じあたま【作家】

SF哀愁ショートショート。思考ツールとしての日本語の、イラスト付き単語帳。ビジネスパー…

じあたま【作家】

SF哀愁ショートショート。思考ツールとしての日本語の、イラスト付き単語帳。ビジネスパーソンみたいに普段左脳を使ってる人には、「言語化しづらい悲しさ」を。立場問わず忙しい人には、スキマ時間で何度も見返せる「根本的な知性」を。

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    英語学習のはし休めに効果的。 2分で読めるあるあるをまとめています。

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    「なんかやる気出ないなー」 そんな時は、就活を終えて輝いてる/腐ってる先輩を見ましょう!モチベーションになるはずです!各エピソードは数分で読みきれます。

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    「心が削られる」「何が正解か分からない」 そんな悩みは、平凡文系なのに初年度550万円をもらう、じあたまのエッセイで吹き飛びます! 各エッセイは数分で読みきれます。

記事一覧

商社マン”イケ男”の哀愁 ①/④

  「え~、ってかぶっちゃけ、お二人ってどのくらい貰ってるんですかあ?」 今日は2対2の合コン。 「いや、全然もらってないよ。ボーナス入れて一千数百万とかだし。」 …

作者「肝試し感覚でどうぞ」

「今日は、インタビューの依頼を引き受けて下さって、本当にありがとうございます。」 Zoomの中からライターが挨拶をしてくる。 「とんでもない笑。こちらこそお酒を飲み…

「いやいやお客様、それでは困ります。現代日本、食い逃げヤリ捨て泊まり逃げ、どれも全く許されません。」

無精髭と、テカテカにひかる髪の毛。三十路ほどに見える大柄な男が、吹き抜けのエントランスに足を踏み入れた。そこは、床の隅までがワックスで輝く四つ星ホテル。猫背に千…

焦る様子の無いふたり。普通の会社なら、役員会議のテーマになりそうだ。

のどかな田んぼが車窓に流れる、数人しか乗っていない通勤電車。安いスーツを着た、若手の中学教師が座っていた。    『○○駅~、○○駅でございます。』 ドアが開き、…

作者「ちょっと下品だったかもですw」

はあ。 「俺がもっとうまく組織を回せていれば、あんな奴の言うことなんて無視してやれたのに。」 VIP席のソファにもたれて息を漏らすのは、とある惑星のスポーツ協会会…

「だよなあ。いくらボケ始めた頑固じいさんだとしても、かつての巨匠だろ?」

ベストセラー作家でもある建築家にデザインされたオフィス街で、現代アートの展覧会が開かれている。展示会場には、三色のベタ塗りで描かれた図形の集合体や、浮遊する大理…

言い争いもするし、稼ぎも少ない。しかし、生理も含めた彼女の事情には人一倍の理解を示すパートナーと、結ばれて良いものか迷っ…

「絶対ここがおすすめだって!普通コンサルって胡散臭いやつらばっかだけど、ここの人は実績もあるし、あのボーキング博士のもとでも学んでたんだぜ?」 「まあ、俺もここ…

神様かんべんしてくれよ。ビル群が強烈に光る渋谷の横断歩道で、イケてる若者たちとアラサーOLの対比はきついでっせ。

ふふ。わたしってやっぱり才能あるのかな、なんてね。 セールストークかも知れなくたって、ネイティブの先生にあれだけ褒められちゃったら、そりゃあ嬉しいよね。ただでさ…

「へい!俺は、真ん中のやつは『事後』も加工済みのエサを食い続ける方に20ドル賭けるぜ。どっちの檻もだ。」

その研究所には、人間を横に寝かせたくらいに大きな檻があった。檻には3匹のニワトリが入っていて、3羽がいるスペースは透明なアクリル板で仕切られていた。ニワトリにはそ…

なんか、知らない人からもらう優しさって、新発売の肉まんみたいに温かいな。

帰り道の渋谷はいつも混んでて、ここの横断歩道はギュウギュウになる。でもそのおかげで渡るときに、運よくイケメンなお兄さんと肩が触れたりすると、申し訳ないと思いつつ…

秋丸康はAI以上だ。

「全く!笑いが止まらないよ」 数人の男が、高層マンションの一室でどんちゃん騒ぎに勤しんでいる。 「ああ、まさかこんなにうまく行くとは!」 ソファに座り、大理石の…

