margrete@高校世界史教員

非常勤講師として複数の学校での勤務経験がある、現役の教員です。専門は世界史です。

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マガジン

  • 読んだ本

    読んだ本の感想です。基本、ネタバレはありません。

  • 観た映画

    観た映画の記事をまとめています。心に残る映画と出会えますように!

  • 勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」

    「ビッグイシュー日本版」を勝手に応戦する記事をまとめたものです。「ビッグイシュー日本版」に、少しでも興味を持っていただければ幸いです。

  • 世界史の話

    世界史関連の話が出てくる記事をまとめてあります。

  • 寺社巡りの記録

    お寺や神社を訪れた時の記事をまとめました。 お寺や神社そのものではなくても、展覧会で仏像を観た時の記事も含んでいます。

最近の記事

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自己紹介~note始めました~

今日からnoteを始めることにしました。というわけで、まずは自己紹介です。 1.自己紹介私margrete(マルグレーテ、と読みます)は非常勤講師として、あちこちの中学・高校を渡りあるいてきた現役の教員です。専門は世界史です。 今年(2020年)の3月から「社会科教員margreteの、日常を通して考える世界史」というブログを始めたのですが、諸事情から更新が滞りがちでした。その間にnoteの存在を知り、いろいろ調べた結果、ひょっとしてこっちの方が使い勝手が良いのではと思い

    • 【読書】広い世代に役立つ~『この世でいちばん大事な「カネ」の話 新装版』(西原理恵子)~

      西原さんが、自らの半生と共に「カネ」について語る本です。小中学生を主な読者に想定していると思われますが、もちろん大人が読んでもためになります。 ↑kindle版 西原さんが幼少期を過ごした高知の浦戸の話ですが、おいおいという感じですね。 ともあれ、実体験から出てきた西原さんの言葉は、どれも真実です。 かなり困った人だった西原さんの2番目のお父さんですが、この言葉が西原さんを救います。 金言です。最近は就職して1年以内に辞めてしまう若者が増えているそうですが、彼らに聞

      • 【映画】対決シーンは見ごたえ充分~映画『キングダム 大将軍の帰還』~

        原作を読まないまま、ついに最終章まで到達しました。 相変わらず、朝一番の回とはいえ、劇場は空いています。公開から11日目にして、これで良いのかいな。 そして相変わらず、戦闘シーンに次ぐ戦闘シーンで参ります。もうちょい、人間ドラマっぽいシーンがあっても良いかと。これが最終章である都合上、謎を残すわけにはいかないので、回想シーンでの説明が多いのも気になるところ。カーテンコール的に、これまで出てきた主要キャストがちょこっとずつ顔を出すのも、ちとあざとい。 第1作の時には、登場

        • 【読書】あと何人殺されれば……~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.482 2024.7.1)~

          「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第85弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「”選挙”の季節に」です。 「大学時代に留学したデンマークで、若者たちが政治について当たり前に話す姿を目にした」(p.8)能條桃子さんですが、単にデンマークに代表される北欧を理想化するのではなく、日本の現状を変えていこうと奮闘する姿には敬意が持てます。 能條さんが代表を務める、20・30代の女性地方議員を増やし、政

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        • 寺社巡りの記録
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        • 行った展覧会
          27本

        記事

          【読書】千鳥ヶ淵は水瓶~『奥州仁義 三河雑兵心得(拾参)』(井原忠政)~

          「三河雑兵心得」シリーズの第13巻です。 ↑kindle版 茂兵衛は今巻では(今巻でも?)、大移動です。高野山から駿府城に戻り、江戸に引っ越した後、奥州に行かされます。ありえないほどの大移動です。 何と、わざと悪路のままにされていたとは。 茂兵衛の暴力(今回の場合は耳を掴む)は本多正信に言わせると、「愛嬌と軽みのある暴力」(p.26)だそうですが、茂兵衛ならずとも、今一つよく分かりません……。 茂兵衛の娘の綾乃が茂兵衛を「父上」と呼ばず、「もへえ」と呼び続ける理由が

