まるで麻薬みたいだ。

まるで麻薬みたいだ。1度味わったら止められない。「後1回」が「もっと欲しい」になって、気が付くと私の一部に。一部どころか殆ど。ないと私ではなくなってしまう。彼にはそんな中毒性がある。無表情、冷たい三白眼、裂けた口。ねぇ、誰が君の口を裂いたの? 「口裂け少年」じゃない君も知りたいよ。

いい夜を。
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【Bar S】episode2 バケモノ現る

オープン1週間前、店まで徒歩10分の場所へ引っ越しを済ませ 先週、時間が早く行けなかったお店に挨拶廻りをした。

【Bar S】の廻りのお店には〔会員制〕と書かれたお店が多かった。基本こういうお店には顔を出さなくても良いかと思ったが、向かいと右隣の店には寄ってみた。

先ずお向かいさんから。重そうな扉、ドアを引いても開かない。鍵がかかっていた。チャイムを鳴らすボタンがあったので押してみた。しばらく

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ありがと(*´∀人) 今日もお疲れ様!
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暗くて汚い路地裏に夜雨が降る。

雨。雨、雨、雨雨雨。暗くて汚い路地裏に夜雨が降る。雨が室外機に当たる音も、雨水が排水溝を流れる音も、夜の空気に充満する雨の匂いも、纏わり付くような湿気も、どうしようもない憂鬱も、全てが等しく愛おしい。雨の日は自分が肯定されたような気持ちになる。ずぶ濡れの黒猫が私の傘に入って来た。

ありがとうございます!
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夜の街の住人:兎のマスクの男

兎のマスクを被った男。細身で、猫背。夜の街の路地裏をよく徘徊している。気怠げで冷たそうな割に、面倒見がいい。段ボールの少年、魔少女、黒猫と仲がいい。

夜の街にようこそ。
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深夜のプールに飛び込んだ。

深夜のプールに飛び込んだ。全力で走って来た甲斐があった。火照った身体が夜に染まった水に溶けていく。学校の宿題も、人間関係も、恋も将来も夜に訪れる憂鬱も、身体中の穴という穴から熱と共に流れ出ていく。兎のマスクの彼が脳裏を掠めた。お願い、どうか私をここから……。私の腕を誰かが掴んだ。

いい夜を。
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【Bar S】 episode1 元大親分

オープン2週間前、開店のための準備と近所のお店へ挨拶廻りの為、私は上京した。

その日の準備作業が終わると、自分の店から半径100メートル以内で一番古く大きそうな店から挨拶をしに行こうと考えた。

目星はつけてあった。同じ並びの炉端焼風の居酒屋。木を主体にした建物で長いカウンターにも一枚板を使った、その辺りでは一番大きな店。

入口を開けると、開店前の店内 5人の店員が忙しそうに準備していた。

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ありがと(*´∀人) 今日もお疲れ様!
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東京のとある駅より徒歩5分
繁華街から少し離れた路地裏にある

【Bar S】

Bar と書いてはあるものの
スナックの居抜き物件を利用した
カウンター7席だけの
こじんまりとした呑み屋

客を選ぶマスター(私)と
奇妙で素敵な愛すべき客達の物語

一話完結でお送り致します。

ビックリした? 幸せの白ヘビ君だよ!
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路地裏で傘を差す彼女は。

「雨の降った日、夜の街内でなら、行きたい場所まで傘に入れてくれる女がいる」という都市伝説があり、今隣にいる。実際に会うまで不気味で怖いイメージがあったけど、路地裏で傘を差す彼女は清楚でお淑やかで、かなりタイプだった。能面を付けていてよかった。相合傘にニヤけてるのがバレたら恥ずい。

ありがとうございます!
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夜空に柔らかい音が響く。

夜の路地裏にハイエナがいた。血塗れで、敵意剥き出し。ギラギラした目が闇夜に浮かぶ。私は近くの室外機に腰を下ろし、少しギターを鳴らした。ハイエナが歯を収めた。私は黒色のとんがり帽子を被り直し、本格的に弾き始めた。夜空に柔らかい音が響く。気が付くと、ハイエナが隣に。
「君、名前は?」

いい夜を。
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ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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