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観た映画の記事をまとめています。心に残る映画と出会えますように!
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【映画】~大海に落ちた、1滴の水『ヒトラーへの285枚の葉書』(ヴァンサン・ペレーズ監督)~

【映画】~大海に落ちた、1滴の水『ヒトラーへの285枚の葉書』(ヴァンサン・ペレーズ監督)~

*この記事は2019年8月のブログの記事を再掲したものです。

第二次大戦中のドイツにおいて、政権批判の葉書(カード)を書いては密かにベルリンのあちこちに置いた、実在の夫婦をモデルにした映画です。実際には妻の兄弟が戦死したそうですが、映画では息子を失った夫婦ということになっています。

↑アマゾンプライム会員の方は、無料で視聴できます。

夫婦のやることが非常に素人っぽく、いつバレるかとはらはらし

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【映画】二つの民族は兄弟~『もうひとりの息子』(ロレーヌ・レヴィ監督)~

【映画】二つの民族は兄弟~『もうひとりの息子』(ロレーヌ・レヴィ監督)~

パレスティナ問題について理解する手掛かりとなる映画です。

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イスラエル人のヨセフが受けた徴兵検査をきっかけに、ヨセフの両親が子どもが取り違えられていたことを知らされるところから、物語が始まります。出産時、病院側が新生児をミサイル攻撃から守るために避難させた際、パレスティナ人の赤ん坊と、取り違えられてしまったのです。

事実を知らされ、ヨセフの両

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【映画】長澤まさみが素晴らしい~『マスカレード・ナイト』(鈴木雅之監督)~

【映画】長澤まさみが素晴らしい~『マスカレード・ナイト』(鈴木雅之監督)~

ハードディスクに眠っていた映画を観ました。

↑アマゾンプライム会員の方は、無料で観ることができます。

前作の『マスカレード・ホテル』が非常に面白く、結末も意表をつくものだったので、ぜひ観ようと思ったわけです。その割には劇場にも行かず、かつ前作同様録画だけして、ハードディスクで眠らせていましたが(^-^;

大晦日にホテルで開かれる仮面舞踏会に、殺人事件の密告者が現れるということで、キムタク演じ

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【映画】長澤まさみの芸達者ぶりに脱帽~『マスカレード・ホテル』(鈴木雅之監督)~

【映画】長澤まさみの芸達者ぶりに脱帽~『マスカレード・ホテル』(鈴木雅之監督)~

*この記事は、2020年2月のブログ記事を再構成したものです。

観ようと思いつつ、観そびれていた映画『マスカレード・ホテル』を観ました。予告殺人の現場とされるホテルで潜入捜査を行う、キムタク演じる刑事の新田が主人公。新田の指導役を任されたのが、長澤まさみ演じるホテルマンの山岸です。

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まずは長澤まさみの芸達者ぶりに脱帽しました。姿勢とい

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【映画】たけのこがすごく美味しそう~『土を喰らう十二カ月』(中江裕司監督)~

【映画】たけのこがすごく美味しそう~『土を喰らう十二カ月』(中江裕司監督)~

映画館での公開時に観たかったものの、観そびれてしまった作品です。でもそうこうするうちにケーブルテレビで放映するわけで、映画館に行く人が減ってしまうわけだなと思います。

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原作者である水上勉がモデルのツトムが、信州の山の中で畑を耕し、精進料理を作って食べつつ過ごす、1年間の話です。信州の自然を背景に、素朴だからこそ贅沢なものを食べる生活、良

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【映画】ただの荒唐無稽な映画ではない~『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(竹内英樹監督)~

【映画】ただの荒唐無稽な映画ではない~『もしも徳川家康が総理大臣になったら』(竹内英樹監督)~

内容そのままの映画です。

『キングダム 大将軍の帰還』を観にいった時、『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の予告編を観て、絶対行こうと思っていました。

コロナ禍真っ只中の日本で、「歴史上の偉人たちをAIで復活させ、最強内閣を作る」という荒唐無稽な内容です。復活した面子も、キャストもすごい。

・内閣総理大臣:徳川家康(野村萬斎)
・内閣官房長官:坂本龍馬(赤楚衛二)
・経済産業大臣:織田信長

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【映画】いろいろすごい~『さかなのこ』(沖田修一監督)~

【映画】いろいろすごい~『さかなのこ』(沖田修一監督)~

いろいろな意味で、「すごい」映画でした。

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・ちょっと「変わった」ミー坊(さかなクンがモデル)を、ありのまま受け入れる、井川遥演じるお母さんがすごい。また、「ミー坊新聞」を貼ることでミー坊を一種のヒーローにしてしまう学校の先生たちも、すごいです。根気よくミー坊に仕事を教えようとした実習先の水族館の人や、ミー坊を雇ってあげたペットショップの

