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かくも長きビジネスライフ
はじめに おもえば、憲法二十七条の「すべての国民は勤労を有し、義務を負う」を遵守したわけではないが、私の人生の75%(50年間)は就労に費やして来たことになる。
夫は仕事を持つ妻に非協力的な態度を見せ、諍いになることが多かったが、経済事情や将来の自立を考えると、主婦に専心する気にはならなかった。
その時期を見据えることで願望や自由は封印し、自虐的に仕事や養育に力を注ぐことに、私は美学を感じてい
トランスされた悲しみ
I あの日私は意識の果てにトランスされ、無意識の世界で悲しみと闘う羽目になってしまった。
私は左人工股関節全置換手術の二週間の入院生活を終えて、帰途につくところであった。
娘親子の退院祝いと称した昼食の合流地点へ車を走らせていた。
食事中、私は犬のゴンの様態が気になってはいたが、お互い話題としなかった。
その気持ちが帰宅を急かせ、杖をついての足に苛立ちを覚えながら歩行を早めていた。
「私の車
わたしのシネマレビューノート
はじめに 「我がシネマヒストリー」の作品から1年経った。あれからも映画へのオマージュはますます強くなり、今も30km先の映画館通いが続いている。上映初日に鑑賞したいとの思いは、「初日観客として映画と対面したい!」という私なりのこだわりからである。
映画はフィクションとして真実を描いていることを私たちは理解し、その真実と自らの思考を相乗させることで、深い意義を持つと考える。
日々、直面する現実への不
我がシネマヒストリー
まえがき
シネマを語るなど、大それたことは出来ない。ただ私は映画が好きだ。単純な映画好きが映画を衒いなく語りたかった。
映画が私の人生の句読点に、どのように刺激を与えて記憶を重ねて来たか、70歳のシネマヒストリーを辿りたいと思う。
Ⅰ 我が家
我が家の玄関ドアを開けると、ゴッホの名作「ひまわり」の複製画と、大きな2枚の映画ポスターが眼に入る。1枚は甲冑を身に付けた三船敏郎がクローズアップされた