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北米・南米映画

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アメリカ、カナダ、メキシコ、キューバ、ブラジル、アルゼンチン、チリなど南北アメリカ大陸の映画のまとめ
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2023年1月の記事一覧

シン・映画日記『ピンク・クラウド』

シン・映画日記『ピンク・クラウド』

ヒューマントラストシネマ渋谷でブラジルのSFスリラー映画『ピンク・クラウド』を見てきた。

突如現れたピンク色の雲。この雲に触れると10秒ぐらいで死ぬらしい。
そこで人々はピンクの雲に触れないように引き篭もる生活を強いられることに。

主な登場人物はジョヴァナとヤーゴのカップルと二人の間に産まれたリノ。
基本的にはこの3人の引き篭もり生活を見ていくんだけど、
まあ、リアリズムがないこと。

まず、

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蔵出し映画レビュー『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』

蔵出し映画レビュー『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』



元の『ジュラシック・パーク』シリーズが三部作だったからか、『ジュラシック・ワールド』シリーズも三部作というつもりで作る側も見る側も思って見た『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。

後半はそれなりに面白いと思える部分もあるにはあったけど、全体的に「何でこうなったかな?」とか「これ、違くない?」と思うシーンが多いシリーズ最終章だった。

確かに凶暴なギガノトサウルスとかアロサウルスとか出

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蔵出し映画レビュー『海上48hours 悪夢のバカンス』

蔵出し映画レビュー『海上48hours 悪夢のバカンス』

邦題の付け方とか『海底47m』のスタッフが再集結とか聞いて、『海底47m』並のクオリティを期待してしまった『海上48hours 悪夢のバカンス』。

たしかに、海上とサメとのサバイバルは見応えあったけど、この映画の既視感から期待とはかなりズレる作品になった。

これ、ズバリ、『オープン・ウォーター』じゃん。久しぶりだったから忘れた人が多いかもしれないけど、大海原での遭難サバイバルとホオジロザメから

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シン・映画日記『殺人美容師 頭の皮を剥ぎ取ります』

シン・映画日記『殺人美容師 頭の皮を剥ぎ取ります』

シネマート新宿で『殺人美容師 頭の皮を剥ぎ取ります』を見てきた。

美容師クレアが嫉妬や強迫観念から頭をセットしている相手の頭皮を剥ぎ取り、惨殺する。
いわゆるサイコパス・スリラー/サスペンス。

元はジル・ガヴァーギジアン監督の短編作品『The Stylist』で、これを自ら長編化させたもの。

序盤は客のドーンが、
中盤から近々チャーリーと結婚予定で近所のカフェで働く友人のオリビアがターゲット

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蔵出し映画レビュー『ミニオンズ フィーバー』

蔵出し映画レビュー『ミニオンズ フィーバー』

『怪盗グルー』シリーズのスピンオフ作品『ミニオンズ』が公開されてから7年。その『ミニオンズ』の続編に当たる本作だが、グルーがメイン、ミニオンらがサブという『怪盗グルー』シリーズの通常フォーマットに戻りつつ、『怪盗グルーの月泥棒』の前日譚にもなり、『怪盗グルー』シリーズ本来の面白さを爆発させている!

やはり、グルーあってのミニオン。前作の『ミニオンズ』のミニオンらだけというのは正直飽きてしまう。や

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蔵出し映画レビュー『X エックス』

蔵出し映画レビュー『X エックス』

毎作品傑作というわけではないが、比較的好みの作品が多い制作スタジオ「A24」の新作ホラー映画。『サクラメント 死の楽園』のタイ・ウェスト監督の新作とあって期待したら、ほぼ期待通りのクオリティで、1979年のテキサスの真夏の悪夢を味わえる。

前半はポルノ映画撮影の舞台裏、後半は老人ホラーというか農場ホラー。老人が引き起こす惨劇というと『ドント・ブリーズ』が思い起こされるが、盲目ではないからナチュラ

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蔵出し映画レビュー『リコリス・ピザ』

蔵出し映画レビュー『リコリス・ピザ』

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』や『ザ・マスター』のポール・トーマス・アンダーソン監督による1973年のロサンゼルスのサンフェルナンド・バレーを舞台にした青春映画。これがびっくりするほど1970年代のアメリカの空気がムンムンで、まさしくポール・トーマス・アンダーソン監督が作り上げた『シン・アメリカン・グラフィティ』である!!!!

クーパー・ホフマンが演じる男子高校生のゲイリーにしろイケメンじゃな

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蔵出し映画レビュー『ブラック・フォン』

蔵出し映画レビュー『ブラック・フォン』

フライヤーからはなにやら怪しげな怪人が出てくるスリラー映画かなという匂いがあったイーサン・ホーク主演の『ブラック・フォン』。見てみると黒電話を使った奇妙な演出はあれど、誘拐犯スリラーと少年の監禁脱出劇を組み合わた良質スリラーに仕上がっている。



よく考えてみれば、アングルを変えた『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のようであり、それを探検要素を引いて、よりキュッとシャープにした感じ

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蔵出し映画レビュー『エルヴィス』

蔵出し映画レビュー『エルヴィス』

洋楽ロックを1950年代から現代まで一通り聴いているものなら一度は聴き、何かしらで生涯を知ることになるエルヴィス・プレスリー。そのプレスリーの伝記映画なんだけど、大半がマネージャーのトム・パーカーから見たプレスリーで、そこに『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマンが独特なディフルメで手掛けた「新説・エルヴィス・プレスリー」を作り上げている。

大半がトム・パーカー視点のエルヴィス・プレスリーとなるの

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