おかしい、類人猿での実験では成功したんだ。なぜいつまでたっても取り出せない。

「博士、今回は本当に助かったよ。」 「まあ大したことじゃないさ。ちょっとばかり掘削機のデザインをいじっただけだからな。」 「また謙遜を笑。博士のおかげで、これまで…

コツは私に訊かないで。 パーティに入れるようになってから、何も考えずにドアが開くようになったから。

朝のスマホは、笑わないと開かない。この設定のおかげで、朝いちばんに脳からセロトニンを出せる。笑顔が苦手な人は、恋人とのツーショットをイメージして。 午後のノート…

「こちらインスタ班!あと2分で解析終わります!」

そこは戦場だった。兵士たちは敵を傷つけ、倒す必要に駆られ、目を血走らせて敵の弱点を探した。  「おい、アイツの情報はまだ集まらないのか!」 上長が部下を怒鳴る。…

彼がこんな風に、マチ針が刺さりまくった布切れみたいになって、陰口叩かれる理由は嫉妬じゃない。

「あいつマジでノリ悪いよな」 分かる~w。 同期のタクミくんは、新卒の中で一番学歴が良くて、一番仕事がデキて、正直一番イケメン。そんな彼がこんな風に、マチ針が刺…

「君のそんな言葉を聞きながら、二人で一緒に死ねるなんて幸せだよ。」

私達、今日までずいぶんと長生きしたわね。 うん。それに、ずいぶんと一緒に時間を過ごしたね。 あなた、あの時のこと覚えてる?スペインで食べ放題をしたときのこと。 …

商社マン”イケ男”の哀愁 ①/④

商社マン”イケ男”の哀愁 ①/④

 
「え~、ってかぶっちゃけ、お二人ってどのくらい貰ってるんですかあ?」

今日は2対2の合コン。

「いや、全然もらってないよ。ボーナス入れて一千数百万とかだし。」

そう言いながら、イケ次郎が目配せしてくる。
「そうそう、俺らの先輩なんて、ほとんど仕事しないのに数千万貰ってる人もいるのにさあ!」
 
「え!スゴーイ!そんだけ若いのに?」

バトンは持ちすぎちゃいけない。

「またまたそんなこと

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作者「肝試し感覚でどうぞ」

作者「肝試し感覚でどうぞ」

「今日は、インタビューの依頼を引き受けて下さって、本当にありがとうございます。」

Zoomの中からライターが挨拶をしてくる。

「とんでもない笑。こちらこそお酒を飲みながらにはなりますが、どうぞよろしくお願いします。」

木製のテーブルの上に、PCとグラスが置いてある。
分厚いスチールでできた壁が、声をほんの少し反響させる。
男はかれこれ20年、コンテナの中から一歩も外へ出ていない。

「早速で

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「いやいやお客様、それでは困ります。現代日本、食い逃げヤリ捨て泊まり逃げ、どれも全く許されません。」

「いやいやお客様、それでは困ります。現代日本、食い逃げヤリ捨て泊まり逃げ、どれも全く許されません。」

無精髭と、テカテカにひかる髪の毛。三十路ほどに見える大柄な男が、吹き抜けのエントランスに足を踏み入れた。そこは、床の隅までがワックスで輝く四つ星ホテル。猫背に千鳥足の男以外は、平日の夜から旅行できる権力者か、経費でハイレベルなホテルに泊まれる重役しかいなかった。

「おい、そこのフロントマン。今週いっぱいくらいまで空いてる部屋はあるか?」

一瞬怪訝になった顔は、プロ意識がすぐさま塗り替える。

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焦る様子の無いふたり。普通の会社なら、役員会議のテーマになりそうだ。

