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「視点が面白いで賞」と「ステキな写真で賞」をダブル受賞しました!

博物館学芸員課程のレポートを2回も不合格になったという不名誉な経歴のあるわたしが、なんとここにきてとんでもない快挙です!

ちいさな美術館の学芸員さんの展覧会レビューのコンテストで、「視点が面白いで賞」「ステキな写真で賞」をW受賞しました。

すごくうれしいです。

しかも、美術館、展覧会好きさんの集まるメンバーシップのみなさんの投票で選んでいただいたというのだからなおさらうれしいです。

この企画は、ちいさな美術館の学芸員さんが開催された「2022年の1年間でみた展覧会の感想を語る企画 #忘れられない展覧会2022というものです。

ちいさな美術館の学芸員さんは、その名の通り、正真正銘ほんものの学芸員さん。通信制大学で学芸員課程を学ぶわたしにとっては、それはそれはもう、憧れの存在の方なのです。

その学芸員さんがわかりやすく楽しく美術館の内側や舞台裏について教えてくださるnote。そのやさしい語り口の文章は、こむつかしいテキストや苦手な論述にささくれ立ったわたしの心にお出汁のように染みわたり、ふむふむと読ませてもらっては、学友たちにおすすめしまくっていたのです。

そんななかで昨年末、 #忘れられない展覧会2022 の企画を知り、さっそく3作品を応募してみました。(過去作の応募も可能でした)

その結果、受賞したのはこちらの2作品。

「ステキな写真で賞」

「視点が面白いで賞」

ではこの2作品について、ちょっと語ってみましょう。

「ステキな写真で賞」

写真を評価されるのはちょっと意外でした。写真は全部iPhoneで撮影してます。

これは、フランスの高級ジュエリーメゾンVan Cleef & Arpels ヴァン クリーフ&アーペルと、華道家の片桐功敦氏のコラボレーションによる生け花とジュエリーの展覧会でした。

会場が下鴨神社の境内で、ちょうど紅葉の時期だったので、綺麗な写真が撮れたのだと思います。わたしの力ではなく完全にこの場所と作品の力です。

ただ、写真を撮るときにひとつだけ工夫したことがあります。この作品展は「光」がひとつのテーマであると思ったので、光を際立たせるために、あえてアンダーめに撮影するということです。

iPhoneって、普通にそのまま撮るとすごく明るく撮れてしまうじゃないですか。でも今回はむしろ暗く撮りたくて。どうしても、糺の森の暗さを出したかったのです。

暗くしたいときは、軽く画面にタップしてお日様マークを下に下げると暗く撮れます。

暗い森のなかに浮かび上がる花にどきっとしたので、じぶんの目で見た印象に近づくように。そして、後の写真加工のときに見たときの気持ちを思い出しながら加工します。

あとわたしが写真を撮るときに気をつけていること。それは「水平」と「垂直」です。これが狂うと気持ちが悪いのです。タテヨコきっちりしないと。 iPhoneのレンズは小さいし、外側に向かって歪みやすいので、iPhoneの傾きにはものすごく慎重になります。Instagramなどで水平や傾きは調整できるけど、撮るときに傾きを意識するだけでだいぶ違います。

逆に、宝石の室内の展示のところは、歪みを利用して撮影しています。広角にしたりとか。

あとはポートレイトと普通のを両方とっておくとか、トップ画像用に背景を多めに撮るとか、撮るときにかなり意識的に撮影しています。

例外はこのように逆光の写真を撮るときで、これはもうパシャっと感覚で撮ってあとの加工でどうにかします。偶然、作品に光が宿っているような写真が撮れたので、この写真をキービジュアルにしてタイトルと文章を組み立てました。

