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art & fashion

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アートとファッションにまつわるエッセイ集です。「○○とアート」「○○とファッション」などのシリーズはこちらに。
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#大学

「視点が面白いで賞」と「ステキな写真で賞」をダブル受賞しました!

「視点が面白いで賞」と「ステキな写真で賞」をダブル受賞しました!

博物館学芸員課程のレポートを2回も不合格になったという不名誉な経歴のあるわたしが、なんとここにきてとんでもない快挙です!

ちいさな美術館の学芸員さんの展覧会レビューのコンテストで、「視点が面白いで賞」と「ステキな写真で賞」をW受賞しました。

すごくうれしいです。

しかも、美術館、展覧会好きさんの集まるメンバーシップのみなさんの投票で選んでいただいたというのだからなおさらうれしいです。

この

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「デュッセルドルフ・スクール」の社会との「対話」について

「デュッセルドルフ・スクール」の社会との「対話」について

大学で書いたレポートを公開します。

大学に入って、「論述」にはものすごく苦労しました。それはいまも変わりませんが、なんとか、それらしくなるように、でも自分の意見や視点も入れて、ということを極力意識して書いたものです。公開したレポートは芸術史のレポートで、ドイツの「デュッセルドルフ・スクール」について書いています。

あらっ、なんかこう書くとちょっと芸大生っぽいですね、うふふ。たまには通信制の芸術

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衣装をめぐる旅|ナーナイの花嫁衣装がかわいすぎてもう|北海道立北方民族博物館

衣装をめぐる旅|ナーナイの花嫁衣装がかわいすぎてもう|北海道立北方民族博物館

旅が好きで、服をこよなく愛していて、ウェディングドレスをつくる仕事をしていて、おまけに通信制大学で「博物館学芸員資格過程」を履修していて、できることならば生きているうちにできるだけたくさんの服飾系博物館に行きたいと願っているわたしが、ことしいち興奮した衣装をお伝えしたいと思います。

北海道立北方民族博物館で出会った、ナーナイの花嫁衣装です。

ナーナイの花嫁衣装こちらの衣装です。なんてかわいらし

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4年分の日記を見かえしてみたら文字どおり「自分」が大きくなっていた。

4年分の日記を見かえしてみたら文字どおり「自分」が大きくなっていた。

4年前からつけている日記を読み返してみたら、字が大きくなっていた。

ところで、だれかの日記を読むのは楽しいものだ。文芸誌で作家の日記特集が人気だというのもうなずける。noteでみんなの日記を読みにいくのも好きだし、自分の日記を見かえすのもまあまあおもしろい。

わたしはこんなアホなことを考えてたのかとクスッとなったり、あきれるほど壮大な夢を語っていたり、すっかり忘れていることもあったりしてけっこ

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絵画とファッション 「スコットランド国立美術館展」で描かれた衣装について。

絵画とファッション 「スコットランド国立美術館展」で描かれた衣装について。

土曜日の夜にスコットランドへ行ってきました!

といっても実際に行って来たわけではなく、「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」展を観に行ったのです。(2022年9月25日まで神戸市立博物館にて開催中)

そこで今回は、展示された絵画たちを「衣装」という切り口で鑑賞してみました!

北国を彩る巨匠たちサタデーナイト・フォトアワーですって!?会場となった神戸市立博物館では、「

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ドレスは学問に貢献できるか?

ドレスは学問に貢献できるか?

わたしの活動が、なんと論文に掲載されました。

ドレスの仕事をしながら通信制大学に通うわたしですが、「論述」は大の苦手。このnote上でも、たびたびそのできなさっぷりを披露してきました。そんなわたしが、なんと論文デビューです。といっても、自分で書いたのではありません。

なんと、わたしのドレス活動が、学生さんの卒業論文に掲載されたのです。論文タイトルは「ウェディングドレスから見るファッションの消費

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ミロコマチコ展「いきものたちはわたしのかがみ」で「わたしのかがみ」を探す

ミロコマチコ展「いきものたちはわたしのかがみ」で「わたしのかがみ」を探す

※この記事はミロコマチコ「いきものたちはわたしのかがみ」展について書いたものですが、ふだん大学のレポートでアートに関して「客観的に」「自分の意見を書かずに」と言われ続けてちょっとうんざりしているので、noteでは思いっきり「すごく主観的に」「自分の意見たっぷり」のエッセイとしてお届けします。とりあえず情報だけ知りたい方はミロコマチコ展「いきものたちはわたしのかがみ」の段落にスキップしてください。

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「インドを旅してしあわせに服をつくった話」を小説に書いています

「インドを旅してしあわせに服をつくった話」を小説に書いています

ただいま電子書籍本に掲載する短編小説に挑戦中です。題材は「インドを旅してしあわせに服をつくった話」です。そもそもわたしは文芸を学ぶ(大人の)大学生という身分であり、ただでさえ小説を書くことに苦労しているというのに、どうしてこんなことになったのでしょうか。

それは、こういうことがあったからです。小説を書けないと悩む → 娘に励まされる → とにかくなんでもいいから書こうと頑張ってみる → 電子書

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「今いる日常から創造がなされる」 宮沢賢治のはたらき方

「今いる日常から創造がなされる」 宮沢賢治のはたらき方

とてもじゃないけど、時間がなくて「創作」にまで気持ちがまわらない。

というのも今、本業・副業・学業・主婦業という四つの「業」を同時進行しているからだ。とはいえすべて自分から選んだ道である。けれども気がつくといつも時間に追われている。時間さえあれば、もっと創作活動をすることができるのに。そう思っていた。

どうすれば時間を作ることができるのか副業や学業を始めたのはコロナがきっかけだった。本業のウェ

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文学とファッション 抜き書きしながらロックすぎて心震える 「女たちのテロル」 ブレイディみかこ

文学とファッション 抜き書きしながらロックすぎて心震える 「女たちのテロル」 ブレイディみかこ

文章の上達法のひとつに「抜き書き」という方法がある。通っている通信制大学(文芸)の講義で教わったことでもあるが、わりと有名な方法らしく、様々な文章上達法を書いた本にも書いてあった。

「この時代に手で書くって、アナログだなぁ」

と思いつつ、やってみたらなんかすごい、ってなった。わたしが抜き書きしたのが、「女たちのテロル」ブレイディみかこ

表紙に惹かれ、あまり内容を知らずに直感的に選んだ本だった

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衣服の持つ宿命を背負って 石内都展とわたしの「ひろしま」

衣服の持つ宿命を背負って 石内都展とわたしの「ひろしま」

見に行くのに覚悟が必要だった。

先月まで西宮市大谷記念美術館で開催されていた「見える見えない、写真のゆくえ」石内都展 だ。

石内都 写真家 1947年群馬県生まれ。染織を学んだ後、独学で写真技術を習得した石内は、独自のモノクロームの写真表現で1979年に木村伊兵衛賞を受賞。以後、身体にのこる傷跡、母親の下着や口紅といった遺品などを撮ることで、目には見えない「時間」を写真に写しこむ試みを続けてき

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