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写真・短編小説・詩

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2022年5月の記事一覧

最後の嘘

最後の嘘

大丈夫って聞かれたから
大丈夫って答えたの

心配かけたくなかったから

最後のお話だったのに
最後に嘘をつきました
最後の嘘をつきました

大丈夫じゃない
大丈夫じゃないよ

本当のこと思ったら
涙がこぼれ落ちました

ふるさと

ふるさと

潮風薫る夏の午後

路地裏通って浜出れば

まぶしいお日様白い砂

寄せては返す波の音

静かな浜辺に響いてる

沖ゆく船は右左

かもめもからすも右左

それらぼんやり見ていると

夕焼け小焼けで日は暮れて

見上げる空にはお星様

夕飯薫る帰り道

路地裏灯りのもれるなか

振り返ればキラキラと

黒い海原船灯り

まるで宝石見てるよう

なんて素敵な場所だろう

私の大事なふるさとは

いつ

もっとみる
私が私であるために

私が私であるために

風が吹いたから何だっていうの
雨が降ったから何だっていうの
雪が降ったから何だっていうの

冷たくされたから何だっていうの
見放されたから何だっていうの
無視されたから何だっていうの

だから何だっていうの

それで失う私なんかじゃない
邪魔なんてさせはしない
こんなところで終われない

傷付くことも
痛みの意味も
繰り返す過ちも
全て承知

さあ始めよう

勝ち負けなんて関係ない

私が私である

もっとみる
共存

共存

朝の光を浴びてたら

小鳥もお花もそよ風も

みんながみんな嬉しそう

夜の闇はどこへやら

静かに去ってゆきました

夜の闇があればこそ

朝の光は嬉しいと

闇を去らせたお日さまが

日陰で教えてくれました

日陰

日陰

日陰にいてはダメ

日向に出なきゃと言うけれど

日向にずっと出てりゃいい

夏の盛りの日向では

ギンギラジリジリ焼かれては

丸焦げ黒焦げ真っ黒け

それでも日向でいるかしら

きっと暑さに耐えかねて

日陰を探すことでしょう

のんびりゆけばいい

のんびりゆけばいい

川の流れに逆らって

勢い泳いでみたけれど

いつしかゆらゆら流されて

淀みで沈んでゆきました

これも浮世の常なれば

無駄に嘆くこともなし

のんびりゆけばいい

この無情なる世の中を

夫婦

夫婦

あなたがそんなに笑うから
私もたまらず笑いだす
あなたが涙を流すから
私も涙がこぼれるの

あなたが歳を重ねれば
私も気付けばお婆さん
あなたがあの世に旅立てば
私も遅れて後を追う

長く連れ添う幸せを
あなたの背中を眺めつつ
散歩しながら思います

蓮華の優しさ

蓮華の優しさ

笑えば楽しくなるからと

あっはあっはと大笑い

蓮華咲く道 帰り道

何度も笑ってみるけれど

何にも楽しくありません

日暮れ 山あい 蓮華畑

お日さま隠れて帰ってく

からすもこっそり帰ってく

その中笑って歩くけど

どんなにどんなに笑っても

どんどんさみしさ増すばかり

ひとりさみしい帰り道

無理に笑うことないよ

ゆれる蓮華の花達が

優しく伝えてくれました

子供心

子供心

いつまでたっても子供だと

困った顔をするけれど

いつもあなたは疲れ顔

大人もたまには子供になって

その日を生きてみればいい

子供になれないあなたには

同情するしかありません

心で見る

心で見る

今年の春の夕暮れは

いつもと違いさみしいと

爺にひと言伝えたら

心で見ているからという

婆を亡くして早一年

爺見る春の夕暮れは

とてもさみしいものだろう

止まない雨

止まない雨

不安の雨がふり続く

大きな雨傘買ったけど

傘下入る雨多い

明日は晴れるというけれど

予報はいつも当たらない

雨靴買っては雨宿り

いつになったら止むのやら

私じゃどうにもなりません

適当な風

適当な風

あんなに時間をかけたのに

あんなに丁寧に積んだのに

ひとつ積み方間違えたら

見事崩れてゆきました

また積めばいい

過ぎゆく風は言うけれど

言われなくてもわかってる

積み方学んでもう一度

過ぎゆく風は言うけれど

いつも適当他人事

積むのは私

そう簡単なことじゃない

疲れてしまったこの私

いつになったら出来るやら

適当な風よしばらくは

放っておいてちょうだいな

ありがとう

ありがとう

いなくなって気がつくと
よく世間は言うけれど
あなたがいない日常で
確かにそうだと思います

私を思ってくれていた
その破片が日常に
いっぱいいっぱい落ちている

涙が溢れて止まらない

伝えることが叶うなら
ありがとうを伝えたい

心からのありがとう
気持ち一杯伝えたい

停車駅

停車駅

わかってる

私次第だということを

停車駅
止まる景色に吹く風は
いつもいつも
穏やかなそよ風