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写真に関するもろもろ

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写真について語っているもの、写真家について語っているもの、写真の充実した記事、写真展の記事など
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記事一覧

感動!「ロバート・キャパ写真展」

感動!「ロバート・キャパ写真展」

「崩れ落ちる兵士」の写真が、ロバート・キャパを戦争写真家として一躍有名にした。そのキャパの写真展が開かれており、それを観に今日、八王子にある「東京富士美術館」に行ってきた。
 
写真という手法で、戦争の現実を、そしてそこに生きる住民や兵士の心の内を、世界の人に知らせようとしている氏の気持ちが伝わって来た。

そしてタイムスリップして,「怒りの葡萄」を書いたジョン・スタインベック、「誰がために鐘は鳴

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現存する最古の公立美術館「京セラ美術館」で村上隆・ジブリ・バンクシー・エジプト展

現存する最古の公立美術館「京セラ美術館」で村上隆・ジブリ・バンクシー・エジプト展

「美術館なんて退屈」
そう思ってました。

子供の頃、興味がなかったのに、大人になって年齢を重ねてくると好きになるものが沢山ありますよね!

そのひとつが美術館。
絵心もないし、特に好きな画家とかがいるわけじゃない。

でも、今はその建築の美しさや歴史にも関心があるし、展示内容に興味があれば足を運ぶようになりました。

でも、同じ美術館に何度も行ったのは京セラ美術館くらいで、3度、行きました。

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『犬派?猫派?』 山種美術館

『犬派?猫派?』 山種美術館

『犬派?猫派?ー俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃までー』を見に山種美術館に行って参りました。我が家では犬を飼ってますが、個人的には断然、猫派です。

週末の14時頃に訪問したのですが、今までで1番混んでまして、1Fのカフェには待ちの列ができておりました。恐るべしワンちゃんニャンちゃん企画。

若いカップルや、女性二人客の方も多数いて、いつもの静かな山種美術館とは異なり、上野でやってるようなお

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【展覧会レポ】皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび ー受け継ぐ美ー 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」

【展覧会レポ】皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび ー受け継ぐ美ー 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」

【約3,800文字、写真約55枚】
皇居三の丸尚蔵館に初めて行き「皇室のみやび ―受け継ぐ美― 第4期<三の丸尚蔵館の名品>」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿で伝えたいこと】
❶日時指定予約制のため絶対事前web予約が必要!、❷作品数はコンパクト(14)ながら、国宝を3つを含み、どれもめっちゃ「みやび」でありがたさを感じる展覧会、❸皇居に入る良い機会にもなりました。

▶︎訪問の

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兵庫県立美術館へ

兵庫県立美術館へ

兵庫県立美術館へ行きました。
実は今日から「描く人、安彦良和」が始まっているのですが、今日私が見るのはそっちではなくて、ギャラリー棟でやっている「キース・へリング展 アートをストリートへ」の方です。前にギャラリー棟でやっている展覧会を見た時には歩道橋から直接3階に入って見た記憶があるので、きっと今回もそうだろうと思って歩道橋から入ったら違いました。入口が1階にあり、3階へ階段で上っていかなければダ

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新時代の日本画を見定めるのは可能か

新時代の日本画を見定めるのは可能か

上野の森美術館(東京・上野)で6月4日まで開催中の「第9回 東山魁夷記念 日経日本画大賞」展。選考結果を、大変興味深く受け止めた。

ともすれば保守的になりかねない日本画の表現を、若い作家たちはどう切り開いているのかを知りたい。はたして新時代の日本画を見定めるのは可能か。そんな期待を持って、3年に一度、作家・作品の顕彰を続けているこの展覧会に出かけた。

大賞を受賞した村山春菜は日展に所属する。日

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【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【約5,400文字、写真約60枚】
練馬区立美術館で開催されている「三島喜美代―未来への記憶」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿であなたに伝えたい点】
❶大満足の展覧会、❷作品だけでなく、三島喜美代自身の魅力が十分に伝わる内容だった、❸作品や考え方の変遷が分かりやすく、キャッチーな作品が面白いことに加え、メッセージ性もはっきりと伝わった、❹大人も子供も、アートに興味がある人も薄い人

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【TDSレポ】写真約70枚で振り返る、未就学児と緩く楽しむ11時間

