マガジンのカバー画像

コンピュータの技術

84
運営しているクリエイター

記事一覧

オフィスで森林浴

オフィスで森林浴

映像スタートアップのフォレストデジタルは、ヘッドマウントディスプレーのような端末を装着しなくても、複数人で空間を楽しめる仮想現実(VR)の投映技術と香りを組み合わせ、室内で森林浴に近い空間などを再現する。無機質な室内空間が、どこでもドアで移動したかのように違う風景に変わってしまう。

映像投影には高い技術力が必要だ。部屋の大きさに応じて画角と寸法を自動調整し、ゆがみや切れ目なく四方に滑らかに投映す

もっとみる
ゆるミュージック

ゆるミュージック

世界ゆるミュージック協会が提唱する、誰もが楽しめる音楽「ゆるミュージック」という活動があります。

楽器のキーを操作しなくても、鼻歌を吹き込めば音に変換されるサックス。

脇に抱えてたたくと音にあわせて緑や紫の光が点滅したり、振動が体に伝わってきたりする仕組みで、音が聞こえなくても体で音を感じて合奏を楽しめるドラム。

今までにない新しい発想の楽器で、どのくらい値段がするのか調べてみたけど、まだ商

もっとみる
【技術史】エレベータミュージックと“ストリーミング”

【技術史】エレベータミュージックと“ストリーミング”

YouTubeで動画を楽しむ時に使っているのが、ストリーミングという技術です。ストリーミングとは音楽や動画のデータを細かく分割して、ネットワークに配信します。受信側は進行にしたがい、再生が終わった部分のデータは機器から破棄しながら、川の流れを手にするかのように情報を再生する技術です。

ストリーミング技術は、1910年ジョージ・スクワイアが、電線を使いエレベータ内で音楽を配信したのが発端でした。そ

もっとみる
移動環境でも快適な通信を

移動環境でも快適な通信を

誰もがスマホを持ち歩き、家でも外でも動画を見たりライブ中継できる時代になりました。将来はもっと高品質な動画でコミュニケーションする時代になるでしょう。

動画をストレスなく配信するにはデータのサイズが大きい情報は、少しでも速い通信速度で伝達する必要があります。そのためには高い周波数の電波を使うのですが、高い高波数の電波はあまり遠くまでは届きません。そのため基地局を密に設置して、スマホが移動すると次

もっとみる
バーチャル窓

バーチャル窓

『バーチャルの窓』面白いコンセプトの商品です。

オーストラリアやハワイの絶景スポット、ポルトガルの異国情緒あふれる風景など、世界各国1,700カ所以上の風景を表示できる。
GPT-4oと連携して、AIアシスタントが搭載されていて、見ている風景の場所や名産品、歴史や観光名所といった、その場所にまつわる質問に答えてくれる。

電源供給用の線が必要になるので、設置場所は考えないといけない。

『参考資

もっとみる
VRで恐竜・ゾンビの世界に

VRで恐竜・ゾンビの世界に

横浜ワールドポーターズにVRの体験施設が開業された。ゴーグル型のVR端末をつけてチームを組み、恐竜やゾンビの世界を探検する。
ジャケットにはバイブレーション機器が埋め込まれ、音や映像と連携して振動する。スタジオ内には送風機もあり、映像に合わせて風を送って没入感を醸成する。プレーヤーは手に小型や大型の銃を持ってスタジオ内を右や左に動き回ってゲームを進行する。VR端末にはヘッドホンとマイクがついており

もっとみる
大阪関西万博はキャッシュレスのみ

大阪関西万博はキャッシュレスのみ

大阪関西万博のコンセプトは『未来社会の実験場』今回は会場では現金を使うことはできない。全面的なキャッシュレス決済になるようだ。

現在、日本で全面的なキャッシュレスを導入している主な施設は、楽天モバイルパークや東京ドームなどがありますが、現金支払いする人はまだ多い。(恥ずかしながら、私も現金メインです。)

