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観た映画の記事をまとめています。心に残る映画と出会えますように!
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正義と法の支配が必要~映画『パレスチナからフクシマへ』(土井敏邦監督)~

正義と法の支配が必要~映画『パレスチナからフクシマへ』(土井敏邦監督)~

パレスチナと福島の類似性を考える、興味深い観点の映画です。

冒頭の、2014年のガザ地区の映像に、今のガザは同じというより、もっと悲惨な状況になっているのだろうと、暗澹たる思いになりました。パレスチナの人権活動家ラジ・スラーニさんが、自らがイスラエルによって受けた拷問について語るシーンも、辛かったです。

そのラジ・スラーニさんが、福島県飯館村を訪れ、避難を強いられた住民たちから話を聞きます。

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コアラはグルメ~「映画ざんねんないきもの事典」(2022)~

コアラはグルメ~「映画ざんねんないきもの事典」(2022)~

Eテレで数日前に放映していたものを観ました。

↑レンタルなら、400円です。

「リロイのホームツリー」、「ペンたび」、「はちあわせの森」の3本からなり、それぞれ主人公はコアラ、アデリーペンギン、ニホンノウサギです。それぞれ絵のタッチも違い、別々のお話しなのですが、共通するテーマは旅に付き合ってくれるお友達、母子のつながり、そしてウンコ(^-^;

合間に主人公やお友達、出会った生き物のざんねん

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ブルーノ・ガンツを偲んで~映画「ベルリン・天使の詩」~

ブルーノ・ガンツを偲んで~映画「ベルリン・天使の詩」~

*この記事は、2019年2月17日のブログ記事を再構成したものです。

一昨日、スイスの俳優ブルーノ・ガンツが亡くなりました。恐らく私にとって、これまで観た映画の最高傑作は「ベルリン・天使の詩」なのですが、主役の天使を演じたのがブルーノ・ガンツです。

といっても、実は私、ブルーノ・ガンツという名を知りませんでした。「『ベルリン・天使の詩』で、おっさんの天使を演じた人」という認識だったので(^_^

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みんなキャラが濃すぎ~映画「ザ・ファブル」~

みんなキャラが濃すぎ~映画「ザ・ファブル」~

例のごとく、ハードディスクに眠っていた映画を観ました。

録画したのが前すぎて、岡田准一のアクションがすごいと聞いて録ったんだよなーということしか思い出せません。当然、ストーリーは全く知らない状態で観ました。もちろん調べれば粗筋くらい分かるわけですが、いっそ基礎知識ゼロで観てやろうと……。

岡田准一が演じるのは、凄腕という表現では表しきれないほどの腕を持つ殺し屋です。凄すぎて、都市伝説(ファブル

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脚本が斬新~映画「キングダム 運命の炎」~

脚本が斬新~映画「キングダム 運命の炎」~

早く観にいかないと、すぐに上映回数が減ってしまうので、さっさと映画「キングダム 運命の炎」を観にいってきました。

まずは主役が前半1時間、ほぼ出てこないという斬新な脚本にびっくり。まぁ今作はエイセイ(漢字を出すのが面倒なので、カタカナ表記で失礼)の過去を描かれるので、仕方がないわけですが。あの過去があるからこそ、第1作・第2作のエイセイの言動があると思うと、なかなか感慨深かったです。杏はきれいす

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基礎知識がないと辛いかも~映画「関ケ原」~

基礎知識がないと辛いかも~映画「関ケ原」~

ハードディスクにずっと眠っていた映画を、ようやく観ました。

岡田准一が石田三成を演じた点に興味を持って観たいと思ったのですが、まぁ当然ですが石田三成が負けることは分かっているわけで、何となく見るタイミングを逸していました。

で、実際観てどうかというと、正直うーんという感じ。今、大河で「どうする家康」をやっているタイミングで観たのが悪いのですが、なぜ瀬名(有村架純)が伊賀の忍びをやっているんだろ

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役者が揃っている~映画「大名倒産」~

「銀河鉄道の父」を観にいった時にチラシをもらい、面白そうなので、絶対に観ようと思っていました。

絶対観るつもりだったのに、はたと気づいたら公開から1か月近く経っており、上映回数が激減していました。激減っていうか、1日1回上映。近くで観るのなら、映画館Aに朝早くから出かけるか、Bに夕方から出かけるかの究極の選択になっていました。考えた末、朝早く出かける方を選択。

