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【展覧会レポ】皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび ー受け継ぐ美ー 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」

【約3,800文字、写真約55枚】
皇居三の丸尚蔵館に初めて行き「皇室のみやび ―受け継ぐ美― 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿で伝えたいこと】
日時指定予約制のため絶対事前web予約が必要!、❷作品数はコンパクト(14)ながら、国宝を3つを含み、どれもめっちゃ「みやび」でありがたさを感じる展覧会、❸皇居に入る良い機会にもなりました。

展覧会名:皇居三の丸尚蔵館 開館記念展皇室のみやび―受け継ぐ美―第4期<三の丸尚蔵館の名品>
場所:皇居三の丸尚蔵館
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★★☆☆
会期:令和5年(2023)11月3日(金) ~ 6月23日(日)
休館日:月曜定休
開館時間: 午前9時30分~午後5時 
住所:東京都千代田区千代田1−8 皇居東御苑 内
アクセス:大手町駅から徒歩で約10分
入場料(一般):1,000円
事前予約:必須
展覧所要時間:約1時間
展覧撮影:全て可能
URL:https://pr-shozokan.nich.go.jp/miyabi/ 


▶︎訪問のきっかけ

皇居の入り口

偶然、ネットで皇居三の丸尚蔵館の代表作品を展示する「皇室のみやび―受け継ぐ美―」の開催を知りました。「え!皇居の中に美術館があるん?これは行ってみなアカン!」と思い、訪問しました。

後から知りましたが「三の丸尚蔵館」は1993年に開館、すでに約30年間運営していました😅

▶︎アクセス

事前予約は必須!

まず重要な点として、皇居三の丸尚蔵館は日時指定予約制です!必ず事前ネットクレジット決済する必要があります。その場でお金を払って入場することはできません。私はそれを知らなかったため、14時ごろに到着したところ、1時間半ほど近くのカフェで時間を潰すことになりました。

近くにおしゃれスタバもあります

私は当日の感動を大事にしたいため、事前に展覧会の情報をできる限り見ないようにしています。しかし、このような弊害もありますね…、これからは事前予約の可否だけは確認します😨

なお、予約時間の30分後くらいに入場すると、人が空いているためベストです。予約時間ちょうどに入ると、人が混んでいて鑑賞しづらいです。

皇居東御苑と上皇上皇后両陛下

皇居三の丸尚蔵館へは、大手町駅から徒歩約10分。大手町駅のC9、C10、C13出口から出ると近いです。

池の反射が綺麗
「特別史跡」はキトラ古墳で覚えました📝
いざ、皇居へ
「手荷物確認実施中」
並ぶ時はカバンを開けて準備
内側から見た大手門(小)
「大手町」の由来が「大手門」と初めて知りました
大手門(大)

大手門(大)を抜けて、1分も歩かないうちに皇居三の丸尚蔵館へ到着します。なお、皇居内は無料で入ることができます。私は皇居に初めて入りました。今回は、入り口から少し入っただけでしたが、面白そうでした。いつか時間をかけて見学してみたいです。

昔の建物と後ろの高層ビルがつくるコントラストが面白い

住所:東京都千代田区千代田1−8

▶︎皇居三の丸尚蔵館とは

外観

平成元年(1989)、昭和天皇まで代々皇室に受け継がれた品々が、上皇陛下と香淳皇后により国に寄贈されたことを機に、それらを保存・研究・公開するための施設として、平成5年(1993)1月に、宮内庁三の丸尚蔵館が開館しました。 その後も香淳皇后や各宮家からの品々が加わり、現在は約2万点の作品を収蔵しています。(略)収蔵品の増加と入館者の増大に対応するために施設の拡充をはかり、令和元年(2019)より新館の建設がすすめられ、その一部が完成しました。それとともに、組織が宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ移管され、館の名称も新たに「皇居三の丸尚蔵館」と変わりました。拡張工事は今後も引き続き、全館開館は令和8年(2026)を予定しています。

館内の「ごあいさつ」より

館内の「ごあいさつ」にあっさり書かれているものの、内実は少し複雑のようです。1989年(平成元年)は昭和天皇が崩御した年です。そこから「受け継がれた品々」を遺族に相続する際に相続税を計算する必要がありました。昭和天皇の持ち物が国有財産なのか、天皇の私物なのか曖昧なものが多かったため、その時初めて1点1点精査したそうです。

皇室にゆかりの深い品々は、皇室経済法第7条により、天皇の私物に認定され、その一部は相続税の課税対象となりました(相続税を払ったと言っても、その原資はもともと、国民からの税金だったのではなかろうか…?)。そして、その残りの品々が遺族により国に寄贈され、国有財産となり、三の丸尚蔵館で所蔵、展示されることとなりました。

