楠本栞 @エゴイストの戯れ言

ものを書くことを生業にしたいな…などと考えてウン十年、でも、実際は平和な日本のどこにで…

楠本栞 @エゴイストの戯れ言

ものを書くことを生業にしたいな…などと考えてウン十年、でも、実際は平和な日本のどこにでもいる普通のOLです。 読んだり書いたりすることだけは、生涯飽きずに続けてきました。読んだ本のことや日常感じていたちょっとした事柄を綴っていこうと思います。

最近の記事

報復する男達(1)『金色夜叉』尾崎紅葉

私事ですが、noteの最初の投稿を見たら去年の5月1日でした。いつの間にかもう1年経っていたのですね。そもそもnoteを始めたきっかけは読書案内を書きたかったからなんですが、それらしき投稿は少ないですね。 初心に戻って読書案内はじめてみます。 最初にお断りしておきますが、この私のページはネタバレありです。名作は結末を知っていても楽しめる…というコンセプトで、古いかもしれないけど読み応えのある本を紹介していきたいと思います。 概要明治30年から35年まで読売新聞に掲載された

    • 三島のふりかけを使い倒す

      三島のふりかけ、友人がSNSで投稿していたのをきっかけにはまってしまいました。普通にふりかけとして食べてもいいのですが、このふりかけはチョイ足しメニューに結構使えるので、レシピと言うほどでもないのですが、超お手軽レシピを紹介していきたいと思います。 分量は特に記しませんので、ご自分の感覚で作ってみてください。 1. おにぎり まずは定番のおにぎりです。上の写真は普通に三角に握ったものです。通常海苔を巻きますが、ふりかけを目立たせるために敢えて海苔を巻かずに詰めてみました。

      • 歌詞探訪:太田裕美『木綿のハンカチーフ』

        この歌を好きな人は多いですね。特に男性には好まれているようです。私は太田裕美の歌ではもう少し前に出た『雨だれ』とか『たんぽぽ』のほうが好きなんですが、世間一般には太田裕美と言ったらこの歌、そして松本・筒美 コンビの代表曲にもあげっれていますね。 昔からデュエットでは愛し合う男女のそれぞれの思いを交互に歌う手法はありましたが、一人の歌手が男女双方の思いを歌うのは珍しいことだったんだと思います。太田裕美は後に『さらばシベリア鉄道』(松本隆作詞・大瀧詠一作曲)でも同じ手法の歌を歌

        • 人気も実力のうち

          もう今後就職活動などはしないつもりでいるけれど、企業が若い人を取りたがる気持ちはよくわかる。実際若い人と一緒に仕事をしていると、自分が何か月もかけて覚えた仕事を1、2週間で覚えてしまったりして…やるせなくなる時がある。若い人は仕事覚えるのも早いし、職場の雰囲気が明るくなるし、若さは実力の一つだと思う。 人気もやはり能力の一つだと思う。そんな、芸能人じゃあるまいし…と思うかもしれないが、一般社会人にも通用するセオリーだとこの頃つくづく思う。営業とか販売に至っては顧客と直に接す

        報復する男達(1)『金色夜叉』尾崎紅葉

          『はだかの太陽』アイザック・アシモフ

          動機1『はだかの太陽』というタイトル 90年代の後半、Moon ChildというバンドがEscapeという楽曲を出していた。ともさかりえ主演のドラマのタイトルになった曲で、たぶんこのバンドのヒット曲はこの1曲だけだったのではと思う。Moon Childというバンド名からCharの影響を受けているんじゃないか?と思えたが確証はない。ただ、Charを崇拝する私にはグッとくる1曲だった。その中の歌詞に妙にひっかかるものがあった。 この歌自体はラブソングの要素もあるけれど、人生に

          『はだかの太陽』アイザック・アシモフ

          伊香保周遊の旅③榛名神社七福神巡り

          榛名神社に行ったのは今回で3回目です。ここはパワースポットに挙げられたいる本当に気持ちのいい神社です。一般的に原宿の明治神宮とか大宮の氷川神社などもパワースポットに入るらしいのですが…私の感覚ではちゃうねん!と思います。それを言うと夫が、 「都会の人からしたら明治神宮もパワースポットなんだよ」 と言った。ああ自分はもはや都会の人ではないんだなぁとちょっとため息。 でも、この榛名神社は本当にマイナスイオンに溢れているようで、いるだけで心が洗われるような所です。 境内の中に七福

          伊香保周遊の旅③榛名神社七福神巡り

          伊香保周遊の旅②石段~伊香保神社

          我が家で旅行する時はたいてい栃木か群馬、行くところもたいてい何度かリピートしています。伊香保もたぶん3回位は来ています。今回止まった旅館はちょうど石段沿いにあったので、ホテルから石段の一番下まで降り、そこから上がって終点の神社へ行って、また石段を下って旅館に戻ってきました。 伊香保の石段は全部で365段あるそうなのですが、写真のように少し上がったら平らなところがあって、それが繰り返されているため連続した階段と違って意外と疲れないんです。この石段は伊香保神社の参道だったのです

          伊香保周遊の旅②石段~伊香保神社

          伊香保周遊の旅①水沢観音

          ここ数年ゴールデンウィークは地元に留まり、前後にどこか旅行するようになっています。今年は連休明けに伊香保周辺で遊んできました。まず最初に水沢観音へ行ってみました。 観音様なので子宝や安産祈願、水子供養などでお参りされる方が多いようです。六角堂は出っ張り棒のようなものを押して建物を3回廻ると願い事が叶うようなので、特に願うこともなかったけど3回廻ってきました。 釈迦堂を見たかったのですが、閉まっていました。残念。