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【映画】対決シーンは見ごたえ充分~『キングダム 大将軍の帰還』(佐藤信介監督)~

【映画】対決シーンは見ごたえ充分~『キングダム 大将軍の帰還』(佐藤信介監督)~

原作を読まないまま、ついに最終章まで到達しました。

相変わらず、朝一番の回とはいえ、劇場は空いています。公開から11日目にして、これで良いのかいな。

そして相変わらず、戦闘シーンに次ぐ戦闘シーンで参ります。もうちょい、人間ドラマっぽいシーンがあっても良いかと。これが最終章である都合上、謎を残すわけにはいかないので、回想シーンでの説明が多いのも気になるところ。カーテンコール的に、これまで出てきた

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【映画】正義と法の支配が必要~『パレスチナからフクシマへ』(土井敏邦監督)~

【映画】正義と法の支配が必要~『パレスチナからフクシマへ』(土井敏邦監督)~

パレスチナと福島の類似性を考える、興味深い観点の映画です。

冒頭の、2014年のガザ地区の映像に、今のガザは同じというより、もっと悲惨な状況になっているのだろうと、暗澹たる思いになりました。パレスチナの人権活動家ラジ・スラーニさんが、自らがイスラエルによって受けた拷問について語るシーンも、辛かったです。

そのラジ・スラーニさんが、福島県飯館村を訪れ、避難を強いられた住民たちから話を聞きます。

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【映画】コアラはグルメ~『映画ざんねんないきもの事典』(2022)~

【映画】コアラはグルメ~『映画ざんねんないきもの事典』(2022)~

Eテレで数日前に放映していたものを観ました。

↑レンタルなら、400円です。

「リロイのホームツリー」、「ペンたび」、「はちあわせの森」の3本からなり、それぞれ主人公はコアラ、アデリーペンギン、ニホンノウサギです。それぞれ絵のタッチも違い、別々のお話しなのですが、共通するテーマは旅に付き合ってくれるお友達、母子のつながり、そしてウンコ(^-^;

合間に主人公やお友達、出会った生き物のざんねん

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【映画】ブルーノ・ガンツを偲んで~『ベルリン・天使の詩』(ヴィム・ヴェンダース監督)~

【映画】ブルーノ・ガンツを偲んで~『ベルリン・天使の詩』(ヴィム・ヴェンダース監督)~

*この記事は、2019年2月17日のブログ記事を再構成したものです。

一昨日、スイスの俳優ブルーノ・ガンツが亡くなりました。恐らく私にとって、これまで観た映画の最高傑作は「ベルリン・天使の詩」なのですが、主役の天使を演じたのがブルーノ・ガンツです。

といっても、実は私、ブルーノ・ガンツという名を知りませんでした。「『ベルリン・天使の詩』で、おっさんの天使を演じた人」という認識だったので(^_^

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【映画】みんなキャラが濃すぎ~『ザ・ファブル』(江口カン監督)~

【映画】みんなキャラが濃すぎ~『ザ・ファブル』(江口カン監督)~

例のごとく、ハードディスクに眠っていた映画を観ました。

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録画したのが前すぎて、岡田准一のアクションがすごいと聞いて録ったんだよなーということしか思い出せません。当然、ストーリーは全く知らない状態で観ました。もちろん調べれば粗筋くらい分かるわけですが、いっそ基礎知識ゼロで観てやろうと……。

岡田准一が演じるのは、凄腕という表現では表しき

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【映画】脚本が斬新~『キングダム 運命の炎』(佐藤信介監督)~

【映画】脚本が斬新~『キングダム 運命の炎』(佐藤信介監督)~

早く観にいかないと、すぐに上映回数が減ってしまうので、さっさと映画「キングダム 運命の炎」を観にいってきました。

まずは主役が前半1時間、ほぼ出てこないという斬新な脚本にびっくり。まぁ今作はエイセイ(漢字を出すのが面倒なので、カタカナ表記で失礼)の過去が描かれるので、仕方がないわけですが。あの過去があるからこそ、第1作・第2作のエイセイの言動があると思うと、なかなか感慨深かったです。杏はきれいす

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【映画】基礎知識がないと辛いかも~『関ケ原』(原田眞人監督)~

【映画】基礎知識がないと辛いかも~『関ケ原』(原田眞人監督)~

ハードディスクにずっと眠っていた映画を、ようやく観ました。

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岡田准一が石田三成を演じた点に興味を持って観たいと思ったのですが、まぁ当然ですが石田三成が負けることは分かっているわけで、何となく見るタイミングを逸していました。

で、実際観てどうかというと、正直うーんという感じ。今、大河で「どうする家康」をやっているタイミングで観たのが悪い

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