技術の雑談

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学び続けよう|元エンジニアの中学校技術教師|毎日、技術に関連した雑談を配信|自分の中学生時代を思い出すと、先生の授業は覚えていないが、雑談は覚えている。|0歳5歳の子育て中

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【技術科教師旅】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

岐阜県各務原に行ってきた。内陸で交通のべんがよいとはとても言えない場所にも関わらず、日本の航空機産業の原点がここにはあります。 “かかみがはら航空宇宙博物館” 飛行機の成り立ちから運転の仕方まで、飛行機関連のことを歴史も踏まえて学べる総合的な飛行機の博物館です。屋外のYS-11やP2Jなどの実機を4機も展示し、室内も各務原の歴史から飛燕、飛鳥に至るまでの過程をわかりやすく展示していて、大変勉強になりました。 博物館に入ると各務原での航空機産業の始まりとなった、記

    • 海の生物に張り付く素材

      陸や海の生物にカメラやセンサーを取り付けて生態を調べる手法を「バイオロギング」と呼ぶ。気候変動や人間の活動が生態系に与える影響の調査に役立つ。 これまでは、海の生物に機器を取り付ける時には接着剤や吸盤を使うが、生物を傷つけたり行動を変えたりする恐れがあった。 研究チームは傷の治療向けのハイドロゲルが海水中で使えることを実験で確認した。約90秒でイカにセンサーを取り付けられる。生物の行動を邪魔しない。最長で3日間接着できる。 『参考資料』 https://www.nikk

      • (飛行機)ウイングアンチアイス

        飛行機は高高度を飛行するため気温が低い状態で降雨、降雪時や氷点下の雲の中を飛行します。主翼の前縁に少しずつ氷の層ができ、主翼の形状が変わってしまいます。 主翼は飛ぶための揚力を作り出す重要な部分です。着氷を防ぐためには、ヒーターを設置するなど対策が必要ですが、部品点数が増えると重量も重くなり非効率です。 そのため、エンジンからの高温高圧の圧縮空気を内側から吹き付け、主翼前縁への着氷を防止しています。

        • 鳴き声で生息地を特定

          人工知能(AI)の力を活用して様々な動物の鳴き声を識別するアプリがたくさん登場し、AIが動物の行動や分布を特定できることを示す研究が増えてきている。 NTTはリスなどのげっ歯類によるケーブル破損の被害が多数あり、電話やインターネット等が使用不可になる悪影響が出ている。 生息状況を調査したうえ罠を設置して捕獲・駆除する対策をしているが、現地での調査稼働の負担が大きいことが課題になっている。

そこで今回、録音した鳴き声をAIに検知させ生息状況や範囲を特定することで、これまで

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          梱包材として使われた植物

          現在では、プラスチックの梱包材が普及しているが、プラスチックが利用される前は、植物を梱包材として使うことがよくあった。 牧草であるクローバーの和名がシロツメクサとなったのは、梱包材となる草、「詰め草」だったからである。 ヨーロッパ貴族を魅了したランの花は、1818年にブラジルで活動していたプラントハンターが熱帯植物をロンドンまで送った際に、あまり大切ではなさそうな植物を詰め草として詰め込んだ。荷物がロンドンに届いたとき、詰め草の一つが花を咲かせていた。これが、ロンドンの人々

          梱包材として使われた植物

          防氷装置

          飛行機は他の乗り物にくらべて非常に厳しい環境にさらされます。氷点下の雲の中やマイナス80℃にもなる1万メートル以上の高度になると着氷が起こりやすいため、防氷装置が装備されています。 ウィンドヒートは車の後部窓ガラスにもついていますが、構造と目的が異なります。 【車の窓】 電熱線ヒーターが内蔵されていて内側のくもり止めをします。 【飛行機】 窓の全面をほぼ透明な伝熱ヒーター層でおおい、主に外側のガラスを温めています。 外側を温める理由は、 ①着氷を防ぎ視界確保 ②ガラスは低温に

          防氷装置

          太陽光発電施設の送電用ケーブルが狙われる

          太陽光発電施設から銅製の送電用ケーブルを持ち去る窃盗事件が急増している。 送電線には銅が使われている。金属の中で最も効率よく電気を伝えられるのが『銀』です。2番目が『銅』3番目が『金』です。金や銀は価格が高いため、送電線に使うのはコストが合わないため、銅が送電線に使われます。一部コネクター類には銀や金が使われることもありますが。。 しかし、世界的な原材料高の影響で銅の価格も高騰しています。さすがに電柱に登って電線を盗むのはリスクが高い。こういった太陽光発電システムはその点

          太陽光発電施設の送電用ケーブルが狙われる

          バニラの魅惑的な香りは、牛からもつくれる?

