スズ

はじめまして💐.°♡ 色んなジャンルの短編小説を書いています〖スズ〗です。 すべて…

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はじめまして💐.°♡ 色んなジャンルの短編小説を書いています〖スズ〗です。 すべて私の世界、つまり私の頭の中から出来た物語を文章にして公開しています(*^^*) 貴方にとってのお気に入りの文章を1つでも書けるように 日々、精進していきます𓆸⋆* 感想なども聞かせてください

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町外れのアポセカリーで。

そこは日本ではない、どこか遠くの国にある町。 自然が豊かで温かみのある町。 歩いて1周できるくらいのサイズのこぢんまりとした町。 そんな町の外れに、知る人ぞ知る小さな花屋があった。 町の人はその花屋を「フラワー アポセカリー」と呼ぶ。 「アポセカリー」とは薬屋という意味だ。 薬を置いているわけではない。 医者がいるわけでもない。 しかし、この町に病院がなくてもあまり困らないのは、この花屋がアポセカリーとして住民の役に立ってきたからだ。 今日も、そのアポセカリーに

    • クリスマス

      クリスマスの夜 独り歩く私に 嫌というほどのクリスマスソングを 聴かそうとする街中は 私のことをより独りだと自覚させる イヤホンをつけるのも虚しい( むなしい )し、 かといって余裕の表情を浮かべるのも違う チキンにピザ、ケーキやアイスクリーム 閑静な ( かんせい ) 住宅街に連なる 無数のイルミネーション きっと家族で飾ったんだろうと思われる、 その 光たちを見ながら 自分には到底届かないような輝きだったり、 希望に少しおじゃまさせてもらうのだ そ

      • 薔薇

        " 愛 " や " 情熱 " これは薔薇の花言葉、 そう赤い薔薇の他でもない 愛してる人に渡す特別なもの。 いまでも枯れない薔薇はきっと 貴方への枯れない想いを表しているのか、 どうか いまでも毎日丁寧に手入れを続ける私をきっと 貴方は知らない。 出会ったあの日のような輝きが出ていた 貴方はどこへ行くのでしょう…。

        • にっがい

          春は彼を連れてくる。 彼は、いつもコーヒーをブラックで注文する。 にっがいやつ。 にっがいやつを机に置いて、真剣にパソコンをカタカタ打つのだ。 陽の光が彼の横顔に差し込んで、それはそれは、 綺麗なのだ。 ✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻ 一昨年。 初めて彼を見かけた時、私は高一で、バイト始めたてで、にっがいコーヒーを飲めなかった。 その黒い液体は、ただの闇でしかなかった。 春が夏に変わると彼は去っていく。 カフェのマスターの話による

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        町外れのアポセカリーで。

          The Power of Colors

          〖つぶやき〗 " 色がもつ力 "を題材にしようと思いついたとき いつもは使わない英語に略すことにしました。 色がもつ力を " The Power of Colors " というそうです。 わたしがいつもとは違う文章を書こうと思ったのは、ある着物屋の女将がこう言ったからです。 「日本には色彩の文化があります。 着物を彩る色達に込められた古代からの思い。 その意味を知ることは、あなたの門出に鮮やかな 祝福を与えてくれるはずです。」 たしかに色にはそれぞれ力があるでし

          The Power of Colors

          小さい母

          高校3年生、これからの受験の日々を思い、僕はいつも不機嫌だった。 母の「行ってらっしゃい」の声を無視して学校に向かった。 母は、そんな僕でも向き合ってくれた。 母1人子1人だったことも大きいのかもしれない。 質問されたこと以外無視を決め込む僕に、 ある日母は、 「今日は一緒にいちご狩りに行きますっ」 と、高らかに宣言した。 いちご狩り? なんでまた、いちご? そんな思いもあったが、受験勉強をしなくていいならと僕は行くことにした。 車の中で、母はずっと話し続けてい

          小さい母

          卒業式のWind Orchestra

          桜の木。 紅白の幕。 晴れやかな空。 証書を入れる筒できゅぽっと音を立てて笑う声が聞こえる。 卒業式すぎる光景に、莉奈は目を細めた。 全て終わる。 高校3年間は嘘みたいに長くて毎日必死だった。 お経のような古典も黒魔術のような数Ⅱもやり終えた。 だが、莉奈にとって何よりもキツかったのは部活だった。 吹奏楽部。 名門のこの高校を知らない者はいない。 練習が厳しく、部員のほとんどが幼少期より練習を重ねてきている。 そんななか、莉奈は異例の初心者だった。 新

