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写真に関するもろもろ

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写真について語っているもの、写真家について語っているもの、写真の充実した記事、写真展の記事など
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#展示

東京国立博物館 「近代の美術」

東京国立博物館 「近代の美術」

東京国立博物館 本館1階にある18室「近代の美術」では、日本画の名作が展示されていて、毎回楽しみにしております。

少し前ですが5月に訪問した際にこちらの2作品が並んで展示されてました。

松本楓湖の《牛若》と小林古径の《芥子》。

 帰宅後に、そういえばこの二人の関連って…とググってみたら、松本楓湖の門下の今村紫紅らが発足した紅児会のメンバーが小林古径でした。そして、この時は今村紫紅の《熱国之巻

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ついつい買っちゃう美術展の図録

ついつい買っちゃう美術展の図録

美術館という建築物そのものと行けばいろんな作品に出会える非日常的な空間が好きで、安らぎと刺激を求めて定期的に足を運ぶ。そこでやめられないのがつい図録を買ってしまうこと。実はそんなに見返さないし置き場もないから厳選してるつもりだけど(ポストカードとマグネットは別腹)、気づけば10冊以上になっていたので曖昧な記憶と共にまとめてみる。時系列はばらばら。

マグリット展

昼と夜が混在する「光の帝国」とい

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【展覧会レポ】東京都美術館「デ・キリコ展」

【展覧会レポ】東京都美術館「デ・キリコ展」

【約4,400文字、写真約30枚】
東京都美術館で「デ・キリコ展」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿で伝えたいこと】
❶世界中から集められたデ・キリコの作品110点をイッキに見ることで、作品や生涯の変遷が分かる、❸楽しい絵が多いことに加え、会場内が凝った造りになっているため、美術館に普段行かない人にもおすすめ、❹値段が2,200円と若干高め。9/14(土)から神戸市立博物館で巡回す

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【展覧会レポ】皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび ー受け継ぐ美ー 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」

【展覧会レポ】皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび ー受け継ぐ美ー 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」

【約3,800文字、写真約55枚】
皇居三の丸尚蔵館に初めて行き「皇室のみやび ―受け継ぐ美― 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿で伝えたいこと】
❶日時指定予約制のため絶対事前web予約が必要!、❷作品数はコンパクト(14)ながら、国宝を3つを含み、どれもめっちゃ「みやび」でありがたさを感じる展覧会、❸皇居に入る良い機会にもなりました。

▶︎訪問の

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【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【約5,400文字、写真約60枚】
練馬区立美術館で開催されている「三島喜美代―未来への記憶」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿であなたに伝えたい点】
❶大満足の展覧会、❷作品だけでなく、三島喜美代自身の魅力が十分に伝わる内容だった、❸作品や考え方の変遷が分かりやすく、キャッチーな作品が面白いことに加え、メッセージ性もはっきりと伝わった、❹大人も子供も、アートに興味がある人も薄い人

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【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

原美術館が品川にあった頃、その芝生の中庭にいつも大きな新聞紙が鎮座していた。
私が見た三島喜美代作品の最初は、それだと思う。
原美術館が閉館する時、作品はどうなってしまうのか?と思っていたら群馬県のハラミュージアムアークにちゃんと移設された。一安心。

あとは、現代美術館の常設展示室で見かけたりしていたと思う。
やっぱり、面白くてちょっとクスッと笑ってしまうことに惹かれる性分なせいか、作品は作品な

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【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【約6,900文字、写真約60枚】
実体験を基に「青森県の4つの美術館を」「東京から一泊二日」「電車・バスで周った」「一人旅」について、具体的なルート、食べたものとともに、感想などを書きます。

結論から言うと、青森の主要美術館は素晴らしいものばかり!美術館メインで旅行を組む価値は十分にあります。なお、車を使わない場合、2日で5つの美術館は周り切れず、4つが限界でした。注意点は、青森は都内と違い、

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【霧に巻かれる】長野県立美術館 NAMコレクション2024 I期&東山魁夷館 