前の日に座席をネットで押さえた時

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殺陣はリズム~映画「関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲!」~

殺陣はリズム~映画「関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲!」~

またもやハードディスクに眠っていた映画を観ました。

観始めてすぐ、そもそも間違って録画したことに気づきました。関ジャニ∞の映画かと思ったら、関西ジャニーズJr.の映画だったという……。ちなみに別に私は関ジャニ∞のファンではありませんが、彼らが出てくる映画なら、ちょっと面白いかなぁと思っただけです。

でもまぁ、こんな機会じゃないと、ジャニーズタレントのアイドル映画(だよね?)なんて、まず観ないの

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長安の姿が圧巻~映画「空海―KU-KAI―美しき王妃の謎 インターナショナル版(字幕版)」~

長安の姿が圧巻~映画「空海―KU-KAI―美しき王妃の謎 インターナショナル版(字幕版)」~

ずいぶん前からハードディスクに眠っていた映画を、ようやく観ました。

*私はインターナショナル版(字幕版)で観ましたが、吹き替え版もあります。

あの膨大な量の原作を、2時間ちょっとの映画にまとめた脚本家の努力には、敬意を表します。その代わり、原作の副主人公(実は、事実上の主人公だと思う)である橘逸勢が消えてしまいました。そして、事件に巻き込まれて時間を空費しているように見えて、密教の奥義はしっか

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丁寧に作られている~映画「銀河鉄道の父」~

丁寧に作られている~映画「銀河鉄道の父」~

昨日は「銀河鉄道の父」を観にいってきました。

宮沢賢治をダメ息子として描いたところが、直木賞受賞作でもある原作の売りで、それが本作にも引き継がれているわけですが、賢治のファンなら彼のダメっぷりは、むしろ常識ですよね。……はい、そうです。私は宮澤賢治ファンでございます。

だからこそ、もっとダメエピソードはあるだろうと、逆に不満でした。入院先の看護婦さんを好きになって結婚したがるとか、妹のトシ亡き

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真田広之は日本のジャッキーチェン~映画「助太刀屋助六」~

真田広之は日本のジャッキーチェン~映画「助太刀屋助六」~

昨日はハードディスクに眠っていた映画を観ました。

まったくどういう映画か分からない状態で観ましたが、面白かったです。主人公の助六を演じる真田広之の動きに既視感があると思ったら、ジャッキーチェンですね。アクションが華麗という点でもそうだし、あまり意味がないところでも無駄に(?)アクションを見せているところも同じ。

真田広之が村田雄浩と幼馴染の役なので、はたと思って調べたら、同じ1960年生まれで

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衝撃の嵐~映画「ファイブスター物語」~

衝撃の嵐~映画「ファイブスター物語」~

1月22日、シネマート新宿に映画「ファイブスター物語」を観にいってきました。

このシネマート新宿自体が、めちゃくちゃコアな映画ばかり上映しているミニシアターのようです。雰囲気もあり、通い詰めるファンもいるんだろうなぁと思いました。

「ファイブスター物語」は永野護原作の漫画の第1巻を映画化したものですが、ドリパスの上映リクエストで上映が実現しました。友人がチケットを取ってくれたおかげで、観ること

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想定している観客の中心は大人?~映画「アナと雪の女王2」~

想定している観客の中心は大人?~映画「アナと雪の女王2」~

今更ながら、アナ雪2を観ました。

第1作と、もちろん同じ世界の話であるものの、オラフの「これまでの話のまとめ」があることだし(?)、第1作を観ていない人が観ても大丈夫だと思います。むしろ第1作が評判になりすぎたからこそ観る気が無くなった、ちょっとへそ曲がりな方には、かえってお勧めかもしれません。扱っているテーマが、全く違うので。

で、そのテーマとは、先住民族と西洋文明及び、自然と文明の対立と和

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活元運動のようなダンス~映画「ダンシングホームレス」~

活元運動のようなダンス~映画「ダンシングホームレス」~

この映画は、私が勝手に応援している雑誌「ビッグイシュー日本版」の販売者さんの有志からなるダンスチーム・新人Hソケリッサ!の練習風景や公演の様子、メンバーのインタビューなどからなるドキュメンタリーです。

ドキュメンタリーなんですが、唯一作為というか、あざとさを感じてしまったのは、最初と最後を始め、要所要所で入るダンスシーンが雨の中で撮られていること。撮影日が偶然雨だった可能性もありますが、雨の中の

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