          卒業式のWind Orchestra

          溶けない氷の涙

          ✻ ✻ ✻ アンは泣くことを禁じられていた。 厳しい両親では無かった。 父も母もアンを叱ったことなどないし、 同世代が欲しがるものはアンが口に出す前に 差し出した。 それでも、泣くことだけは許されなかった。 それには、アン自身に理由があった。 アンの涙は、氷の結晶になってしまうのだ。 その症状が初めて現れたのは、アンがまだ小学校に上がる前の夏のこと。 愛犬が死んで泣き出したアンの頬に一筋、血が流れた。 ギョッとした母がアンの顔をよく見ると、アンの目か

          溶けない氷の涙

          オトナナカオ

          仮面をつけてやろうと思う。 大人の仮面。 仮面を外したら、 不安で口角が震えてるかもしれない。 冷たい汗が顎までつたっているかもしれない。 それでも、 全部すっかり覆って隠しきって 〖わたしは大人ですよ〗なんて 余裕の表情を浮かべてやる。 子供に浸かるのが 心地よかった時にみた、 お姉さんたちの姿。 肩の力の抜けた強さと、 冷静を保った暖かさ。 それらにどれだけ憧れても 私には全然足りないけれど、 メイクとファッションの武器を施してもらい 形だけは大

          オトナナカオ

          0ドルのナポリタン

          ✻ ✻ ✻ レジをそっと開ける。 大丈夫。 この古びた映画館でバイトを始め、もう半年。 シフトを入れ続けた樹(いつき)に、 レジの扱いは慣れたものだった。 閉館間際の映画館。樹のほかに人はいない。 雇い主のおじいさんは、うたた寝をしている。 ちくりとした胸の痛みを振り切るように 1万円札に手をかけた その時。 「おい」と声がした。 樹は、「ひっ」と声を上げ周りを見渡した。 人影はやはりない。 再び声。 「それはや

          0ドルのナポリタン

          トマトと彼女。

          「トマトは嫌いなの」 照れたように笑いながらそうやって、ハンバーガーから彼女は朱色のそれを指先でつまんだ。 俺のハンバーガーの上にペッと置かれた彼女のトマト。 トマトだらけのハンバーガー。 俺だってトマトが好きじゃない。 食べられないわけではないけど、入ってないほうがいいのに、と思うぐらい苦手だ。 でも、今は、あのトマトバーガーが懐かしい。 ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ ✻ 手先には普通のハンバーガー、3度目のた

          トマトと彼女。

          イメチェンと本当の自分。

          ✻ ✻ ✻ 誰もが見たことあると思う。 犬が喋ったり、タイムスクープしたり、 「お前には世界を救う力がある」と言われたり、 主人公たちは苦労しながらも、目の前の壁と向き合い成長し、さらに豊かな日々を得るのだ。 私もその手の物語はごまんと知っている。 でも、これは。 聞いていた話と違う。 物語は物語だから面白いのだ。 鏡を見せられて「はーい、イメチェンですよー」って、男になっていても、何も面白くない。 チョットマッテ、イミガワカラナイ。

          イメチェンと本当の自分。

          口紅と乙女心は負けない。

          ✻ ✻ ✻ バーカ。 目の前でガミガミ叱る生徒指導の女教師の話なんて、そう心の中で呟く私の耳には入ってこない。 バカバカバカバカ。 あ、待って。 これじゃあ、この女教師にバカって言ってるみたいじゃん。 確かに髪の毛はビシっと低いお団子にして、スーツもパンツで、ボタンは1番上まで留めちゃって、こんな女教師みたいにはなりたくない。 先生をバカって言えるほど、自分の頭が良くないことは分かってる。 でもバカじゃない。 そういう賢さなら持ってるつもり、 こう見えて。

          口紅と乙女心は負けない。

          跳べないウサギ

          目をつぶると、目の前に暗闇が広がった。 会場中の声援をどこか遠くに感じる。 体がふわふわする。 でもって頭の中心は冷静。 トントンっ。小さな2回ジャンプ。 これが私のルーティン。 私はどこまでだって跳べる。 ゆっくりと目を開けると、会場の音が戻ってきた。 地面まで震わす声援は、走り高跳びの期待の星と 言われている私に降り注いでいる。 よーい、スタート! 心の中でそう呟くと私は力強く駆け出した。 右、左、右っ! もちろん歩幅はぴったり。 私は跳んだ。 上へ

          跳べないウサギ

          まず、

          はじめまして❁⃘ ネーミングセンスが無くいいのが思い浮かばなかったので、「スズ」とでも認識してください笑 このnoteを利用しようと思ったのは、私のことを 文章にまとめてみよう"と思ったからです。 また空想とか想像するのが小さい頃から好きで、 今でも絵本は大好きです。 もちろん小説も好きです。特に単行本。 この作家が好きとかは特に無くて、本の選び方も 自分なりのこだわりがあって、ビビっとくる本に 出会えた時はとても嬉しいものです。 たくさんの本に出会ってきて、感情移

          まず、