スズ

はじめまして💐.°♡ 色んなジャンルの短編小説を書いています〖スズ〗です。 すべて…

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はじめまして💐.°♡ 色んなジャンルの短編小説を書いています〖スズ〗です。 すべて私の世界、つまり私の頭の中から出来た物語を文章にして公開しています(*^^*) 貴方にとってのお気に入りの文章を1つでも書けるように 日々、精進していきます𓆸⋆* 感想なども聞かせてください

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町外れのアポセカリーで。

そこは日本ではない、どこか遠くの国にある町。 自然が豊かで温かみのある町。 歩いて1周できるくらいのサイズのこぢんまりとした町。 そんな町の外れに、知る人ぞ知る…

スズ
1年前
16

クリスマス

クリスマスの夜 独り歩く私に 嫌というほどのクリスマスソングを 聴かそうとする街中は 私のことをより独りだと自覚させる イヤホンをつけるのも虚しい( むなしい )し…

スズ
6か月前
1

薔薇

" 愛 " や " 情熱 " これは薔薇の花言葉、 そう赤い薔薇の他でもない 愛してる人に渡す特別なもの。 いまでも枯れない薔薇はきっと 貴方への枯れない想いを表してい…

スズ
6か月前
3

にっがい

春は彼を連れてくる。 彼は、いつもコーヒーをブラックで注文する。 にっがいやつ。 にっがいやつを机に置いて、真剣にパソコンをカタカタ打つのだ。 陽の光が彼の横顔…

スズ
1年前
7

The Power of Colors

〖つぶやき〗 " 色がもつ力 "を題材にしようと思いついたとき いつもは使わない英語に略すことにしました。 色がもつ力を " The Power of Colors " というそうです。 …

スズ
1年前
3

小さい母

高校3年生、これからの受験の日々を思い、僕はいつも不機嫌だった。 母の「行ってらっしゃい」の声を無視して学校に向かった。 母は、そんな僕でも向き合ってくれた。 母…

スズ
1年前
6

卒業式のWind Orchestra

桜の木。 紅白の幕。 晴れやかな空。 証書を入れる筒できゅぽっと音を立てて笑う声が聞こえる。 卒業式すぎる光景に、莉奈は目を細めた。 全て終わる。 高校3年間は…

スズ
1年前
6

溶けない氷の涙

✻ ✻ ✻ アンは泣くことを禁じられていた。 厳しい両親では無かった。 父も母もアンを叱ったことなどないし、 同世代が欲しがるものはアンが口に出す前に 差し出し…

スズ
1年前
6

オトナナカオ

仮面をつけてやろうと思う。 大人の仮面。 仮面を外したら、 不安で口角が震えてるかもしれない。 冷たい汗が顎までつたっているかもしれない。 それでも、 全部すっ…

スズ
1年前
6

0ドルのナポリタン

✻ ✻ ✻ レジをそっと開ける。 大丈夫。 この古びた映画館でバイトを始め、もう半年。 シフトを入れ続けた樹(いつき)に、 レジの扱いは慣れた…

スズ
1年前
4

トマトと彼女。

「トマトは嫌いなの」 照れたように笑いながらそうやって、ハンバーガーから彼女は朱色のそれを指先でつまんだ。 俺のハンバーガーの上にペッと置かれた彼女のトマト。 …

スズ
1年前
4

イメチェンと本当の自分。

✻ ✻ ✻ 誰もが見たことあると思う。 犬が喋ったり、タイムスクープしたり、 「お前には世界を救う力がある」と言われたり、 主人公たちは苦労しながらも、…

スズ
1年前
7

口紅と乙女心は負けない。

✻ ✻ ✻ バーカ。 目の前でガミガミ叱る生徒指導の女教師の話なんて、そう心の中で呟く私の耳には入ってこない。 バカバカバカバカ。 あ、待って。 これじゃあ、この…

スズ
1年前
4

跳べないウサギ

目をつぶると、目の前に暗闇が広がった。 会場中の声援をどこか遠くに感じる。 体がふわふわする。 でもって頭の中心は冷静。 トントンっ。小さな2回ジャンプ。 これが…