焦る様子の無いふたり。普通の会社なら、役員会議のテーマになりそうだ。

のどかな田んぼが車窓に流れる、数人しか乗っていない通勤電車。安いスーツを着た、若手の中学教師が座っていた。
 
 『○○駅~、○○駅でございます。』

ドアが開き、新たに一人乗って来た。彼は代謝が良いのか、ジャケットを肘にかけてワイシャツ一枚になっている。同じ学校に勤めるベテラン教師だ。

 「おはようございます、○○先生。」

ベテラン先生があいさつすると、新米先生は朗らかに隣の席を手で示す。通

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作者「ちょっと下品だったかもですw」

作者「ちょっと下品だったかもですw」

はあ。

「俺がもっとうまく組織を回せていれば、あんな奴の言うことなんて無視してやれたのに。」

VIP席のソファにもたれて息を漏らすのは、とある惑星のスポーツ協会会長だ。ガラス越しには、星全体が熱狂する、年に一度しかない決勝大会が見える。

日中のグラウンドで、筋肉を伸縮させる選手たち。相手チームとハイレベルな勝負を見せる彼らを、会場では数万人が、電波上では数億人が応援していた。

「いや~、今

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「だよなあ。いくらボケ始めた頑固じいさんだとしても、かつての巨匠だろ?」

「だよなあ。いくらボケ始めた頑固じいさんだとしても、かつての巨匠だろ?」

ベストセラー作家でもある建築家にデザインされたオフィス街で、現代アートの展覧会が開かれている。展示会場には、三色のベタ塗りで描かれた図形の集合体や、浮遊する大理石が並ぶ。

壁に飾られた2m四方の絵を眺める家族。

「ママ、この絵、なんだかすごく好き。」

絵を見ながらそうつぶやいた娘は返事がないことにムスッとし、母親の袖を引っ張った。

「あ、○○ちゃん。ごめんね、ちょっとママ、すごく悲しくなっ

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言い争いもするし、稼ぎも少ない。しかし、生理も含めた彼女の事情には人一倍の理解を示すパートナーと、結ばれて良いものか迷っていたのだ。

言い争いもするし、稼ぎも少ない。しかし、生理も含めた彼女の事情には人一倍の理解を示すパートナーと、結ばれて良いものか迷っていたのだ。

「絶対ここがおすすめだって!普通コンサルって胡散臭いやつらばっかだけど、ここの人は実績もあるし、あのボーキング博士のもとでも学んでたんだぜ?」
「まあ、俺もここまで来てキャンセルなんてしないけどさ。」

スーツ姿の若者二人が、ロックバンドのMVのようにまばゆく光る、高層ビルの入り口で話していた。

「あ、すいません、○○で予約してたものですけど。」 

ビルの一階にある『相談所』。店の前にはセンス

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神様かんべんしてくれよ。ビル群が強烈に光る渋谷の横断歩道で、イケてる若者たちとアラサーOLの対比はきついでっせ。

神様かんべんしてくれよ。ビル群が強烈に光る渋谷の横断歩道で、イケてる若者たちとアラサーOLの対比はきついでっせ。

ふふ。わたしってやっぱり才能あるのかな、なんてね。

セールストークかも知れなくたって、ネイティブの先生にあれだけ褒められちゃったら、そりゃあ嬉しいよね。ただでさえ、わたしみたいな冴えない系OLはめったにチヤホヤされないんだもん。

仕事終わりに英会話教室に行き、夜も更けるタイミングでようやくアパートへと向かう。

ん?向こう側にいる人達、もしかして女子高生?
神様かんべんしてくれよ。ビル群が強烈

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「へい!俺は、真ん中のやつは『事後』も加工済みのエサを食い続ける方に20ドル賭けるぜ。どっちの檻もだ。」

「へい!俺は、真ん中のやつは『事後』も加工済みのエサを食い続ける方に20ドル賭けるぜ。どっちの檻もだ。」

その研究所には、人間を横に寝かせたくらいに大きな檻があった。檻には3匹のニワトリが入っていて、3羽がいるスペースは透明なアクリル板で仕切られていた。ニワトリにはそれぞれ別の食事が出されており、右端のニワトリには天然のエサが入った皿が、左端には加工済みのエサが入った皿が、真ん中には両方の皿が出されていた。とうぜん加工済みのエサは味が良く、かつ脂肪分が多く作られている。

その研究所には、そんな檻が二

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なんか、知らない人からもらう優しさって、新発売の肉まんみたいに温かいな。

なんか、知らない人からもらう優しさって、新発売の肉まんみたいに温かいな。

帰り道の渋谷はいつも混んでて、ここの横断歩道はギュウギュウになる。でもそのおかげで渡るときに、運よくイケメンなお兄さんと肩が触れたりすると、申し訳ないと思いつつも、やっぱりちょっとドキドキしたりする。