【TDSレポ】写真約70枚で振り返る、未就学児と緩く楽しむ11時間

【約2,800文字、写真約70枚】
東京ディズニーシー(以下、TDS)に、8年ぶりに行きました。最近、カメラを買い替えた(SONYのα7ii→α7iv)ため、カメラの練習も兼ねてたくさん撮影しつつ、TDSを未就学児2人と楽しんだ感想を書きます。

結論から言うと、TDSはいつ行っても楽しい!今回は主に、1)人が少なく比較的スムーズだった、2)子供が大満足で親も嬉しい、3)写真をたくさん撮影したこと

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全国自然博物館の旅㊲豊田ホタルの里ミュージアム

全国自然博物館の旅㊲豊田ホタルの里ミュージアム

5月下旬から6月上旬はホタルの発光観察のメインシーズン。すでにホタル観察に出かけられた方は多いのではないでしょうか。
幻想的なホタルの光を見るのなら、やはり名所に行くのがベスト。この度は、ホタル観察の聖地・山口県の豊田町に立つ自然博物館に行って参りました。

天然記念物の地でホタルが舞う!山口県の下関市が擁する豊田町。この地は、国内屈指のホタル観察の聖地です。木屋川流域のゲンジボタルの生息地は国の

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没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる 東京都写真美術館

没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる 東京都写真美術館

『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』を見に東京都写真美術館に行って参りました。今回は予定が空いていた息子も一緒です。(無理やり)

行きしなの車中で「どんな展覧会なの?」の質問には「日本で1番有名な写真の賞があって、木村伊兵衛賞って言うんだけど、その木村伊兵衛の写真展」と返しまして「ふ〜ん」の回答。面白そうに説明できず反省…。

GW中というのもありますが、かなりの混み具合。シニアの方から若い

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問い/きっかけとしてのアート、そしてアクション。【開館30周年記念 ヨーゼフ・ボイス】

問い/きっかけとしてのアート、そしてアクション。【開館30周年記念 ヨーゼフ・ボイス】

JOSEPH BEUYS
ヨーゼフ・ボイス

マルセル・デュシャンやアンディ・ウォーホルと並び評されるほどの現代芸術家らしい。しかし知名度の点では、前2者とあきらかに開きがある。少なくとも現時点の日本では。

しかし国内に、ボイスの作品をコレクションの中心とし、展示している美術館が存在する。カスヤの森現代美術館。横須賀で30年前にオープンした。

開館30周年を迎えた今年、その名もズバリ「ヨーゼフ

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【寄贈、購入…保管?】所蔵作品展「MOMATコレクション」(2024.4.16–8.25) 東京国立近代美術館

【寄贈、購入…保管?】所蔵作品展「MOMATコレクション」(2024.4.16–8.25) 東京国立近代美術館

始まりました、MOMATコレクション。
今季の展示概要は公式ウェブサイトをチェックしてもらって。
いつ行っても「面白いな!」「うーん?」「すごっ」「うぇぇ…」「この手のは苦手」「これ好きだわ」→最終的に「今回も目一杯だった…」
という感情、感想のジェットコースターに乗せられているような所蔵品展である。
今回も企画展が始まる前の時期に訪問。土曜日の夜間開館を利用。

4階のハイライト

今回は加山又

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「木村伊兵衛 写真に生きる」(東京都写真美術館):白黒スナップショットから街歩きスケッチを考える

「木村伊兵衛 写真に生きる」(東京都写真美術館):白黒スナップショットから街歩きスケッチを考える

(長文になります)

はじめに 私のNOTEの記事のテーマは、「線スケッチ」に関連するものです。ですから表題を読まれた方はなのになぜ写真展なのかと疑問に思われるかもしれません。そこで最初にその理由を説明します。

写真と私

 中学、高校時代、私は義理の伯父の家に寄宿していたのですが、伯父はなぜか毎月かなりの数の雑誌を定期購入していました。その中に、今は無き「LIFE」、「アサヒカメラ」があり、毎

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【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

原美術館が品川にあった頃、その芝生の中庭にいつも大きな新聞紙が鎮座していた。
私が見た三島喜美代作品の最初は、それだと思う。
原美術館が閉館する時、作品はどうなってしまうのか?と思っていたら群馬県のハラミュージアムアークにちゃんと移設された。一安心。

あとは、現代美術館の常設展示室で見かけたりしていたと思う。
やっぱり、面白くてちょっとクスッと笑ってしまうことに惹かれる性分なせいか、作品は作品な

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