          伊香保周遊の旅①水沢観音

          終の棲家 ー母の最期ー

          母から引っ越しの話を聞いた時は、驚いたという訳ではないが、その可能性をまったく考えていなかった。私が5歳の時に移住した団地、そこで育ち大人になり、私と妹が結婚のため順次家を出て、離婚によって父が去り、一旦一人暮らししていた弟が戻り母と二人。何がどうあっても母だけはそこに留まり動かないような気がしていた。 私達が暮らしていた団地は賃貸だったが、母は同じ団地内の中古の分譲を購入した。前の家から歩いて行ける所にあり、築40年経っているがリノベーションされてきれいになっていた。部屋

          終の棲家 ー母の最期ー

          ある記憶 ー父との思い出ー

          私が生まれたのは東京都の国分寺市ですが、その後神奈川の海老名、小田原を経て、5歳の時に移住した相模原で結婚するまで約20年間過ごしました。記憶を辿ってみて最も古い記憶は小田原の頃になります。そこはとある建設会社の独身寮で、母がそこの管理人をやっていました。管理人と言っても主に賄いと掃除、雑用などをこなしていました。 私は第一子だったので、出掛ける時はたいてい妹か弟も一緒でした。なので父と二人きりで出掛けたことが数えるくらいしかありません。自分の中で幼少期に父と二人で出かけた

          ある記憶 ー父との思い出ー

          『光る君へ』の世界を読む

          毎年、その年の大河ドラマに関連する本を1冊は読むようにしている。今年はいつもより気合い入れて読んでしまった。 人生はあはれなり…紫式部日記 まずは入門編としてコミックで読んでみた。コミカルなタッチでわかりやすく、紫式部日記と源氏物語の内容をザックリ知るにはいい。 この著者は紫式部を陰湿というのではなく、うじうじとネガティブな面倒くさい女なんだと述べている。親しみは増すかもしれない。 紫式部日記(ビギナーズ・クラシック 日本の古典) 原文と現代語訳が併記されてるビギナ

          『光る君へ』の世界を読む

          歌詞探訪:村下孝蔵『踊り子』

          村下孝蔵さんといえば『初恋』が最も有名だと思うが、私は個人的にこの『踊り子』に凄く惹かれる。曲調ももちろんいいのだけど、何といっても歌詞がせつない。 行き止まりの恋で、もうどうすることもできない状況に追い込まれているのがわかる。この主人公たちが暗くて寒い裏の路地で、辛い生活を送っているて、ここから逃げ出したい思いが伝わってくる。 「軽いめまいのあと写真をばらまいたように心が乱れる」という、シンプルでわかりやすい比喩が脳内に映像を思い起こさせる。上手い表現だなとつくずく思う

          歌詞探訪:村下孝蔵『踊り子』

          キュンとする恋物語③テオドール・シュトルム『大学時代』

          ドイツの作家テオドール・シュトルムは短編が多く、題材もとっつきやすいため、ちょうど第二外語にフランス語を取る人がドーデを読まされるように、ドイツ語を取る人はシュトルムを読まされるらしい。 シュトルムと言えばどちらかというと『みずうみ』のほうが有名で、あれも純愛小説なのだが、私は個人的に『大学時代』のほうが格段に好きだ。なぜなら…ドラマチックだから。美しく静かな物語が好きな人は『みずうみ』を好むであろうが、抑揚のあるストーリーを好むのなら『大学時代』をお勧めする。 あらすじ

          キュンとする恋物語③テオドール・シュトルム『大学時代』

          キュンとする恋物語②エリック・シーガル『ラブ・ストーリィ』

          『ラブ・ストーリィ』と言うよりも『ある愛の詩』と言ったほうがピンとく る人が多いかもしれない。70年代に流行った映画とそのテーマ音楽のタイトル、これはあの有名な映画の原作です。 映画の存在は知っていたが見てはいなかった。私がこの小説に触れたのは短大に入った年、一般教養の外国語の授業のテキストとして使われていた。私は一応英文科に所属していて、英文科の学生は外国語は英語を取ることに決まっていた。担当してくれた客員の先生は確か経済学が専門だったと思う。英文学の先生ならおそらくこう

          キュンとする恋物語②エリック・シーガル『ラブ・ストーリィ』

          キュンとする恋物語①マイアーヘルスター『アルト・ハイデルベルク』

          このタイトルを目にして、「ああ、あれか」とわかる方はたぶんあまり若くないと思われる。私がこの物語の存在を知ったのは、子どものころ、当時国民的アイドルだった天地真理の冠番組『飛び出せ!真理ちゃん』で天地真理が芝居をしていたのを見た。その後中学生の時、角川文庫で小説版を読んで…刺さった(笑)小学校高学年から高校生くらいの時期は、きゅんとする恋物語に嵌まるのである。 60年代70年代、ドイツ語を習う学生さんにとっては1つの教科書、そして高校の演劇部においては『ロミオとジュリエット

          キュンとする恋物語①マイアーヘルスター『アルト・ハイデルベルク』

          創作アカウント作りました

          noteの2つ目のアカウントを作りました。前々から小説とか短歌などを載せてみたいなと思っていたのですが、楠本栞のページには一緒にしたくなくて…いろいろ模索していたらnoteも複数アカウントを持てることがわかったので、やってみました。 蒔岡るねの名前で昨日起ち上げたばかりですが、もし余裕があればご覧になってみてください。小説、戯曲、詩、短歌など、いわゆる創作を載せていこうと思っています。こちらのほうは、レビューやエッセイのようなものを今まで通り書いていきます。 そして、フォ

          創作アカウント作りました