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ぺぎんの日記

79
2024.04.01~ 高校2年生の日記が毎日追加されていきます!
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#高校生

ファウル!

ファウル!

2024.06.19
ぺぎんの日記#78
「ファウル!」

以下、便宜上「男子」「女子」という明確に区別した表現を用います。ご了承ください。

今は体育の時間に、ソフトボールを男女混合でやっている。
野球経験者の男子って紳士だなぁと思った、そんな話。

ソフトボールを男女混合でやると何が起こるかって、そりゃまぁ端的に言うと男子が上手くて女子は下手なのである。ボールは投げられない、バットには当たらな

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もっと遠くに

もっと遠くに

2024.06.18
ぺぎんの日記#77
「もっと遠くに」

今年になって、いつもの通学路にやたらと鹿やキツネが姿を現すようになった。

今日の帰り道、自転車で夜の闇の中を走っていると、アスファルトの道の奥に何やらキラリと光るものがある。

何かと思い、そっと近づいていくと、それは1匹の子ギツネであった。

歩道に座り込んで、何かを求めるような目でこちらを見る。

自転車に付けてけていたライトを外

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消しちゃった絵しりとり

消しちゃった絵しりとり

2024.06.17
ぺぎんの日記#76
「消しちゃった絵しりとり」

移動教室の楽しさは、こういうところにあるんだと思う。

今日もまた、机の端に書かれた絵しりとりの続きを考える。
化学の時間だけ使う、誰の席だか分からない机。そして、その右端に小さく続けられている絵しりとり。

私と、そして誰だか分からない相手との唯一のコミュニケーション。

移動先の教室の、前から4番目、廊下側の机で、今までの

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無垢なふくらはぎ

無垢なふくらはぎ

2024.06.16
ぺぎんの日記#75
「無垢なふくらはぎ」

少し変態的な話をしますね。
私はふくらはぎが好きです。

細く鋭いアキレス腱に、流線型のなめらかな筋肉のついたふくらはぎ。
膝のところでキュッと細くくびれるくらいの太さを持ったふくらはぎ。

私のクラスメイトに、帰宅部のくせにやたらふくらはぎの綺麗な女の子がいる。いや、帰宅部「だから」なのかも知れない。ガチの運動部はどうしても実用的

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外から見れば

外から見れば

2024.06.15
ぺぎんの日記#74
「外から見れば」

小学時代、高校生はみんな大きくて怖い人たちだと思っていた。
中学時代、高校生は沢山勉強させられて、社会人に矯正されていく可哀想な人たちだと思っていた。

6/14(金)
3時間目の論理国語を受けながら、窓の外を眺める。
教科ごとの席替えで、論理国語の時間だけ勝ち取った青春席。

風も、光も、もうすっかり夏のそれ。開けっ放しの窓から飛び込

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4本です…

4本です…

2024.06.14
ぺぎんの日記#73
「4本です…」

学校で歯科検診があった。

歯医者の先生が私の歯を、鏡や、何か棒らしきものを使って観察する。
「1から10まで斜線、5がc、12がa」そんなようなセリフを歯科衛生士さんに伝え、歯医者の先生の隣では歯科衛生士さんが記録を取る。

「11が…ん?」
歯医者さんの手が止まる。

「待てよ、君矯正してる?」
「あ、はい」
「永久歯抜いた?」
「何

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ずぶぬれてこの頃

ずぶぬれてこの頃

2024.06.13
ぺぎんの日記#72
「ずぶぬれてこの頃」

朝はカラッと晴れていたのに、午後からスコール並みの大雨が降ったせいで、私を含め多くの人が帰宅難民になった。

帰宅難民という表現は大げさか。でも現に、だいたいの部活が終わった6:30頃の玄関は迎えを待つ人や、雨の中を帰る覚悟を決め切れない人でごった返していた。

玄関の外で激しく叩きつける雨を見て私も動揺する。部活をしていたときは、

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ブラックボックスを突き抜けて

ブラックボックスを突き抜けて

2024.06.12
ぺぎんの日記#71
「ブラックボックスを突き抜けて」

今日は化学の先生が熱を出してしまってお休みしていた。

化学の時間は自習になり、自習監督としてS先生が入ってくれた。
S先生は1年生の担任を持っている数学の先生。私たち2年生の授業は持っていないものの、授業が面白いと評判の先生だ(数学の先生なのに至って平和な前評判である)。

そんなS先生が話してくれた、数学と物理に関す

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避難所から帰ってきて、まずするべき行動は?