          【読書】千鳥ヶ淵は水瓶~『奥州仁義 三河雑兵心得(拾参)』(井原忠政)~

          【読書】織姫と彦星がデートできる世界になりますように~『聖☆おにいさん(21)』(中村光)~

          前巻同様、発売されていたことに気づいていませんでした。 ↑kindle版 マンネリではありますが、もはや心地良い境地に入っています。 冒頭、天界に呼び戻される時が来て、バカンスもついに終わりかと思いきや、ネット問題でした(^-^; 弱り切った天のお父様の気持ち、よく分かります。しかし困ったときのセリフが「OH I AM GOD‼!」とは。ブッダ同様、「そうやって言うんだ」と思いました。そしてガブリエル、大事な手紙を『新約聖書』の間に仕込むとは……。 イライラしたブッダ

          【読書】織姫と彦星がデートできる世界になりますように~『聖☆おにいさん(21)』(中村光)~

          【読書】今、言っておかなければ~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.481 2024.6.15)~

          「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第84弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「まちに座る」です。 日本各地の、まちの中に座って休める場所としての椅子やベンチを置く取り組みをしている人たちの記事で、興味深く読みました。418号では、「自分で椅子を運んで好きな場所に座って時を過ごす」(p.12)チェアリングが紹介されていましたが、今号で紹介されているのは、「ご自由にお座りください」と、時には私有

          【読書】今、言っておかなければ~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.481 2024.6.15)~

          【読書】何をやるかのほうが大事~『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈)~

          『成瀬は天下を取りにいく』の続編です。 ↑kindle版 前作同様のマイペースな成瀬ですが、以下の部分は意外でした。 それほどの衝撃を受けていたとは。 しかしパトロールの腕章、自腹で買うとは……。 成瀬、かっこいい! 生徒に聞かせたい言葉です。 成瀬の父親の慶彦同様、喜んでいたとは初耳でした。 成瀬の陰に隠れているけど、確かに周囲の人々も意外とすごいです。 この会話、バスの中で読んでいて、吹き出しそうになりました。 これも笑いそうになりました。普段どおりナチ

          【読書】何をやるかのほうが大事~『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈)~

          【読書】言葉に頼りすぎない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.480 2024.6.1)~

          「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第83弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「あなたのそばの”植物パワー”」です。 ヨモギに40種類以上あるというのは初耳でしたし、12月、1月のヨモギの紅葉が美しいというのも知りませんでした。摂南大学の植物園の春と秋の見学会は、うまくタイミングが合えば参加してみたいです。 スペシャルインタビューの田中泯さんの言葉が良かったです。 今号も、学びが多かったで

          【読書】言葉に頼りすぎない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.480 2024.6.1)~

          【読書】北欧における民主主義~『北欧の幸せな社会のつくり方 10代からの政治と選挙』(あぶみあさき)~

          授業準備のために読んだ本です。 デンマークを除き、北欧各国では選挙に際して各所に選挙スタンド(著者が呼ぶところの「選挙小屋」)が置かれます。 選挙カーや街頭演説がないのは、良いですね。コーヒーやおやつ、ニンジン(フィンランド、ノルウェー)にとどまらず、文房具などの選挙グッズも無料で配布できます。「『コーヒーさえも用意できない政党は、選挙で勝つ気がない』といえるほど」だそうです。魔法瓶や日焼け止めなど、結構コストのかかりそうな選挙グッズもあり、それはどうかと思いますが、選挙

          【読書】北欧における民主主義~『北欧の幸せな社会のつくり方 10代からの政治と選挙』(あぶみあさき)~

          【読書】まず理想を意識する~『人生が変わる!1ヶ月断捨離 理想の部屋を作ると理想の自分に出会える』(佐久真猫子)~

          アマゾンのプライム・リーディングを利用して読んだ10冊目にあたります。実は8冊目のレビューがまだなのですが、こちらを先に投稿します。 ↑アマゾンプライム会員であれば、無料で読めます。 プライム・リーディングでは、やましたひでこさんの本物の(?)断捨離の本は引っ掛かりません。なのに最近、プライム・リーディングの「おすすめ」にこの本が登場し、やましたさんのお弟子さんの本かしらと思い、読んでみました。 ……多分、違う気がします(もしそうだったら、ごめんなさい)。「断捨離」は商