合わせて、顔認証で決済できるシステムが導入され、事前に顔情報と決済方法を登録しておけば、対

もっとみる
ドラレコ情報を消防と共有

ドラレコ情報を消防と共有

三井住友海上火災保険とトヨタ自動車は、交通事故や火災現場の画像を消防当局と共有する仕組みをつくる。

ドライブレコーダーを使って、現場近くを走行する車両が撮った画像を活用する。

たとえば住宅火災が起きたと119番通報がああった場合、消防のオペレーターが発生場所を特定し、現場付近を走行する車を専用端末で選ぶと、車のドライブレコーダーが撮影した静止画像がその場で共有される。画像から被害状況を把握し、

もっとみる
鳴き声で生息地を特定

鳴き声で生息地を特定

人工知能(AI)の力を活用して様々な動物の鳴き声を識別するアプリがたくさん登場し、AIが動物の行動や分布を特定できることを示す研究が増えてきている。

NTTはリスなどのげっ歯類によるケーブル破損の被害が多数あり、電話やインターネット等が使用不可になる悪影響が出ている。

生息状況を調査したうえ罠を設置して捕獲・駆除する対策をしているが、現地での調査稼働の負担が大きいことが課題になっている。

そ

もっとみる
明るい照明下でもプロジェクションマッピング

明るい照明下でもプロジェクションマッピング

プロジェクションマッピングといえば、暗い場所をエンタメ空間にする魔法のような技術だ。ただ、夜間や暗い場所でないと周囲の明るさが邪魔で映像が見えにくい。

東京工業大学の研究チームは、プロジェクターと照明が一体化した装置を開発し、明るい照明下でもプロジェクションマッピングを投影できる技術を開発した。

照明とプロジェクターを一体化するというのはいいアイデアだ!!

『参考資料』

https://y

もっとみる
AIで不登校リスク予想

AIで不登校リスク予想

埼玉県戸田市でAIを使った不登校リスク予測のシステム運用が始まった。いち早く不登校の兆候がある児童生徒を把握し、教員が事前に支援する。

学校名、学年、組、氏名などとともに「不登校リスクスコア」を表示する。不登校リスクは色分けされており、リスクスコアが80超だと赤で表示される。

不登校になってしまった子供を再度登校させるのは非常に大変。対応に苦慮する前にデータで予測して先手で支援をするという。

もっとみる
和模様で半導体を冷やす

和模様で半導体を冷やす

半導体を使う小型の電子デバイスは熱がこもりやすく、熱に弱い部分が壊れやすい。

東大の研究チームはシリコンを使って熱を伝える向きを変えられる構造を開発した。同心円の一部が扇状に重なる青海波という和模様を参考に、約200ナノメートル単位の構造を作った。

従来は、熱伝導は方向性がないため、熱が伝わりやすい方向を作り出せれば、電子デバイス内部の発熱が激しい箇所からの熱が、温度を上昇させたくない部分を避

もっとみる
ワイヤレス充電を乗っ取る『VoltSchemer』

ワイヤレス充電を乗っ取る『VoltSchemer』

スマートフォンなどを充電器の上に置くだけで充電できるワイヤレス充電。利便性が高いので、利用している人は多いだろう。
 だがワイヤレス充電を悪用した攻撃手法が2024年2月、米フロリダ大学などの研究者グループによって報告された。ワイヤレス充電器を乗っ取ることで、スマホを80度以上まで過熱させたり、周囲に置かれた物体を破壊したりすることが可能だという。

『参考資料』

スマホや周囲の物体を過熱させて

もっとみる
空気電池

空気電池

東北大学の研究チームは、環境負荷の少ない金属空気電池を開発した。空気電池は空気中の酸素を利用した化学反応で発電をする。

現在主流の空気電池は、負極に高価な白金や環境負荷の大きいマンガンといった金属を使っている。

研究チームは、負極に環境負荷の小さいマグネシウムを使った。埋蔵量も多く、価格も安い。正極と負極で紙を挟み、紙が塩水を吸収すると発電が始まる。

ライフジャケットに取り付け、海に落ちたと

もっとみる