避難所から帰ってきて、まずするべき行動は?

2024.06.11
ぺぎんの日記#70
「避難所から帰ってきて、まずするべき行動は?」

今日の地理の時間で、この間あった定期テストが返却された。

うん、悪くない。
まずは点数を見てそう思う。

一通り返却が済むと、先生から模範解答と珍回答が発表される。

今回は災害の分野からも出題されていて、珍回答があったのは「避難所から自宅に帰ってきたとき、まずするべき行動は?」という問い。

先生「はい

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虹のかかった空と

虹のかかった空と

2024.06.10
ぺぎんの日記#69
「虹のかかった空と」

朝からシトシト降っていた雨が、帰るときにちょうど天気雨に変わった。

部活終わり。

廊下の窓の外、夕日に照らされながら降る雨粒。
雨の一筋一筋がキラキラとオレンジ色を照り返す。

綺麗。

これから飛び出していく世界に、期待が高まる。

玄関に着き、下駄箱から靴を取り出す。
水と土の混ざった香りがふわりと匂う。
朝、水たまりを蹴飛

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はぐれたポテト

はぐれたポテト

2024.06.09
ぺぎんの日記#68
「はぐれたポテト」

引用元:
この日記は、ポッドキャストアプリSpotifyで配信されているTAKRAM RADIOの「Vol.228 表現と真剣さ〜わたしたちは駄作や批判に向き合えるか」に登場する、宇宙を浮遊するフライドポテトの話から、引用・再解釈したものです。「宇宙を浮遊するフライドポテト」は、写真家の鈴木陽介さんのHPに登場するクルクル回るフライド

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「!」に驚かされて

「!」に驚かされて

2024.06.08
ぺぎんの日記#67
「『!』に驚かされて」

めっちゃ淡白なクラスメイト。
彼女の名前を、彼女のニックネームから取って「Pちゃん」としておこう。

Pちゃんの紹介をしたいのだが、実物の彼女を見てもらわない限り、彼女について可不足なく説明するのは不可能なんじゃないかと思う。

パターン化できない、すごく不思議な人。

淡白だけど冷めてるってわけじゃなくて、何と言うか、語尾がフラ

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手を伸ばすと届きそうだから

手を伸ばすと届きそうだから

2024.06.07
ペぎんの日記#66
「手を伸ばすと届きそうだから」

冷蔵庫の中の食材は、美しい光を放つ。

家族がみんな寝静まった時間帯。
コソコソと部屋を出てキッチンの冷蔵庫に向かう。

暗闇の中、手先の感覚を頼りに冷蔵庫の扉を探し出す。

扉に手をかけ、そっと開ける。

冷蔵庫の中から、ヒンヤリとした心地よい冷気が流れ出す。魚や、肉や、野菜や、それらが混ざった匂いがする。

同時に、美

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デンプンが腐る匂い

デンプンが腐る匂い

2024.06.06
ぺぎんの日記#65
「デンプンが腐る匂い」

去年の秋に採れたジャガイモから、どんどんと芽が出てきている。

自分の家の小さな畑で採れたジャガイモ。
農家さんからお米を買ったときの30kg用米袋いくつかに、乾燥させたそれを、パンパンに詰めて保存する。

冬の間に料理で使うジャガイモは、全てその米袋から出してきて使う。

去年は豊作で、一冬を超えてもジャガイモはまだ沢山余ってい

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