【霧に巻かれる】長野県立美術館 NAMコレクション2024 I期&東山魁夷館 

2024年ゴールデンウィークは長野と山梨の美術館を巡った。
もう20年近く盆暮正月と甲信越へ行っているのに訪問する日取りのせいか、どこももれなく休館日&改装中という事が多く、やっと訪問できた山梨&長野県立美術館。
旦那実家で子供達がやりたい事をしている間に私のみ新幹線やら在来線を駆使し移動。
1日目は長野県立美術館→佐久市近代美術館
2日目は小海町高原美術館→清里フォトミュージアム→終点は山梨県立

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【メタモルフォーゼ】宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO 東京オペラシティアートギャラリー

【メタモルフォーゼ】宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO 東京オペラシティアートギャラリー

盛りだくさん!!!
御年90歳の宇野亜喜良氏の大回顧展である。

イラストレーション、デザインなどなど、意識せずともどこかで彼の仕事と遭遇しているだろう。
私は、日本のビアズリーだと思っていた。
耽美という形容も合う。
作者の名前でぱっと作風が思い浮かぶ。

が、しかし今回の展覧会では既存イメージ以外の作品・プロジェクトも多数展示があり「これもそうだったのか!」と、改めて氏の仕事の広さに驚いた。

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展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

【約5,900文字、写真約80枚】
青森の美術館巡りの一環として、十和田市現代美術館で「常設展」「野良になる」などを鑑賞しました。その感想を書きます。

結論から言うと、こんな美術館は初めてで、満足度が高かったです!とにかくクセが強すぎて、楽しい!面白い!アートに興味が全くない人も十分楽しめると思います。また、無料で楽しめる屋外アートが多く、美術館の建築も外に丸見えになっていることにより、アートと

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川瀬巴水『旅と郷愁の風景』展が最高だった

川瀬巴水『旅と郷愁の風景』展が最高だった

2月中旬頃に崖から転げ落ちる勢いでハマってしまった新版画の川瀬巴水。
「いま展示やってるのかーでも香川は流石に無理や…」とその時は断念。
太田記念美術館とかにも版画あるそうだから行きたいなと思っていたら、
なんと近く(車人間の「近く」は信用してはいけない)の
八王子市夢美術館で4/5〜6/2まで開催すると教えて頂いて!
2024年4月6日(土)に行ってきました!!!
巡回展示だったーーやったーー!

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展覧会と図録、メモとカメラ

展覧会と図録、メモとカメラ

美術館で良いなぁと思った作品はカメラでよく撮っていた。もちろん撮影禁止の場合を除いて。

そして展覧会では図録も置いている。パラパラとめくってみる。ふと気がついた。何か違う。
直前に作品そのものを見ていたから尚更かもしれない。記憶の中の作品と図録では、色が違う。
当たり前と言えば当たり前かもしれない。そして、面白いことに、図録の色合いの方が良い(好み)場合もあったりした。

それからは作品を撮るこ

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展覧会レポ:青森県立美術館「AOMORI GOKAN アートフェス2024 前期 コレクション展」ほか

展覧会レポ:青森県立美術館「AOMORI GOKAN アートフェス2024 前期 コレクション展」ほか

【約5,200文字、写真約60枚】
青森県の美術館巡りの一環で、青森県立美術館「AOMORI GOKAN アートフェス2024 前期 コレクション展」に行きました。その感想を書きます。

結論から言うと、青森県民もそうでない人も、是非とも行くべき美術館だと思いました。それは主に、1)大自然と共生するハイセンスな建築、2)シャガールの巨大すぎる作品を設置した「アレコホール」が圧巻、3)充実した奈良美

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展覧会レポ:弘前れんが倉庫美術館「蜷川実花展 with EiM: 儚くも煌めく境界」

展覧会レポ:弘前れんが倉庫美術館「蜷川実花展 with EiM: 儚くも煌めく境界」

【約4,200文字、写真約60枚】
弘前れんが倉庫美術館(青森県)で「蜷川実花展 with EiM: 儚くも煌めく境界」を鑑賞しました。その感想を書きます。

結論から言うと、弘前市民の方も、旅行で青森に訪れた方も、是非とも寄るべき美術館・展覧会だと思いました。弘前市の歴史を尊重した美術館の建築、蜷川実花氏の展覧会に関しては、空間を大きく使った映えるインスタレーション、弘前公園の桜を撮影した新作の

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