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「ビッグイシュー日本版」とは~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(Vol.398 2021.1.1)~

「ビッグイシュー日本版」という雑誌をご存じでしょうか? 路上生活を余儀なくされている方の生活再建を助けるための雑誌で、店頭販売は原則的にしていません。街角の路上生活者の方から購入するシステムで、定価450円のうち230円が、販売している方の収入となります。


内容は、国内・海外のタレントのインタビューの他、気候変動、食の安全、コロナ禍で仕事や家を失った人々の問題など、広い意味で現代社会が抱える問題を扱った特集記事や連載がメインです。今号ではジョン・レノンがスペシャル企画で取り上げられていました。


ちょっと変わったところでは、「ビッグイシュー」の販売員が回答者役を務める人生相談もあります。回答が毎号なかなか深く、おまけ(?)についてくる「枝元なほみの悩みに効く料理」も美味しそうです。


全般的に、路上生活者や3.11の被災者、LGBTQの人々など、「弱い立場にある人」に寄り添った特集記事が多いです。一方で固い記事ばかりではなく、昨年には「秋こそ、ソロキャンプ」、「在宅自炊指南」などの特集もありました。

ま、あまり固いことは考えず、純粋に雑誌として読みごたえがあり、面白いと思っていただいても良いと思います。


本来は街角の販売員の方から購入すれば、彼らの直接の支援につながるため、一番良いかと思います。でもこのコロナ禍では、人々が町中に出かける機会も減ってしまい、昨年来、販売数は減っているそうです。

その結果困っている販売員の方々を支援するため、昨年4月から「コロナ緊急3ヵ月通信販売」が行われてきました。


我が家は第4次の「コロナ緊急3ヵ月通信販売」に協力させていただいたので、それで入手した6冊の記事で、心に残ったものをご紹介させていただきます。引き続き第5次の「コロナ緊急3ヵ月通信販売」も申し込むことも考えましたが、4月からは定期購読に切り替えることにしました。


そんなわけで、前置きが長くなりましたが、398号で一番心に残った記事は、「雨宮処凛の活動日誌 就労できず生活保護も対象外。困窮する外国人たち」です。クルド人などの難民申請をして仮放免となった外国人、外国人実習生や留学生の、悲惨な現状の一端のリポートでした。心に残ったのは、まずベトナム人実習生や留学生の支援にあたっているベトナム人僧侶のティック・タム・チーさんの言葉に触発された、雨宮処凛の言葉。

タム・チーさんは話の途中、「ベトナムには、『破れてない葉っぱは破れた葉っぱを包むべき』という言葉があります」と口にした。自らが無事であれば、傷ついた誰かを助けるべきという意味だろう。翻って、この国にはそれに該当する言葉はあるだろうか?ずっと昔にはあった気がするけれど、今浮かぶのは「自己責任」という言葉だけだ。


人は誰しも何らかの問題を抱えているわけで、そういう意味では自らを「破れてない葉っぱ」だと自覚し、「破れた葉っぱ」を助けようと思う人は少ないのかもしれません。「自分だって『破れた葉っぱ』だ」と思ってしまう。

でも、ずたずたに裂けてしまった葉っぱに比べれば、ちょっとだけ端っこが裂けているくらい、何てことないはず。そう思えるようでありたいです。


また、上記の引用に続く部分も印象的でした。

インドの格言を思い出した。インドでは、子どもは親から「お前が大きくなるにあたってたくさんの人に迷惑をかけているんだから、他人の迷惑に寛容になりなさい」と言われて育つと言う。

人にかけられた迷惑ばかりが記憶に残りがちですが、確かに自分も山ほど人に迷惑をかけていることに、改めて思いが至りました。寛容は、今の時代に切に必要とされていますね。


というわけで、「破れた葉っぱ」を包む、ささやかな手助けになればと思い、「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事を書いてみた次第です。

なおバックナンバーについては、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。




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