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答えのない世界をホリスティックに捉える「X思考」

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現代人は「常識」という名の幻想に囚われる一方、「正解のない問題」――論理的フレームワークでも解決できない社会的困難に直面している。 米国の作家フィッツジェラルドは、一流の知性を「…
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「偏愛・夢中」と「依存・中毒」の違いをアート思考とSDGs観点から考えてみる

「偏愛・夢中」と「依存・中毒」の違いをアート思考とSDGs観点から考えてみる

お疲れさまです。uni'que若宮です。

このところ、「偏愛」や「夢中」と「依存」「中毒」はどうちがうのか、ということを考えていたので、今日はちょっとそのことを書きたいと思います。

偏愛・夢中/依存・中毒は「善悪」で判別可能か?「偏愛」「夢中」と「依存」「中毒」のちがいを考えた時、一般的な判別ポイントとしては「善悪」つまり「よいか/わるいか」という判断の仕方がありそうな気がします。

たとえば

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「退屈」と「暇」の価値を「Well-Being」と「アート思考」から見直す。

「退屈」と「暇」の価値を「Well-Being」と「アート思考」から見直す。

お疲れさまです。uni'que若宮です。

自粛生活も早2ヶ月近く、せっかくのGWもどこも出かけられず、、、退屈だわ、、、暇だわ、、、とストレスが溜まっている方も多いと思います。

「飽き」と「退屈」と「暇」「飽き」と「退屈」と「暇」という似たような言葉があります。どれもわくわく楽しい状態の対義語ではありますが、それぞれ少しずつ違いがあります。

まず「することdoing」の量のちがい。「doin

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「ペーパーテストはできるのに、いまひとつな人」がいる理由に気づいた

「ペーパーテストはできるのに、いまひとつな人」がいる理由に気づいた

テレビをつけたり、YouTubeを開いたり、ウェブ記事を巡回したりしていると、「識者」的なポジションの人たちが訥々と持論を語っているところを無数に目撃することができる。

30歳を超えたあたりから、急速にそういう人たちが言っていることに関心がなくなってきた。なんというか、全体のレベルがすごく低いと感じるようになったためだ。

多くの場合、識者よりも、そのときどきのテーマで招かれるゲストのほうがレベ

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オタクが学ぶミニマリスト的思考

オタクが学ぶミニマリスト的思考

 ここだけの話、私はかわいいキャラクターが大好きです。
 いや、男なんですけどね、どういうわけかハマっちゃいまして。特に大学生になってからは、かわいいグッズを集めるのに熱中したものです。スヌーピーとかモルカーとかちいかわとか、良さげなグッズを見つけると、あまり深く考えずにポチっていた記憶があります。
 そうは言っても、私の部屋は正直そんなに広くありません。深く考えずにあれこれ買っていると、当然なが

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陰謀論に取り込まれないための、3つの見極めポイント

陰謀論に取り込まれないための、3つの見極めポイント

お世話になっております、若宮です。

今日は「陰謀論」について書きます。

陰謀論の怖さは「ゼロ距離」化とそれによる盲目性「陰謀論」で一番危ないのは「ゼロ距離」になって取り込まれてしまうことです。

「ゼロ距離」になると対象を観察すること=客観的に見ることができなくなってしまうからです。

僕がもっとも恐れるのはこうした「盲目性」であり、軍隊でも宗教でもそうですが、その中で人間は割と簡単に狂います

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判断とはセンス

判断とはセンス

column vol.1279

仕事を通じて日々思うのが、「判断」することって非常に難しいということ。

その時ベストだと自信を持って決断したことも、後から振り返ると「…もっと、こうすれば良かったな…」と反省することはしばしば…

人にはそれぞれの立場(利害)がありますし、なかなか満場一致ということはない…

だからこそ組織において、人は「自分が判断した」ということから逃げたくなります…

上手

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棟方志功、和氏、ゼンメルワイス、リスターから学ぶ専門家と知ろうとの関係性・・・「事実」に対して謙虚に

父はよく「プロに対して敬意を持て」と言っていた。プロはやはり長くそれに従事してるだけあって、いろんな知見をお持ち。それに対しては謙虚に耳を傾けるべきだと語っていた。
他方、自分がプロとなったとき、素人の方といえども重要な気づきをもたらしてくれるから、耳を傾けるべきでもある。

