチのいる場所へ着くまで期待と不安でドキドキの時間でした。 憧れだった白いシャチを目にした瞬間のことは、喜びのあまりよく覚えていないんです。ただ、小さな声でやった~と何度

        • 《地獄の樹》愛の幻想に囚われた人間の悲しみ|『続 中世ふしぎ絵巻』

          私は衆合地獄*が好きである。親鸞聖人にならって「地獄は一定すみかぞかし」(『歎異抄』)と思い、さらに厚かましく地獄のなかの自分の居場所を指定できるのなら、八大地獄のなかで衆合地獄が一番だろうと私は考えているのである。等活地獄や黒縄地獄より重く、叫喚地獄よりは少しだけ軽いこの地獄は、愛欲の性という人間の業の悲しみに満ちている。 滋賀県大津市比叡辻に聖衆来迎寺という天台宗の寺院がある。鎌倉時代に制作された国宝「六道絵」の伝来で知られているお寺である。もうずいぶん以前のことになる

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          魅惑のオスマン美術史入門(3)|イスタンブル便り

          怯んだのも一瞬、わたしはここぞとばかりに訴えた。 日本で手に入る文献には限りがある。母校の図書館や専門図書館の東洋文庫、中近東文化センター、さらには専門家の先生がたから個人的に本を借りたりもしている。それでも足りない。 それに、オスマン帝国の建築文化というものを、現地に行って深く理解したい。必死だった。 その時、審査室全体の雰囲気が変わったのを覚えている。数人の審査員の先生が、深く頷いてくれたのだ。 そして数週間後、わたしは合格の通知を手にしたのである。 * * *

          「目の前の好きなことをやり続けたらこうなったの」平野レミ(料理愛好家・シャンソン歌手)|わたしの20代 

           父*がフランス文学者だったから、シャンソンは幼い頃から耳にしていたの。日本の曲にはないような、とってもきれいなメロディーラインでね。歌詞の意味なんてわからなかったけど、聞こえたままを真似してよく歌っていました。高等学校はつまらなくて「やめたい」と父に伝えたら、「やめてもいい。その代わり好きなことは徹底的にやりなさい」と言われて。私がシャンソンを好きだと知っていたから、オペラ歌手の佐藤美子さんに習うことを勧めてくれたんです。  当時暮らしていた千葉から、東京を横断して先生の

          【リトルワールド40周年記念】サーカス公演に、世界5カ国からアーティストが集結(愛知県犬山市)

           今年、開館40周年を迎えた愛知県犬山市の野外民族博物館リトルワールドではさまざまな記念イベントが企画されている。目玉のひとつが「ワールド ドリーム サーカス」。リトルワールドでサーカスの公演が行われるのは約3年ぶりで、世界5カ国から選りすぐりのアーティストが集結。  ジャグリングをはじめ、バンキンと呼ばれるアクロバティックな組体操や道化師によるコミカルな芸など、子供から大人まで楽しめるサーカスが披露される。  また、館内の各店舗では、過去10年間のうち最も売れたナンバー

          古代メキシコの至宝約140件が一挙に集結(東京国立博物館)

           メキシコには35もの世界遺産があり、なかでも高い人気を誇るのが、古代都市の遺跡群。紀元前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻までの3000年以上にわたり独自の文明が花開いた。  本展では、そのうち「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点をあて、古代メキシコの至宝の数々を、近年の発掘調査の成果を交えて紹介する。  火山の噴火や地震、干ばつなど厳しい自然環境のなか、人々は神を信仰し時に畏怖しながら、王と王妃の墓、大神殿、三大ピラミッドなど各文明を

          【井波彫刻】次世代の彫刻家、田中孝明さん「目の眩む明かりではなく、軒先に下がる灯を発信していきたい」

           井波彫刻は欄間、というイメージを強く持っていればいるほど驚きが大きいのが、田中孝明さんの作品である。最初に目にしたのは、3体の女性像だった。細やかに匂い立つような小さな姿。それぞれ名がついていて、「たね」「みず」「ひかり」。田中さんは言う。 「観る方がその方なりの種子を見つけていただき、水を与え、光を浴びて芽を出していけるように、との願いです」  表面の滑らかさも鑿だけの技だ。サンドペーパーではどうしても質感が生まれない。糸のように細い刃で、囁くように削っていくのだろう

          世界経済に影響を与えた石見銀山|オトナのための学び旅(4)