赤信号を待つ間に、自分の正面にいる人はなんとなく雰囲気を掴める。真面目そうなサラリーマンとか、イライラしてる主婦さんとか、早く友達の家に行きたくてウズウズしてる小学生とか。

今日の人は、正直ちょ

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秋丸康はAI以上だ。

秋丸康はAI以上だ。

「全く!笑いが止まらないよ」

数人の男が、高層マンションの一室でどんちゃん騒ぎに勤しんでいる。

「ああ、まさかこんなにうまく行くとは!」

ソファに座り、大理石の机に脚をのせている者もいる。

「あのAIを開発した学者さんに、いくらか包んでやってもいい位だ。」

一番下っ端風の男がそう言うと、空気は一気にぴりつく。

「おい、てきとうな事は言うな。あれを盗んだことが世に出たら、俺らは底辺プロデ

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おかしい、類人猿での実験では成功したんだ。なぜいつまでたっても取り出せない。

おかしい、類人猿での実験では成功したんだ。なぜいつまでたっても取り出せない。

「博士、今回は本当に助かったよ。」
「まあ大したことじゃないさ。ちょっとばかり掘削機のデザインをいじっただけだからな。」
「また謙遜を笑。博士のおかげで、これまでは手を付けられなかった鉱山からも、ケイ石を取り出せるようになるんだ。」

はっきり言って、私にはこいつらの言う事が全く理解できない。なぜ、鉱物の採集効率を上げることを、そんなにも難しいことと考えるのだろうか。
幼い頃は、私より賢い子などい

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コツは私に訊かないで。
パーティに入れるようになってから、何も考えずにドアが開くようになったから。

コツは私に訊かないで。 パーティに入れるようになってから、何も考えずにドアが開くようになったから。

朝のスマホは、笑わないと開かない。この設定のおかげで、朝いちばんに脳からセロトニンを出せる。笑顔が苦手な人は、恋人とのツーショットをイメージして。

午後のノートパソコンは、怒らないと開かない。怒りはアドレナリンを分泌して、ランチの後でもパフォームできるようにしてくれる。コツは、歯をむき出しにして眉に力を込めること。

私は情報交換のために、仕事終わりにパーティに行く。

エントランスは、美しくな

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「こちらインスタ班!あと2分で解析終わります!」

「こちらインスタ班!あと2分で解析終わります!」

そこは戦場だった。兵士たちは敵を傷つけ、倒す必要に駆られ、目を血走らせて敵の弱点を探した。

 「おい、アイツの情報はまだ集まらないのか!」

上長が部下を怒鳴る。

 「こちらインスタ班!あと2分で解析終わります!」
 「こちらツイッター班!あと5分です!」

敵意をガソリンにして奔走する部下たちは、敵軍司令官がパンケーキの画像をアップしているのを見つけた。

 「パンケーキを狙うのはいかがでし

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彼がこんな風に、マチ針が刺さりまくった布切れみたいになって、陰口叩かれる理由は嫉妬じゃない。

彼がこんな風に、マチ針が刺さりまくった布切れみたいになって、陰口叩かれる理由は嫉妬じゃない。

「あいつマジでノリ悪いよな」

分かる~w。
同期のタクミくんは、新卒の中で一番学歴が良くて、一番仕事がデキて、正直一番イケメン。そんな彼がこんな風に、マチ針が刺さりまくった布切れみたいになって、陰口叩かれる理由は嫉妬じゃない。

「私達のこと見下してるのかな?飲み会とか全然来てくれないよね。」

業務のやり取りは普通にしてくれるし、コーヒーメーカーの前では好感度No.1俳優かっていうくらい愛想よ

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「君のそんな言葉を聞きながら、二人で一緒に死ねるなんて幸せだよ。」

「君のそんな言葉を聞きながら、二人で一緒に死ねるなんて幸せだよ。」

私達、今日までずいぶんと長生きしたわね。

うん。それに、ずいぶんと一緒に時間を過ごしたね。

あなた、あの時のこと覚えてる?スペインで食べ放題をしたときのこと。

ああ笑。あの時はふたりとも若かったね。それに、ヨーロッパ中が活気に溢れてて、食べ物も信じられないくらい味わい深かった。帰りに寄ったアメリカはいまいちだったけど笑。

良かった、あなたが覚えていてくれて。

忘れるわけないだろう。
それ

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