マガジンのカバー画像

旬・美・遊

130
旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。
運営しているクリエイター

記事一覧

デ・キリコ展が10年ぶりに日本で開催

 20世紀を代表するイタリア人画家ジョルジョ・デ・キリコ[1888〜1978]の大回顧展が東京都美術館で開催される。  本展では、約70年の画業の中で生まれた作品100点以上が世界各地から集結。注目すべきは、彼の代名詞ともいえる「形而上絵画」シリーズだ。人物に代えて〝マヌカン(マネキン)〟を描いた作品は、ダリやマグリットなど多くの芸術家に衝撃を与えたという。また、伝統的な西洋絵画の表現に回帰した作品も展示。ルネサンス期に見られるような作風は、それまでのタッチとは全く異なるも

【石山寺】大河ドラマの主人公紫式部ゆかりの滋賀・大津市へ

 紫式部が『源氏物語』の着想を得たといわれる滋賀県大津市の石山寺。その境内の明王院に「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」がオープンした。映像やパネル、衣装や小道具などの展示を通して平安貴族の生活やドラマの魅力を紹介する。また、隣接する世尊院では平安時代の“恋”をテーマにした「源氏物語 恋するもののあはれ展」を開催中。『源氏物語』の和歌を現代的に解釈し、イラストや音楽で表現。平安時代の恋を彩った色や香り、花の文化に触れられるコーナーも併設している。  さらに、かつて平安貴族

【ラ・フォル・ジュルネ】フランス発祥世界最大級のクラシック音楽祭(東京国際フォーラム)

 フランス語で〝熱狂の日〟を意味する音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」が東京国際フォーラムで開催される。  17回目を迎える今年は、音楽の“起源”に立ち返る「ORIGINES─すべてはここからはじまった」をテーマに、さまざまな音楽の伝統にスポットライトを当てる。中世やルネサンス期の古楽から現代的なジャズに至るまで、それぞれの音楽のルーツを紐解く構成だ。たとえば、多くの傑作を生み出してきたソナタや四重奏曲といった楽曲形式はどのように誕生したのか。楽器はどのように生まれ、時代ととも

【名品ときたま迷品】厳選コレクションから「メイヒン」探しを楽しむ展覧会(東京都・サントリー美術館)

 サントリー美術館で少々ユニークな展覧会が開催される。  芸術的な価値の高い誰もが認める「名品」と、これまでほとんど注目されてこなかった「迷品」─同館がコレクションする「メイヒン」を一堂に集め、さまざまな角度からそれらの魅力を紹介する。  北条政子が愛用したと伝わる華麗で格調高い《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》をはじめ、計16点の国宝・重要文化財指定作品が出展される。一方、庶民の生活用品として活用された漆工や陶磁、素朴で味わい深い絵画といった、「生活の中の美」を基本理念とする同館な

横浜美術館が大規模改修を終えリニューアル、自由で開かれた空間に

 西洋の近現代美術など約1万4000点もの作品を所蔵する横浜美術館が、約3年に及ぶ大規模改修を終えて3月15日にリニューアルオープンした。  世界に開かれた港・横浜にある同館の新たなミュージアムメッセージは「みなとが、ひらく」。「多様性」をコンセプトに、誰もが人、もの、考えと出会い、学び、自分らしくいられる空間を目指す。注目すべきは、吹抜けのエントランスが印象的な「グランドギャラリー」を中心とする「じゆうエリア」。作品を見ながらくつろげるラウンジや授乳室、美術図書館などを設

知られざる京都の魅力を見つけてみよう|ウェブサイト「KYOTO SIDE」

 京都府が運営する、京都の魅力や情報を発信するウェブサイト「KYOTO SIDE」。観光・グルメ・イベントなど幅広い情報を集めた本サイトでは、京都府内の名所から穴場まで旬のスポットを紹介している。  この春のおすすめは、桜と絶景との競演が楽しめる“コラボ桜スポット”。宮津市にある「天橋立ビューランド」では、日本三景のひとつ「天橋立」を背景にソメイヨシノを観賞できる。また、京都市北区の「原谷苑」は、しだれ桜やフゲンゾウ桜などさまざまな種類の桜に加え、ツツジやシャクナゲも咲き誇

[東京都庭園美術館40周年記念]キーワードから宮家の旧邸宅を読み解く展覧会

 アール・デコ建築の名作として知られる東京都庭園美術館。その本館は、1933(昭和8)年に皇族・朝香宮家の自邸として建てられたもので、アール・デコの精華を取り入れた高度な職人技が施された建物として、国の重要文化財に指定されている。建築当初の姿をとどめながら、今なお美術館としての歴史を刻み続ける、保存と活用を両立させた建物だ。  改めて同館の建築物としての魅力に迫る本展では、「Art-Deco」や「Bathroom」といったアルファベットのAからZを頭文字に持つキーワードによ

