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ディア・ミスタ・バートルビー
ミスタ・バートルビーをご存知でしょうか。
一年半前に知って、深い衝撃を受けたその人をご紹介します。
彼は、何があっても、何を要求されても、攻撃せず、防衛せず、ただ一言、
“I would prefer not to do”.
(日本語訳:「しない方がいいと思うのですが」「しないで済めばありがたいのですが」「遠慮させてくださいませんか」etc.)
とだけ返す人なのです。
(たまに、”I prefe
旅文通11ー(例えばレバノンの)森の記憶
この一ヶ月で、世界がものすごいスピードで様変わりしていますね。
テオさん、ニューヨークのピンク(映画『バービー』ブーム)は跡形もなく消えましたよ。今はハロウィーン前のオレンジ色が至るところに。空き店舗と物騒なニュースは増す一方。Covidも伝染力をますます発達させているかのよう。そして日々増殖するエスプレッソバーとカナビスストア。
ただし、様変わり(=眼に見える様相が目まぐるしく動いている
八月の光、が、去る前に
八月の空の明るさには異様なものがありませんか。
『八月の光』と言えば、ウィリアム・フォークナーの小説で、そこに描かれるアメリカ南部の夏の光も異様なのですが、日本人にとっては、フォークナーより何より、八月は“ピカドン”の光に覆い尽くされているように感じます。
あの二度に及んだ原爆の、異様に明るく、同時に、想像を絶する暗さを持つ光がどうしても迫ってくるのが日本人の八月ではないでしょうか。
旅文通9- 旅情続く・・・その秘密
テオさん、お帰りなさい!
短期間にニューヨーク様変わりしていなかった?
みんな(若い女性だけでなく老若男女)、ピンク着ているでしょう?
映画館は長蛇の列。例の原爆問題(Oppenheimerがらみのきのこ雲画像問題)などものともしない勢いのBarbie です。
ダウンタウンでは、毎週のようにコーヒー専門店がオープンし、また毎週のようにカナビスショップがオープンしています。ニュー
ハリール・ジブラーン/愛について、など。
ハリール・ジブラーンのドローイング展と、オープニング・トークに行ってきました。(A Greater Beauty: The Drawings of Kahlil Gibran @Drawing Center.)
ジブラーンは、言わずと知れた『預言者』の作者です。
『預言者』(原題<The prophet>)は、たぶんほとんどのアメリカ人が知っています。もっとも一般的なコーヒーテーブル・ブッ
コーマック・マッカーシーの奇跡
コーマック・マッカーシーの訃報。
「言わずと知れた、現代アメリカ文学を代表する作家」
と、どのメディアも、追悼記事を載せました。
わたしは全作品を読破してはいません。映画だけで知っている作品もあります。
(日本語でも、早川書房がきっちりと、丁寧に、出版してくれているようですね。日本で公開されている映画作品が全部ではないので残念です。たとえば、< The sunset Limited> のよう
わたしたちが歩く回廊
わたしゃアラバマからルイジアナへ〜、
バンジョーを持って出かけたところです🎵
アラバマと聞いて、日本人が真っ先に思い浮かべるのが、この、フォスター作の『おおスザンナ』ではないでしょうか。
(フォスターと言えば、『スワニー河』もすぐに思い出され、同時にメロディも流れてき、訪ねた時の、その澄んだ水や河岸の枝垂れ柳などの風景も蘇ってきますが、スワニー河はジョージアとフロリダを流れていてアラバマ
身体ごとの変容(その3) - 蝶を心に -
変容について書いている途中で、たくさんのことが起きて、変容という文字とともに、それらを経験してきた1ヶ月でした。
たくさんのことが起きて、というのは、もちろん、心の中でのことです。続け様の訃報に接して心に波が立つということも含めて。書籍の中の一行や届いたメールの一言に心の扉がまたひとつ開く、という経験も含めて。
扉が開くように感じるというのは、変容へのプロセスに違いないですが、サナギに大
身体ごとの変容(その2)
『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』(豊島圭介監督2020)
このドキュメンタリー映画を見つけたのは、出遅れて2021年の秋でした。日本滞在中にamazon prime videoでたまたま見つけて観て、その後ニューヨークに戻って、英語字幕版を観ました(Mishima : the last debate)。その後も何度となく観ています。短い期間で何度も見る映画、滅多にありません。それも
身体ごとの変容(その1)
7週間ほどの日本滞在を終えてニューヨークに戻ってきました。
早速(じゃないですよね〜。ようやく、と言うべきです)続きを書きます。続きというのは、ボゴタではなく、A Course in Miracles の続きということです。
A Course in Miracles. すなわち大芸術、と前回書いたものについてです。
ここに世界史を持ち出してくる必要はないのだとは思いますが、今は、ここ