棟方志功は自分の芸術論に絶対の自信を持ち、他人の意見に耳を貸す人ではなかったという。しかし柳宗悦に会い、民芸品の美しさに驚

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ありふれた体験がもたらすイノベーション:ポカリスエットの開発

ありふれた体験がもたらすイノベーション:ポカリスエットの開発

前回の記事では、栗林隆氏の《元気炉》を例に、身体性(体験)に基づくアート思考により、美術館賞に革命をもたらしたことを紹介しました。イノベーションの創出においても、身体性、すなわち直接的な体験が果たす役割は極めて重要です。本稿では、大塚製薬の「ポカリスエット」の開発事例を中心に、体験からの発見がいかにイノベーションを促進するか、そして身体性を磨く秘訣について考察します。

ポカリスエット:新たなカテ

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『ビジョンプロセシング』より「はじめに」全文公開

『ビジョンプロセシング』より「はじめに」全文公開


はじめに「捉えどころがなく、先行き不透明な時代の中にあっても、しなやかさをもって歩み続けていくために、私たちに本質的に問われていることは何だろうか?」

これが本書の中核をなす問いです。

「環境の変化が激しさを増している」
「変革なくして明日はない」
「イノベーションは喫緊の課題だ!」

このような「環境が変化しているのだから、今すぐ変わるべし」というメッセージは、何十年も叫ばれ続けており、も

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子ども向けプログラミング番組『テキシコー』に学ぶ5つの思考

子ども向けプログラミング番組『テキシコー』に学ぶ5つの思考

思考法やフレームワークなどの情報に触れてみるのが半ば趣味のひとつなのですが、たまたま見つけたNHK教育テレビ(Eテレ)で放送される小学校3年生から高校生を対象としたプログラミング番組『テキシコー』が面白かったのでメモ的に。

「プログラミング的思考(テキシコー)」をパソコンを使わずに育むことができる新しいプログラミング教育番組として、佐藤雅彦さん監修のもと2019年12月から放送されています。NH

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音楽も文学も美術も哲学も全部同じ

音楽も文学も美術も哲学も全部同じ

ケーベル

ケーベル先生はご存知でしょうか。昔の藝大の先生です。ドイツ人です。チャイコフスキーに習った人です。ショーペンハウアー研究者です。美術史教えた人です・・・何者?! というくらいなんでもかんでもスゴいドイツ人の先生です。

教え子

日本の音楽家というとパッと誰が出て来るでしょうか? 滝廉太郎・・・当然ケーベル先生の教え子です。ケーベル先生がドイツ留学を斡旋してくれたんです。

日本の文学

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無為とネガティブ・ケイパビリティ

無為とネガティブ・ケイパビリティ

複雑な問題への対応、長期的に物事に取り組む、システムチェンジなど、取り組むべきことが様々な観点から語られます。こうした対応を進めていく際に、共通して必要になるのが「ネガティブ・ケイパビリティ」です。

枝廣淳子さんが書かれたこちらの本を読んで、ネガティブ・ケイパビリティについての理解を深められただけでなく、システム思考やU理論、バックキャスティングなど、他のキーワードとのつながりも整理できました。

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結局、最初にアイデアを考えたヤツがいちばんエラい。

結局、最初にアイデアを考えたヤツがいちばんエラい。

フォレスト出版編集部の寺崎です。

どんな仕事においても、「これまでにないアイデアを考えなければならない」というシーンがあると思います。

たとえば、営業パーソンであれば「新しい販促プランのアイデア」、人事担当者であれば「新しい採用のアイデア」、販売職であれば「POPのアイデア」などなど。

これまで通りの売り方では通用しない今、いつでも「新しいアイデア」が求められています。書籍の編集者のような仕

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「森を見る」のは容易、「木を見る」のが超困難な時代

私の書き込みを見て「木を見て森を見ず、はいけませんね、森を見なければなりませんね、視野を広く持たなければ」というご意見が複数。私は逆だと思う。森ばかり見て木を見ないから木が荒れ、結果的に森も台無しにしてしまうのだと思う。もっと一本一本の木を丁寧に観察したほうがよい。

昔々は飛行機なんてなかった。遠くまで行ける自動車もなかった。ましてやインターネットもなかった。だから、広い視野でみること、俯瞰(ふ

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