そして撮影した写真は、iPhone本体とInstagramの両方で画像加工します。加工について書くとかなりしつこくなるのでまたいつか。

だいたいにおいてしつこいんですよね、わたし。

そのしつこさが炸裂したのがこの記事です。

「視点が面白いで賞」

視点が面白いで賞に選べばれたのは、こちら。

絵画とファッション 「スコットランド国立美術館展」で描かれた衣装について。

これは、「スコットランド国立美術館展」に展示された絵画を、「衣装」に着目して偏愛たっぷりに語った記事です。

写真を撮影してもいいという限定の日時に観に行って、いっぱい撮影してきたのです。

こういう絵画を、

キュッと音のしそうな手袋

こんなとことか、


結婚式のお支度をする花嫁

こういう絵画を、

こういうおばあさんにわたしはなりたい

こういうところに注目して、好きなことを書いている記事です。

こんな好き放題に書いている記事(しかもものすごく長文)を、おおらかに受け止めてくれるnote。ほんとうにおもしろいところです。

ちいさな美術館の学芸員さんはインタビューをもとにこんな風にまとめてくださっています。

タケチさんにうかがうと、自分の偏愛ぶりを受け入れてくれるnoteというメディアこそが、とても変で、とても面白いと言います。どういうことでしょう?
タケチさんは自分の好きなことについて、ただひたすら楽しんで書いていて、好きなあまり筆がとまらず、毎度毎度超長文になるそうです。
「#ドレス」や「#ファッション」のタグはnoteの中でマイナーだし、そもそもこんな長文だれが読むんだ、と思っていると、不思議なことに偏愛ぶりが爆発した記事ほどnoteの注目記事にピックアップされたり、スキが集まったりするそうです。
自分は自分のために楽しんで書いているだけなのに、コメントで「素敵な記事をありがとうございました」と感謝されるなんて、本当にnoteは面白いところだ!とのこと。

「ちいさな美術館の学芸員さん」の記事より 

好きが炸裂した文章を読んでくださって、面白いと思ってくださって、そして選んでくださって、ほんとうにありがとうございます。

いただいた賞金は、展覧会を見るのに大切に使わせていただきます。そして、それをまた記事にしたいです。そうそう、大学生なので「学割」で展覧会が観れるんですよね。たくさん観ます! そして書きます!

メンバーシップのみなさま、ちいさな美術館の学芸員さん、ほんとうにありがとうございました。

学芸員資格のレポートもますますがんばろうって思いました。

ちいさな美術館の学芸員さんは、「オトナの美術研究会」というステキなメンバーシップをされています。


あと、最後に、ちいさな美術館の学芸員さんの記事で個人的にすごく面白かった記事を紹介させてください。

こちらです。日本美術を「マンガ」という切り口で語ったnoteです。

わたし、どちらかというと日本美術は苦手ジャンルだったのですが、「マンガ」と屏風絵の関連性をこの記事を読ませてもらって展覧会に行ったら、ほんとうにマンガみたいな屏風絵があって。

神戸市立博物館で開催されていた「よみがえる川崎美術館」展です。

そのなかの「桜下蹴鞠図屏風」です。(このメインビジュアルになっている屏風絵とは違うものです)

「桜下蹴鞠図屏風」は、貴族たちが蹴鞠をしている様子を描いた屏風絵なのですが、端っこの方にいる家来たちが完全にマンガだったんです。

思わずスケッチしてしまいました。家来たちは、貴族が遊んでいる間にのんびりしています。これ、脚色じゃなくてほんとうにこんな感じだったんですよ!

アフレコするとこんな感じかな。

思わず「うわ、ほんまにマンガや!」とつぶやいてしまいました。(ちいさな声で)

そんな新たな視点をくれるちいさな美術館の学芸員さんのnote、ほんとうにいつも楽しませてもらっています。

ありがとうございました!

ドレスの仕立て屋タケチヒロミです。 日本各地の布をめぐる「いとへんの旅」を、大学院の研究としてすることになりました! 研究にはお金がかかります💦いただいたサポートはありがたく、研究の旅の費用に使わせていただきます!