          今回取り上げるのは島根県の『石見銀山』です。 ここは2007年に「石見銀山遺跡とその文化的景観」として、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。 鉄や銀といった金属を精錬するには、高温状態を長時間にわたって維持することが求められます。古代から中世にかけての主な燃料は木材であったため、金属の精錬は大規模な森林破壊を伴う活動でした。 ちなみに、宮崎駿監督の『もののけ姫』は、中世の日本を模した世界を舞台に、鉄を作るために山を切り拓く人間と山を護ろうとする神々の戦いを描いた作

          芭蕉ゆかりの嵯峨野落柿舎と自由律俳句の荻原井泉水|偉人たちの見た京都

          俳聖・松尾芭蕉といえば、故郷の伊賀上野や江戸、「奥の細道」で旅した東北から北陸地方のイメージの濃い人物ですが、実は京都にも頻繁に訪れていて、ゆかりの地が市内のあちこちに存在しています。   中でも洛西嵯峨野の落柿舎には三度にわたって足を運んでおり、1691(元禄4)年には4月18日から5月4日まで17日間も逗留。この時の記録を『嵯峨日記』として著わしています。   その芭蕉の訪問から230年あまりの後、1924(大正13)年6月25日。一人の俳人が落柿舎を訪れました。彼の名は

          高知を代表する景勝地、桂浜公園の商業エリアが大リニューアル

           雄大な太平洋に面した景勝地、桂浜。高知を代表する観光名所である桂浜公園の商業エリアが約40年ぶりにリニューアルした。  新施設「桂浜 海のテラス」の館内では、地元食材をふんだんに使用した料理を提供するレストランやカフェ、活貝専門店、桂浜の名物アイスクリンなど、高知の多様な「食」に出会える。拡充された土産物店では、土佐の地酒を多数扱うほか、郷土菓子として知られる芋けんぴが約20種類のフレーバーで用意されるなど、ここでしか買えない限定品も多い。また、併設のミュージアムでは桂浜

          宮原武熊の元邸宅で不老の夢をみる(台中)|岩澤侑生子の行き当たりばったり台湾旅(5)

          台湾鉄道の台中駅近くに「宮原眼科」という煉瓦造りの建物がある。ここは元々、日本統治時代に日本人医師が開業した眼科医院だった。2011年末にパイナップルケーキで有名な日出グループが、しばらく使われていなかったこの建物を店舗に改装した。開放感のある吹き抜けの店内は、まるで絵本の世界に迷い込んだかのようだ。 3日間宿泊した台中から次の目的地に移動する日、たまたま通りかかった「不老夢想125号」という建物の名前に惹かれて、夏の青空に映える白亜の洋館へ吸い込まれた。 偶然にもこの建

          【井波彫刻】木槌の音が響く町、井波彫刻のみなもと(富山県)

          綽如上人が開いた瑞泉寺井波には木彫刻の長い歴史が流れ、現在も100人をこえる数の人が制作に携わっているという。まさに日本を代表する木彫刻の聖地である。そのみなもとが八日町通りに導かれる古寺であると聞いてきた。真宗大谷派井波別院瑞泉寺だ。  山門が見えてきた。瑞泉寺は、砺波市と南砺市にまたがる高清水山系の北端である八乙女山を背にして立っている。  輪番(別院の最高責任者)の常本哲生さんに訪問のごあいさつをする。背筋の伸びた立派な体格であり、きわめて物腰の柔らかな高僧の常本さ

          俳句に革命を起こした芭蕉の“発明”とは?|対談|小澤實×山口信博

          取り合わせの発明梅﨑:そもそも芭蕉って、どんな人なのでしょうか。小澤先生は『日本文学全集』(河出書房)の近現代詩歌の巻で俳句の選をされて、作家ごとにキャッチコピーをつけていらっしゃいますよね。正岡子規だったら「近代俳句の始祖」、高浜虚子は「近代俳句最大の巨人」、井上井月だと「江戸と明治をつなぐ」とか。そこで、ぜひ芭蕉にもキャッチコピーをつけていただきたいのですが。 小澤:僕は「俳句の原型を作った人」というふうに思っています。俳句というのは近代俳句の用語なので、正しくは発句で

          山口の瓦そば(山口県下関市)|柳家喬太郎の旅メシ道中記

           山口名物といえばフグと、あとは……フグ、ですよね。3年前まで僕の認識はそうでした。でも出会ったんです「瓦そば」と。  お初は、宇部市での落語会の打ち上げで行った居酒屋。〆に出てきたんです、熱々の瓦の上でジュウジュウ焼かれている茶そばが。「何ですかコレは?」と思いながらも箸をつけたら、これが実にうまかった。あんかけ焼きそばの麺の端っこの方みたいに、茶そばがところどころカリカリに焼けて香ばしくって、牛肉と錦糸卵も甘辛いつゆによく合う。2度目は新山口駅の食堂で食べて、これまた旨