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シカクマ日記

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この頃、考えや感じ方がコロコロと変わってばかり。その変化を捉えるには、いま感じていること、考えてることをできる限り保存して、後から読み返すしかない。
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#ドイツ

星降る夜に

人には誰しも自分を超越した何かを感じたい、一体になりたいという気持ちがどこかあるんじゃないだろうか。

先週末に訪れたリューベックの大聖堂の椅子に座ってぼんやりと天井を眺めながらそんなことを思った。きっと昔の人もこの聖堂いっぱいに響くパイプオルガンの音に包まれながら、神様の存在をそばに感じていたに違いない。

宇宙や天体というのも、そんな存在のひとつだろう。空に浮かぶ星たちは何か神秘的なものを感じ

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孤独を紛らわす術

孤独を紛らわす術

先週の半ばからドイツに出張に来ている。

出張に出ると、フライトをはじめ、一人で過ごす時間がどうしても多くなる。

自然と一人で考え込んだり本を読んだり、文章を書いてみたりと、内省的な生活スタイルになっていく。

自分の内側を覗く時間が普段よりもずっと長くなる。

すると、ふと孤独感に襲われることがある。

いまはWi-Fiがどこでも使えるので、日本にいる家族や友人とも即座に連絡を取れる訳だから、

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サマータイムの終わり

11月に入って秋らしくなってきた今日このごろ。欧米では10月末でサマータイムが終わり、通常の時間に戻る。(ただ、夏時間が4月-10月の7か月あることを考えると、こちらを冬時間と呼ぶ方が良いかもしれない)。
 
これでドイツと日本との時差も+7時間から+8時間へと戻った。

日本でも2020年の東京オリンピック限定で導入するという議論が盛り上がっていたが、「サマータイムって結局何だっけ?」といつも頭

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自分という、この降りられない乗り物

自分という、この降りられない乗り物

いつの間にか29歳になっていた。
ここにきてだんだんと見えてきたのは、自分の意思で動かせる自分というのは、自分が期待しているよりずっと小さいということ。
 
明日の私はきっとやってくれると思ってフトンに入って目を閉じても、昨日の私が今日の私にしたのと同じように次の日の私にバトンを渡すだけ。こうして問題を先延ばしになるばかりだ。
 
そう、私は鉄の意思を持って何かを成し遂げることが出来るタイプではな

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Fields of Paddy and Wheat

Fields of Paddy and Wheat

毎週金曜日は過去に投稿した記事を英訳して再投稿する、といいながら2週間もスキップしてしまいましたが、まだ諦めてはいません…

今週はこちらから。

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I just returned from a month long business trip from Germany on Sunday afternoon.

Seeing FIFA World Cup match Be

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麦畑と水田

麦畑と水田

約1か月の出張を終えて日曜日の昼過ぎに帰国した。
ドイツのホテルに着いたときにちょうどベルギー対日本戦の後半戦が始まったばかりだったから、あの興奮の夜からもほぼ1か月が経ったことになる。この1か月、バタバタした日々を送っていたからか何だかもっと前の出来事にも感じる。

成田空港に着いてスーツケースをピックアップし京成スカイライナーに乗り込むと、車窓から見える稲田と草木はひと月前より背が伸びて青々と

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ベルリンの壁を歩く

ベルリンの壁を歩く

週末はベルリンまで日帰りで行ってきた。

私が今滞在しているキールからハンブルクで電車を乗り継いで、3時間半ほどで行くことができる。

ベルリンは大学時代にも一度訪れたことがあったが、今回、特に印象深かったのはイーストサイドギャラリーという一角だった。

今も残るベルリンの壁の一部がアートギャラリーとして公開されており、壁中にさまざまなテイストの絵が描かれている。

とてもフォトジェニックなスポッ

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Short Summer in Northern Germany

Short Summer in Northern Germany

金曜日は過去に投稿した記事を英訳して投稿します(今週は土曜日になっちゃいましたが…)。

自分の文章を訳してみると、自分の文章がいかに論理的でないか、表現が冗長だ、など分かってきて面白いです。

今週はこちらから。

I am now staying a city in northern Germany, Kiel for a business trip.
It's about one hour

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北ドイツの夏は短い。

北ドイツの夏は短い。

私はいま北ドイツの港町キールに来ています。ドイツ第2の都市ハンブルクから北へ1.5時間ほどいったところにあります。

多くの人にとって聞きなれない地名かと思いますが、高校時代に世界史を取っていた方は第一次世界大戦終戦のきっかけとなった「キール軍港の水兵反乱」という事件で聞き覚えがあるかもしれません。

今回7月のキールを訪れてみて、この前の夏至の日の記事にも書きましたが、あらためて北国の人は本当に

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『フィンランド語は猫の言葉』稲垣美晴

『フィンランド語は猫の言葉』稲垣美晴

昨日からまたドイツに出張に来ている。今回はこれまでより長くてほぼ1か月滞在する予定だ。

ひとり長期間で日本を離れるときは、独特の淋しさがある。

19歳の夏、1年間の交換留学でアメリカに渡ったとき。
27歳の春、6か月のインド勤務に向かうとき。

過去の経験から、私はこの不安も現地に着けば解消することは知っている。
それでも、胸のあたりがざわつく。

たいてい出発するのは成田空港。
慣れ親しんだ

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おまえに何ができる?

今日でドイツ出張最終日。午前中だけ事務所で仕事をして、午後には空港に向かい日本へ帰国する。デュッセルドルフー成田便の予定だったが、乗るはずだった国内線の便がキャンセルとなり、急遽フランクフルトー羽田便に変更となった。こういうときに日系の航空会社だと対応が丁寧で助かる。なんとか別無事に飛行機に乗ることができた。

さて、忘れないうちにいま思っていることを書き残しておこう。
今回の出張で無力さを痛

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よくかんで食べていますか。

よくかんで食べていますか。

日曜日にデュッセルドルフからドイツ北部の街へと移動し、月曜からこちらの事務所で仕事をしている。

ところで、先週の土曜には年に一度のJapan Dayのお祭りがデュッセルドルフで開催され、ドイツ各地から日本好き(=主にコスプレ好き)が一堂に集まり大盛り上がりだったようだ。私は観光に行っていたため、残念ながら見に行くことができなかったが、夜中にデュッセルドルフに戻ると、駅はコスプレした人たちで溢れ

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ドイツの思い出

先日、大学の後輩のKが結婚した。思い返せば、Kと知り合ったのはドイツへの研修旅行プログラムだった。
 
就活を何とか終えた大学4年生の夏、ヨーロッパ旅行を目当てに申し込んだのがそのプログラムだった。
 
朝一番の便でフランクフルトに向かうため成田空港近くのホテルに前泊した。8月初旬の蒸し暑い夜、京成成田駅からホテルに向かうバスにたまたま乗り合わせたのがKだった。
 
私が4年生で彼は1年生。学年は

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