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【読書】無知は死につながる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.478 2024.5.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第81弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は「『はやぶさ2』。リュウグウの石は語る」です。

元天文部なので、楽しく読み進めましたが、文系なもので、ちょっと内容を消化しきれませんでした(^-^; 一番印象的だったのは、「太陽系のすべての天体の重さを合計すると、その99.9%近くが太陽なので、太陽が太陽系を代表していると言えます」(p.14)という部分でした。

ちなみに「はやぶさ2」がリュウグウから持ち帰った石は「元素の量比が太陽とそっくりで、太陽からガスになりやすい水素やヘリウムなどを除いたような石」(p.14)だったそうです。

あと、「はやぶさ」が「日本の探査機が小惑星まで行って帰る往還飛行の技術があることを示す、工学実証の役目を担っていた」のに対し、「はやぶさ2」が「リュウグウを目指したのは科学的理由」(p.12)と、役割が分かれているのが興味深いです。より具体的には、「はやぶさ2」の探査で「太陽系の始まりの謎に迫る情報が得られる可能性」があったそうです。


「スペシャル企画」の坂本龍一さんも、良かったです。

<まず知るということが大切。知らないということ、無知ということは、死を意味するというか、死につながる>
<人類は森とともにありました。森が崩壊したところでは文明が滅んでいきました。今、世界中で森林が崩壊しています。これは人類文明全体の滅びへの警告と言えるのではないでしょうか>

p.6

これらの坂本さんの言葉は、心に留めておきたいです。

坂本さんの死後に立ち上がった植樹のための寄付プラットフォーム「TREES FOR SAKAMOTO」のリンクを、貼っておきます。


合わせて坂本さんが2007年に設立されたモア・トゥリーズのリンクも。


あと、完売済みの「ビッグイシュー日本版」236号に掲載されていた坂本さんのインタビューは、以下の通りです。


オーストラリアのDV被害者の女性たちが、自らの人生を切り開くために乗っているロード・トレインは、その存在を知らなかったので、驚きました。「オーストラリアの鉄道網が未発達の地域で陸上輸送に用いられる長大なトラック。コンテナを積載したトレーラーを大型トラックに複数連結し、ハイウェイを利用して大量の貨物を輸送する。その長さは100mを超えることもある」(p.19)そうです。


「能登半島地震レポート3」に書かれた珠洲市の現状には、目を疑いました。まだこんな段階なのかと思うと共に、多くの人はこのことに気づいていないのではと、危惧しました。

「水道管がひどく破壊され、珠洲市ではまだ1~2割しか復旧できていません。8~9割まで復旧した輪島市でも、山間部などの時間がかかりそうな地域が残っています。水道管が復旧しても、自宅まで水を引く宅地内配管に亀裂が入り、水が漏れていて、在宅避難をしている方は地域の水が出ているところまで汲みに行っている状態です。(中略)水道の修理業者を呼ぼうにも、過疎化が進んだ奥能登はもともと業者の数が少なく、外から呼びたくても宿泊できる場所がありません。ただでさえ少ない資源が地震でさらに減って、人口も一気に減少し、20年分の過疎化が一気に進んでいっている印象です」

p.21


『人間の境界』のアグニエシュカ・ホランド監督の言葉も、覚えておかねばなりません。

「(社会的分断への)唯一の解決法は、グローバルなコラボレーション(世界的協調)ではないかと考えています」
「結局、私たちはワン・ワールド(一つの世界)に生きていて、それらの違いを引き受けることができなければ、そもそも協調への第一歩を踏み出すことはできないのです」
「痛みを伴う問題や、解決不可能な問題に取り組むために闘わなければ、芸術を作ることに意味はない」

p.23


「原発ウォッチ」の以下の部分も、備忘録代わりに書いておきます。

原発は計画から運転開始に至るまで約20年というものも珍しくない。再エネが1年~数年程度で運転開始できるのに比べるとはるかに長い時間が必要だ。その分、脱炭素は遠ざかる。また米国の金融機関ラザードの分析によれば、新しく建設した原発の発電コストは太陽光発電の3倍となっている。

p.24


今号も、大変勉強になりました。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった英樹さん、いつもありがとうございます!




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