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心理学、精神分析、心の問題、悩み

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#映画感想文

『必要なのは結果だ 気休めじゃない』

『必要なのは結果だ 気休めじゃない』

【コヴェナント/約束の救出】2時間ずっーーーっとハラハラドキドキ、気が休まらない作品でした(笑)タイトルや写真から、戦争ものだとは察しがつきますが、かなりのヒューマンドラマでもありました!実話ベースの物語です。

2018年、アメリカ軍のキンリー曹長(演∶ジェイク・ギレンホール)はアフガニスタンに派遣されていました。ミッションは、タリバンが武器や弾薬を隠している場所を見つけること。そこで彼は現地の

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アナログ派の愉しみ/映画◎アンリ・コルピ監督『かくも長き不在』

長年のつれあいの顔が
アカの他人に見えたときに

アンリ・コルピ監督の『かくも長き不在』(1961年)は危険な映画だ。既婚者ならだれでもこんな体験をしたことがあるだろう、ふと、つれあいの顔に見覚えがなく、まるでアカの他人としか思えない、といったような……。そんなときの対処法はふたつある。ひとつは、いまさら違和感をどうするわけにもいかず、いったん瞼を閉じてから、目の前の相手が人生の伴侶と割り切ること

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お花畑 わたしはだぁれ? ここはどこ?

お花畑 わたしはだぁれ? ここはどこ?

ロンドンに住む高齢の父親とその娘の物語、映画「ファーザー (The Father '20年)」を観ました。

アンソニー・ホプキンスが2度目のアカデミー主演男優賞に輝き、またアカデミー脚色賞も受賞した本作の素晴らしさは私が語るまでもないので、ストーリーのほんの一部を紹介しながら個人的な感想を述べたいと思います。

父親のアンソニーは81歳で認知症を患っており、自分のこともよく分からなくなるほどで、

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『おとなしくしないで 思う存分 出歩きなさい』

『おとなしくしないで 思う存分 出歩きなさい』

【82年生まれ、キム・ジヨン】小説が原作の作品です。結婚や出産、子育てと仕事、これを焦点に当てた女性の活躍劇は多々ありますが、欧米物は華やかでハッピーエンドのものが多いですよね。こちらの作品は欧米作品と比べると、暗いのですがリアリティがありました。久々の韓国映画でよかったです(*^^*)

ジョン(演∶チョン・ユミ)は幼少の頃から母親になるまで平凡な人生を歩んできました。出産を期に、好きでやりがい

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【映画】たまたま入った映画館で『ショーシャンクの空に』を観た…あの日確かに映画の神様がいたのかもしれない

【映画】たまたま入った映画館で『ショーシャンクの空に』を観た…あの日確かに映画の神様がいたのかもしれない

人間性をなくした時が死ぬ時さ
【ショーシャンクの空に】
(1994年/アメリカ/監督 フランク・ダラボン)

■ジャンル/人間ドラマ、サスペンス、友情
■誰でも楽しめる度/★★★★☆(ある程度の大人、高校生位から)
■後味の良さ/★★★★☆(中盤は辛いけど、感動・・・)

(個人の感想です)

※以下、映画の内容にふれます

********************

■ただ泣きたくて、映画館に入

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母の聖戦(2023年)【今日は帰ってきてから映画感想を書くから】

母の聖戦(2023年)【今日は帰ってきてから映画感想を書くから】

今日は忠告しておく。重い話だ。
ホロコーストネタより重い。
ホロコーストなんて、しょせんは過去の話である。
これが現在進行形の話だと、うめく。
リアルな悪夢だ。

メキシコでは、
麻薬カルテルが猖獗し、
一般市民が殺害される事件が多発。
警察や軍も手を出せない修羅の国となっているという。

そんな話を聞いたのが20年ほど前。
それ以前から兆候はあったのだが。
21世紀初頭のあたりから、とみに酷くな

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アナログ派の愉しみ/映画◎スティーヴン・キング原作『スタンド・バイ・ミー』&宮本 輝 原作『泥の河』

その夏、少年は
世界の神秘と出会った

アメリカと日本のふたりの作家、スティーヴン・キングと宮本輝のあいだにはのっぴきならない共通項がある。両者とも1947年生まれであること、そして、ともに少年期を主題にした短篇小説を書き、かつ、それらを原作としてつくられた映画のいずれもが大傑作となったことだ。前者がロブ・ライナー監督の『スタンド・バイ・ミー』(1986年)、後者が小栗康平監督の『泥の河』(198