          【読書】まず理想を意識する~『人生が変わる!1ヶ月断捨離 理想の部屋を作ると理想の自分に出会える』(佐久真猫子)~

          【読書】現代のハンニバルたちに読ませたい~『ハンニバルの象つかい』(ハンス・バウマン作、大塚勇三訳)~

          同じ大塚勇三訳の『大力のワーニャ』を図書館で見た際に近くにあったため、読んでみました。 象を率いての有名なアルプス越えを果たした、第2次ポエニ戦争を扱っているのですが、読んでいてだんだん重苦しい気分になってきます。どんどん読みすすめることができず、児童書とは思えないほど日数をかけて読む羽目になってしまいました。 これが本当かは分かりませんが、そういうこともありえそうです。 象の数が減っているのは、人間の乱獲だけが原因ではなく、この地上に象の住む値打がなくなってきているか

          【読書】現代のハンニバルたちに読ませたい~『ハンニバルの象つかい』(ハンス・バウマン作、大塚勇三訳)~

          【読書】周りがつくり出した病気~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.479 2024.5.15)~

          「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第82弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は「『認知症』を更新する」です。 これは若年性アルツハイマー型認知症の当事者である丹野智文さんの言葉です。まさに丹野さんはいろいろ工夫しているからこそ、発症から11年経った今でも、病気と何とか折り合っているわけです。”困る自由”から連想したのは、”失敗する権利”です。生徒を見ていると、「こういう風にすればいいのに」あるい

          【読書】周りがつくり出した病気~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.479 2024.5.15)~

          【読書】無知は死につながる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.478 2024.5.1)~

          「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第81弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は「『はやぶさ2』。リュウグウの石は語る」です。 元天文部なので、楽しく読み進めましたが、文系なもので、ちょっと内容を消化しきれませんでした(^-^; 一番印象的だったのは、「太陽系のすべての天体の重さを合計すると、その99.9%近くが太陽なので、太陽が太陽系を代表していると言えます」(p.14)という部分でした。 ち

          【読書】無知は死につながる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.478 2024.5.1)~

          【読書】鎌倉幕府初期の頃がよくわかる~『鎌倉残影 歴史小説アンソロジー』(朝井まかて他)~

          鎌倉幕府初期の時代を題材とした、歴史小説のアンソロジーです。鎌倉が舞台のものと、奈良・京都が舞台のものがあります。 ↑kindle版 ・「恋ぞ荒ぶる」(朝井まかて) 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも主人公だった北条義時が主人公です。政子と頼朝の出会いに始まり、その後の義時の半生が描かれます。展開が早いので、一歩間違うとダイジェストのような感じですが、嫌な感じはせず、読み易いです。大河の俳優さんたちを思い浮かべつつ、楽しく読みすすめることができました。 頼朝が助命された

          【読書】鎌倉幕府初期の頃がよくわかる~『鎌倉残影 歴史小説アンソロジー』(朝井まかて他)~

          【読書】大人にこそ読んでほしい~『ヒットラーのむすめ』(ジャッキー・フレンチ作、さくまゆみこ訳)~

          たまたま図書館で目に付き、借りてみました。 もしヒットラーに娘がいたら、という設定で展開される児童文学です。北見葉胡さんの可愛らしい表紙絵が、手に取りやすい雰囲気を醸し出しているとはいえ、自分がヒットラーの子どもだったら、あの惨劇を止められたのかという、非常に重いテーマを持っています。 もちろん歴史にifはないわけですが、仮にヒットラーに娘が、しかも顔にあざがあり、足が少し不自由な娘がいたら、という設定は興味深いです。また、お話を聞いたマークが、次第に自分の頭で考えはじめ

          【読書】大人にこそ読んでほしい~『ヒットラーのむすめ』(ジャッキー・フレンチ作、さくまゆみこ訳)~