スズ
1年前
5

まず、

はじめまして❁⃘ ネーミングセンスが無くいいのが思い浮かばなかったので、「スズ」とでも認識してください笑 このnoteを利用しようと思ったのは、私のことを 文章にま…

スズ
1年前
7
町外れのアポセカリーで。

町外れのアポセカリーで。

そこは日本ではない、どこか遠くの国にある町。

自然が豊かで温かみのある町。

歩いて1周できるくらいのサイズのこぢんまりとした町。

そんな町の外れに、知る人ぞ知る小さな花屋があった。

町の人はその花屋を「フラワー アポセカリー」と呼ぶ。
「アポセカリー」とは薬屋という意味だ。

薬を置いているわけではない。
医者がいるわけでもない。

しかし、この町に病院がなくてもあまり困らないのは、この花

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クリスマス

クリスマス

クリスマスの夜

独り歩く私に

嫌というほどのクリスマスソングを

聴かそうとする街中は

私のことをより独りだと自覚させる

イヤホンをつけるのも虚しい( むなしい )し、

かといって余裕の表情を浮かべるのも違う

チキンにピザ、ケーキやアイスクリーム

閑静な ( かんせい ) 住宅街に連なる
無数のイルミネーション

きっと家族で飾ったんだろうと思われる、
その
光たちを見ながら

自分

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 薔薇

薔薇

" 愛 " や " 情熱 "

これは薔薇の花言葉、
そう赤い薔薇の他でもない

愛してる人に渡す特別なもの。

いまでも枯れない薔薇はきっと

貴方への枯れない想いを表しているのか、

どうか
いまでも毎日丁寧に手入れを続ける私をきっと
貴方は知らない。

出会ったあの日のような輝きが出ていた

貴方はどこへ行くのでしょう…。

にっがい

にっがい

春は彼を連れてくる。

彼は、いつもコーヒーをブラックで注文する。
にっがいやつ。

にっがいやつを机に置いて、真剣にパソコンをカタカタ打つのだ。

陽の光が彼の横顔に差し込んで、それはそれは、
綺麗なのだ。

✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻

一昨年。

初めて彼を見かけた時、私は高一で、バイト始めたてで、にっがいコーヒーを飲めなかった。

その黒い液体は、ただの闇で

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The Power of Colors

The Power of Colors

〖つぶやき〗

" 色がもつ力 "を題材にしようと思いついたとき
いつもは使わない英語に略すことにしました。

色がもつ力を " The Power of Colors " というそうです。

わたしがいつもとは違う文章を書こうと思ったのは、ある着物屋の女将がこう言ったからです。

「日本には色彩の文化があります。
着物を彩る色達に込められた古代からの思い。
その意味を知ることは、あなたの門出

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小さい母

小さい母

高校3年生、これからの受験の日々を思い、僕はいつも不機嫌だった。

母の「行ってらっしゃい」の声を無視して学校に向かった。

母は、そんな僕でも向き合ってくれた。
母1人子1人だったことも大きいのかもしれない。

質問されたこと以外無視を決め込む僕に、

ある日母は、
「今日は一緒にいちご狩りに行きますっ」
と、高らかに宣言した。

いちご狩り?
なんでまた、いちご?