順番待ちをする人たち

その後、1)収蔵スペース不足、2)老朽化、3)来場者からの声をもとに、建て替えが検討され、実施にいたりました。

三の丸尚蔵館の認識する課題(画像引用
独特なパワポだ…

当初は2022年に新館オープンを予定していました。しかし、何やかんやあって、2026年全面再開館に落ち着いたようです。新たな施設には複数の展示空間が設けられるため、展示品の入れ替えによる休館日がなくなることに加え、皇居初のカフェが併設される予定とのこと。

まだ仮囲いがあります
施工者は清水建設

▶︎「皇室のみやび ―受け継ぐ美― 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」感想

入り口のサイン

新館の一部開館を記念して開催する本展では、当館を代表する収蔵品を、4期に分けて紹介いたします。(略)当館は、これからも皇室から受け継いだ収蔵品を大切に守りながら、皇室と文化のかかわりについて、さまざまな機会を通じて広く紹介し、多くの方々に親しんで いただける施設を目指してまいります。

館内「ごあいさつ」より
ポスター

明治時代以降、御即位や御結婚などのお祝いごとや国内各地への行幸ぎょうこう(天皇の外出)のほか、皇室に納められることにより長く保護されることを 願って、しばしば美術工芸品が献上されました。(略)第4期では、 国宝《唐獅子図屏風》国宝《動植綵絵》などの献上品を中心として、絵画、 書跡、工芸から選りすぐりの名品をご紹介いたします。

青森県八戸市にあった明治天皇の行幸跡地(2024年4月撮影)

「皇室のみやび」展は、全2室、展示作品数は全14とコンパクトです。これくらいのボリュームのだと、サクッと鑑賞できます。ただし、それぞれが粒揃いであるため、ゆっくり見たり、悦に浸っているとそれなりに時間がかかります(私の滞在時間は約1時間)。

展示室1の様子
【国宝】高階隆兼たかしな たかかね春日権現験記絵かすがごんげんけんき 第一》
1300年ごろの風景。ニコニコ仕事している人もいれば、嫌そうな人もいます😀
今でも十分読めそうな美しい文字
【重要文化財】藤原為信・豪信ごうしん《天子摂関御影 天皇巻》
歴代天皇ファンブックみたいな感じ

全作品が撮影可能でした。日時指定予約制のため、来場者は多すぎず、写真を撮りながらゆっくりと鑑賞できました。みなさんスマホでカシャカシャ、隅々まで写真を撮っていました(どれも「みやび」なため、気持ちは分かります)。撮影に集中し過ぎず、たまにベンチで落ち着いて鑑賞しましょう。

【国宝】伊藤若冲《動植綵絵どうしょくさいえ
タコかわいい
酒井抱一《花鳥十二ヶ月図》
まん丸で美味しそうな柿

館内の配置に、これといったキュレーションはありません。ただ貴重で豪華な作品が展示されているのを見て「ありがたや…」となる展覧会でした。量より質です。これで1,000円なら妥当なのかもしれません。

展示室2の様子
【国宝】左隻:狩野常信、右隻:狩野永徳《唐獅子図屏風》
左隻は17世紀江戸時代
右隻と違い、おじいちゃんっぽい獅子
右隻は16世紀桃山時代
目力があり、全体的に若々しく迫力がある獅子
Slip KnotのライブTシャツとのコントラストが良い
横山大観《朝陽霊峰》
太陽が沈んでもきれいなマジックアワーになりそう
私は横山大観の作品が一番好きでした。雄大な気持ちになれます
大観の作品は、ぼーっといくらでも見ていられます

献上する側は、パッと見て絢爛豪華な作品を選びがちです。皇室の方々は、御幸の先々でこういった品々を献上されても増える一方のため、保管に困りそうです。「いりません」と言う場合もあるのでしょうか?また、誰が献上したのか、キャプションで確認すると興味深かったです。

初代 飯塚桃葉いいづか とうよう《宇治川蛍蒔絵料紙箱》
料紙箱とは、書をしたためる料紙を入れるための箱らしい。こだわりがすごい!
初代 飯塚桃葉いいづか とうよう《宇治川蛍蒔絵硯箱》
伝 青海勘七《青海波塗硯箱せいがいはぬりすずりばこ
展示室2の様子
戸島光孚とじま こうふ《双鶏置物》
並阿靖之なみかわ やすゆき《七宝四季花鳥図花瓶》
募金箱

▶︎まとめ

買ったポストカード。
伊藤若冲《動植綵絵どうしょくさいえ

いかがだったでしょうか?とにかく「みやび」な展覧会でした。作品数は14とコンパクトながら、どの作品も豪華絢爛、粒揃いで目の保養になりました。私は初めて皇居に入る良い機会にもなりました。2026年の全面再開館が楽しみです😀

▶︎今日の美術館飯

★3.2/アンドコーヒーメゾンカイザー Otemachi One店 (東京都/大手町駅) - カフェラテ (¥440)、クロワッサン (¥285)

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