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アナログ派の愉しみ/映画◎フランク・キャプラ監督『毒薬と老嬢』

おばあさんが
「超能力」を発揮するとき

おばあさんが発揮する「超能力」の凄まじさを一度だけ目撃したことがある。かつて信州へ山登りに出かけて、地元の路線バスに乗り込んだとき、車内には5人連れの老婦人だけが腰かけておしゃべりしていた。農家のおかみさん同士らしい集団はこちらに一瞥をくれると、通りすがりの客に気をまわす必要もないと判断したのだろう、すぐにおしゃべりを再開したのだが、わたしは呆気に取られて

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和歌山カレー事件・ドキュメンタリー映画『マミー』続報 特報予告編公開

和歌山カレー事件・ドキュメンタリー映画『マミー』続報 特報予告編公開

 和歌山カレー事件をテーマにした初のドキュメンタリー映画『マミー』の特報映像が14日、公開された。2人の男性が話す声、カチカチと刻まれる時計の音・・・。刻一刻と緊張感が増す中、「保険金詐欺」「大量のお金」「ヒ素」「楽勝」と気になるワードが登場。事件発生当時の林眞須美さんの懐かしい姿も短いながら映っており、見る人の心を引き込ませる要素が詰まった約40秒となっている。

 情報解禁時の第一報については

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【映画感想文】自分が必要とされない恐怖から男は女を支配しようとするけれど - 『男女残酷物語 サソリ決戦』監督: ピエロ・スキバザッパ

【映画感想文】自分が必要とされない恐怖から男は女を支配しようとするけれど - 『男女残酷物語 サソリ決戦』監督: ピエロ・スキバザッパ

 予告編で流れるたび、これを見ない手はないのだろうと思ってきた映画がとうとう公開された。その名も『男女残酷物語 サソリ決戦』で、どういう内容なのか、さっぱり予想がつかない。

 実際に見てきたけれど、さっぱり意味がわからなかった笑

 と言っても、ストーリーは意外と単純。

 謎の慈善団体の幹部っぽい男が、同団体で広報として働いている女を拉致監禁。週末、サディスティックに攻めまくり、殺害するという

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『白鯨との闘い』ネタバレ感想―「鯨を狩っていいのは鯨に狩られる覚悟がある者だけだ」と思った映画―シネマクラッシュ/2024年6月3日

『白鯨との闘い』ネタバレ感想―「鯨を狩っていいのは鯨に狩られる覚悟がある者だけだ」と思った映画―シネマクラッシュ/2024年6月3日

 渡邉美穂さんが「シネマクラッシュ」シネマナビゲーターに就任して2回目の放送がありました。

 前半では美穂さんのオープニングアクトについて、後半では映画『白鯨との闘い』について語りたいと思います。

ネタバレがあるので未見の方はご注意ください。

 テレ東吹き替え版は配信がなく見ることはできませんが、Amazonプライムなど各種配信サービスで字幕版・吹替版で視聴できます。

オープニングアクト不

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アナログ派の愉しみ/映画◎ポール・シュレイダー監督『MISHIMA』

三島由紀夫生誕100年の
メモリアルイヤーに

三島由紀夫生誕100年のメモリアルイヤーとなる来年(2025年)には、果たしてどれだけ記念企画が繰りだされるのだろうか? そこで、僭越ながらわたしからもひとつ提案してみたい。この機会に、幻の映画とされてきた『MISHIMA』(1985年)の封印を解いて一般上映するのだ。


三島の死から15年後につくられたこの日米合作映画が、日本においてタブー視さ

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帰ってきたヒトラー(映画版2014年)【映画紹介、お前は完全に包囲されている。ただちにネタバレをやめて出てこい。お前のフォロワーはみな泣いてるぞ「う、嘘つけー!」】

帰ってきたヒトラー(映画版2014年)【映画紹介、お前は完全に包囲されている。ただちにネタバレをやめて出てこい。お前のフォロワーはみな泣いてるぞ「う、嘘つけー!」】

歴史上もっとも悪名高かった独裁者。
アドルフヒトラー。
彼が現代に・・・

帰ってきちゃった。てへ(はぁと)

いや、てへ。
じゃねえよ!

広告では「笑うな危険!」とか書かれている。
笑かす気まんまんじゃねーか!

というか、
ドイツ民主主義においては、
ナチスに簒奪された経緯から、
民主主義に脅威をもたらすような武闘派集団は、
存在するだけでもタイホ!
発見次第に即タイホ!

という超武闘派の

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