[100万本のチューリップ祭]五感で楽しむカラフルな春の絶景(長崎県佐世保市・ハウステンボス)

 中世オランダの街並みを再現した広大なテーマパーク・ハウステンボスでは、「100万本のチューリップ祭」を開催中だ。冬の寒さにあたった後、暖かくなることで開花するという球根植物の性質を生かし、開花時期を調整。通常より早い2月から美しいチューリップを楽しめる。  イベント期間中は、多彩なチューリップ畑に風車が回る絶景の中、海外のミュージシャンによる生演奏が開催される。また、旬の苺をふんだんに使ったスイーツも登場。見るだけでなく、五感で春を楽しめる内容が盛りだくさんだ。  場内

【印象派 モネからアメリカへ】大西洋を越えて花開いた“アメリカ印象派”(東京都美術館)

 アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館。およそ4万点のコレクションを誇る同館から、1898年の開館当初より収集してきた印象派コレクションを中心に、名だたる画家たちの作品が日本にやってくる。  約150年前にフランスで生まれた印象派。パリには国外からも多くの画家が集い、印象派に学んだ後、その新しい表現手法を自国へ持ち帰った。特にアメリカへ帰国した画家たちは、各地で独自の技法を展開し、田園風景や西部の自然の驚異など、アメリカらしい主題にも応用していく。  本展では、

【堂島リバーフォーラム】大迫力の映像と美しい音楽でディズニーの世界へ(大阪市福島区)

 2022年末に北米で開幕し、海外巡回1カ所目として東京で開催された「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」が大阪でも開催中だ。初期の名作から最新の人気作品まで、まるでディズニーのアニメーション映画の中に入り込んだような感覚を味わえる、ディズニー初の完全没入型イベントだ。  会場に足を踏み入れると、そこにはディズニーのクリエイターたちによる音楽、アート、そしてアニメーションに囲まれた空間が広がる。また、作品中のワンシーンや、アニメーション制作の初期段階の

【中尊寺金色堂】東北最古の国宝建造物を東京に再現!(東京国立博物館)

1124(天治元)年に藤原清衡[1056~1128]によって建立された廟堂・中尊寺金色堂は、東北地方最古の建造物であり、奥州藤原氏の栄華を伝える建物として世界遺産・平泉(岩手県)の構成資産となっている。その建立900年を記念して、東京国立博物館で特別展が開催される。  本展では、会場内に約7メートルの大型ディスプレーを設置し、超高精細の8KCGによって金色堂と堂内の空間を原寸大で再現。黄金に輝く空間を体感できる。  注目すべきは、清衡が眠る金色堂の中央壇の壇上に安置されて

[ハッピー龍イヤー!]“龍”モチーフの絵画・工芸が勢ぞろい(東京丸の内・静嘉堂文庫美術館)

 2024年の干支「龍」をモチーフとする絵画や工芸品を集めた展覧会が開催される。  古来、四神の中で東方を護る青龍と、西方の白虎は〝玉環〟を取り合うと言われる。本展では、対峙する龍虎を描いた橋本雅邦の《龍虎図屏風》(重要文化財)などの名品はもちろん、これまでの展覧会には出る機会のなかった多彩なジャンルの作品を出展。また、国宝《曜変天目(稲葉天目)》や重要美術品《唐物茄子茶入 利休物相》といった茶道具も展示される。  吉祥を呼ぶ「龍」の作品で、縁起のよい一年をスタートしたい

【マリー・ローランサン展】幅広い活動の全貌をひもとく(東京・アーティゾン美術館)

 20世紀前半に活躍したフランス人女性画家、マリー・ローランサン[1883〜1956]。絵画だけでなく、バレエの舞台装置や衣装のデザインも手掛けるなど、幅広い分野でその才能を発揮した。彼女はマティスやピカソ、ブラックなど同時代の画家から影響を受けたと語るが、その様式を模倣することなく、パステルカラーの独自の画風を生み出した。  本展では、アーティゾン美術館が所蔵する珠玉の作品に加え、国内外の美術館からローランサンの絵画や挿絵本等の資料を集結。彼女の活躍をフィールドごとに展

【岡山ナゾトキミステリー】岡山城で楽しく学べる謎解きイベント

 2022年に大改修を終えた岡山城で、謎解きイベント「岡山ナゾトキミステリー 宇喜多家と岡山城の謎」が開催中だ。ストーリーを考案したのは、さまざまなメディアで活躍中の松丸亮吾さんが率いる謎解きクリエイター集団「RIDDLER」。出題される岡山城と岡山城の基礎を築いた初代城主・宇喜多家に関する謎を解きながら、城一帯を周遊できる内容となっている。  岡山城天守で「謎解きの書」を入手し、天守や城を囲む烏城公園などに隠された謎を解き明かしていく。推奨年齢は小学生以上で、30分から1