          香料としてのバニラは、バニラの種子を原料に発酵や乾燥を繰り返して作り出す甘い香りがする化合物です。19世紀中盤に花開いたカフェ文化の影響もあり一気に広まりました。バニラアイスなど、私も大好きです。 しかし、2007年のイグノーベル賞には驚きです。「牛の排泄物からバニラの香り『バニリン』を抽出した研究」受賞会場では、審査員らに「牛のバニラ」のアイスクリームが振る舞われました。動物の腸内でも作られる芳香物質であることが判明しました。

          バニラの魅惑的な香りは、牛からもつくれる?

          変幻自在のヒーター

          SMKは、自由自在に変形できるヒーターを実用化する。柔軟性がある樹脂製フィルムに、伸縮に強い銀の素材を回路に採用し、曲げた際に回路にひびが入るなどの課題を解決し、電気を通すと発熱する回路を印刷した。 顔や首回りを温める理美容や家電機器、車やバイクのハンドルなどに応用されそうだ。 『参考資料』 https://mitec.smk.co.jp/mitec/heater/

          変幻自在のヒーター

          尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

          ハイキングなど山に行くときは、地形と樹形にも注目してみたい。標高や地形によって生育状態がかなり異なる。 尾根筋は雨が降ってもすぎに流れ去ってしまい、風も強いので乾燥しやすい。光は上方、側方、斜め下からくる。そのため、尾根筋の木は背が低く下枝が大きく張り、根は広く伸びている。 谷筋は水が集中し風が弱いので水分環境がよいが、光は上方からしかこないので、隣接する木との光獲得競争が激しい。そのため、谷にある木は背が高く、幹下部の下枝はなく、根はあまり発達していない。 中腹は水分が流れ

          尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

          トマトは"野菜"か"果物"か

          19世紀のアメリカでは、野菜に関税をかけ、果物は無関税であった。そのため、トマトは果物なのか野菜なのかで裁判沙汰になったことがある。 植物学的には「フルーツ」というのは植物の果実のことである。そのため、トマトは果実である。しかし、フルーツという言葉は、植物学以外でも用いられる。つまり、デザート的に食べるものがフルーツであり、料理の食材として調理して食べるのが野菜である。結局裁判でも、「トマトはデザートではない」ということで、野菜であるという判決になった。 しかし、トマトが

          トマトは"野菜"か"果物"か

          飛行機の排水方法

          飛行機は自動車と同じで、重量が軽いほど消費燃料は少なくて済み、排出される二酸化炭素が少なくなります。そのため、排水は上空で蒸発させています。 高度3000m以上になると、機内の調理台の流し台とトイレの洗面台からの排水は、胴体下部のドレインマストから機外へ排出されます。排水された水は気流によって水しぶきとなり、地上に到達することはなく蒸発してしまいます。

          飛行機の排水方法

          プラスチックを分解する細菌

          プラスチックの一種である熱可塑性ポリウレタンは、携帯電話ケース、履物、自動車部品など広く使用されている。しかし、現在のところ、ポリウレタン類のリサイクルの流れは存在しないため、ほとんどは使用後に埋め立て廃棄物となるか、環境中に浸出する。 Nature Communications掲載の論文によると、プラスチック分解細菌の遺伝子操作して、ポリウレタンの製造に必要な高温に耐えられるようにしたところ、枯草菌の胞子は、ポリウレタンの加工温度である135℃でほぼ全て生存できるようにな

          プラスチックを分解する細菌

          虫歯治療

          虫歯治療に行くと、プラスチックとシリカの粉末を混ぜた複合樹脂「コンポジット・レジン」を虫歯の穴に入れ、紫外線ライトを照射すると瞬時に固まり虫歯治療が終わる。実に簡単に虫歯治療は終わる。 一昔前は、合金「アマルガン」が使われていた。水銀を含む液体を虫歯の穴に入れ、銀とスズを混ぜると水銀が反応しはじめ、固体になる。有害な水銀が常に口の中にあるのは、今考えると怖いことだ。 さらに昔の人は、虫歯とどう付き合っていたのだろう。日々歯の痛みを抱え、限界にたっしたところで、ペンチのような

          ボーイング787には風力発電がついている

          787型機では、飛行中に必要な電力は、すべてエンジンに取り付けた発電機から供給されています 発電機は、主翼にある左右のエンジンにそれぞれ2台ずつ、計4台が装備されており、普段の飛行中は、もっぱらこの発電機が必要な電力をすべて供給しています。 また、これらエンジンの発電機が故障した際のバックアップ用として、補助動力装置にも2台の発電機が装備されており、さらに、これら6台すべての発電機が故障するという万一の事態に備えた緊急用として風力発電機1台が装備されています。 (普段は胴体

          ボーイング787には風力発電がついている

          工場排水からアンモニア

          大阪大学は工場の排水などに含まれる環境汚染物質の硝酸を、太陽光のエネルギーでアンモニアに変えることに成功した。 肥料の原料になるアンモニアは次世代燃料としても注目を集めている。 阪大は光で化学反応を進める光触媒に着目した。鉄などでできた光触媒を新たに開発し、硝酸や塩素を含んだ溶液に入れて光を当てると、硝酸がアンモニアに変わった。 『参考資料』 https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240403_2

          工場排水からアンモニア