そんな思いもあったが、受験

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卒業式のWind Orchestra

卒業式のWind Orchestra

桜の木。

紅白の幕。

晴れやかな空。

証書を入れる筒できゅぽっと音を立てて笑う声が聞こえる。

卒業式すぎる光景に、莉奈は目を細めた。

全て終わる。

高校3年間は嘘みたいに長くて毎日必死だった。

お経のような古典も黒魔術のような数Ⅱもやり終えた。

だが、莉奈にとって何よりもキツかったのは部活だった。

吹奏楽部。

名門のこの高校を知らない者はいない。
練習が厳しく、部員のほとんどが

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溶けない氷の涙

溶けない氷の涙

✻ ✻ ✻

アンは泣くことを禁じられていた。

厳しい両親では無かった。

父も母もアンを叱ったことなどないし、
同世代が欲しがるものはアンが口に出す前に
差し出した。

それでも、泣くことだけは許されなかった。

それには、アン自身に理由があった。

アンの涙は、氷の結晶になってしまうのだ。

その症状が初めて現れたのは、アンがまだ小学校に上がる前の夏のこと。

愛犬が死んで泣き出した

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オトナナカオ

オトナナカオ

仮面をつけてやろうと思う。

大人の仮面。

仮面を外したら、

不安で口角が震えてるかもしれない。

冷たい汗が顎までつたっているかもしれない。

それでも、
全部すっかり覆って隠しきって

〖わたしは大人ですよ〗なんて
余裕の表情を浮かべてやる。

子供に浸かるのが

心地よかった時にみた、

お姉さんたちの姿。

肩の力の抜けた強さと、

冷静を保った暖かさ。

それらにどれだけ憧れても

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0ドルのナポリタン

0ドルのナポリタン

✻ ✻ ✻

レジをそっと開ける。
大丈夫。

この古びた映画館でバイトを始め、もう半年。
シフトを入れ続けた樹(いつき)に、
レジの扱いは慣れたものだった。

閉館間際の映画館。樹のほかに人はいない。
雇い主のおじいさんは、うたた寝をしている。

ちくりとした胸の痛みを振り切るように
1万円札に手をかけた
その時。

「おい」と声がした。

樹は

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トマトと彼女。

トマトと彼女。

「トマトは嫌いなの」

照れたように笑いながらそうやって、ハンバーガーから彼女は朱色のそれを指先でつまんだ。

俺のハンバーガーの上にペッと置かれた彼女のトマト。
トマトだらけのハンバーガー。

俺だってトマトが好きじゃない。

食べられないわけではないけど、入ってないほうがいいのに、と思うぐらい苦手だ。

でも、今は、あのトマトバーガーが懐かしい。

✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻

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イメチェンと本当の自分。

イメチェンと本当の自分。

✻ ✻ ✻

誰もが見たことあると思う。

犬が喋ったり、タイムスクープしたり、
「お前には世界を救う力がある」と言われたり、

主人公たちは苦労しながらも、目の前の壁と向き合い成長し、さらに豊かな日々を得るのだ。

私もその手の物語はごまんと知っている。

でも、これは。

聞いていた話と違う。

物語は物語だから面白いのだ。

鏡を見せられて「はーい、イメチェンですよー」

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口紅と乙女心は負けない。

口紅と乙女心は負けない。

✻ ✻ ✻

バーカ。

目の前でガミガミ叱る生徒指導の女教師の話なんて、そう心の中で呟く私の耳には入ってこない。

バカバカバカバカ。

あ、待って。

これじゃあ、この女教師にバカって言ってるみたいじゃん。

確かに髪の毛はビシっと低いお団子にして、スーツもパンツで、ボタンは1番上まで留めちゃって、こんな女教師みたいにはなりたくない。

先生をバカって言えるほど、自分の頭が良くないことは分かっ

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跳べないウサギ

跳べないウサギ

目をつぶると、目の前に暗闇が広がった。

会場中の声援をどこか遠くに感じる。

体がふわふわする。
でもって頭の中心は冷静。

トントンっ。小さな2回ジャンプ。

これが私のルーティン。

私はどこまでだって跳べる。

ゆっくりと目を開けると、会場の音が戻ってきた。
地面まで震わす声援は、走り高跳びの期待の星と
言われている私に降り注いでいる。

よーい、スタート!

心の中でそう呟くと私は力強く

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まず、

まず、

はじめまして❁⃘

ネーミングセンスが無くいいのが思い浮かばなかったので、「スズ」とでも認識してください笑

このnoteを利用しようと思ったのは、私のことを
文章にまとめてみよう"と思ったからです。

また空想とか想像するのが小さい頃から好きで、
今でも絵本は大好きです。

もちろん小説も好きです。特に単行本。
この作家が好きとかは特に無くて、本の選び方も
自分なりのこだわりがあって、ビビっとく

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