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4本です…

2024.06.14
ぺぎんの日記#73
「4本です…」


学校で歯科検診があった。

歯医者の先生が私の歯を、鏡や、何か棒らしきものを使って観察する。
「1から10まで斜線、5がc、12がa」そんなようなセリフを歯科衛生士さんに伝え、歯医者の先生の隣では歯科衛生士さんが記録を取る。

「11が…ん?」
歯医者さんの手が止まる。

「待てよ、君矯正してる?」
「あ、はい」
「永久歯抜いた?」
「何本か、抜きました」
「あーほんとー。ごめんちょっとズレるわ。もっかい行くね」

歯医者さんがどうやら私の歯の本数が足りないことに気付いたらしく、もう一度はじめから歯のチェックが始まる。
「無いのは…3と…6…か」

「あれ?ちょっと待ってください」今度は記録をしていた歯科衛生士さんが声を上げる。
「去年は3番しか欠損になってないですね」
「あ、ほんとだ。去年見逃されたんだね」
「かもしれないですね笑」

歯科衛生士さんとの会話を終え、歯医者さんが私に確認を取る。
「抜いたのってこことここの2本でしょ」
棒みたいなやつでコツコツされる。

「あ、はい、そこ抜きました」
「OKOK。じゃぁさっきので大丈夫だわ。さっきのでお願いね」
歯医者さんが歯科衛生士さんに指示を出し、「じゃ、以上ですお疲れ様でしたー」と、私の歯科検診が終わる。

記録用紙に書いてある欠損記号は下顎の2つだけ。

「ありがとうございましたー」と、保健室を出て、教室へ帰る途中の廊下。
釈然としない、でも少し勝ち誇ったような気持ちになる。

あのね歯医者さん、私、顎が小さいから矯正のとき、上2本&下2本、合計4本抜いてんだ。

矯正をしてくれた歯医者さんの腕が相当いいのか、今までの歯医者さんがヤブ医者なのか。私の永久歯が4本欠落していることに歯科検診で気付いてくれた人はまだいない。

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