ファーザー

すべての枝から葉を失うように
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すべての枝から葉を失うように

老いはわたしたちに迫ってくる。父や母を見ていてもそれを実感することが増えた。そして、老いは見ている側だけではなく、本人も当然感じることなのだ。という当たり前のことを、これまであまり意識していなかったように思う。 こんなことを考えているのは、京都アップリンクで「ファーザー」という映画を観たからなのだけど。 すこしずつ認知症が進んでいく父親アンソニーの視点で老いを描くという、混乱極まる映画。 今日、昨日、明日がごちゃ混ぜになる、さっきまでいたはずの場所にいない自分、娘が知ら

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7月中旬、映画を観に。

7月中旬、映画を観に。

青山学報掲載の際、加藤シゲアキ先生は、学生時代にラジオを聴いて語彙力や表現力を身に付けたと語った。 ラジオを聴けばシゲさんのおっしゃることが分かるようになるかも!とふんわり考えた私は、シゲさんが昨年末出演されたTBSラジオの「アフター6ジャンクション」を聴き始めた。 ちゃんと聴いてみたところドハマりして、今では通学中にSpotifyのポッドキャストでおっかけ聴取をしたり(学生にリアタイは難しい)、RHYMESTERさんの曲を聴いたり、木曜パートナーの宇内梨沙さんのYouT

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2021年上半期に見た映画
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2021年上半期に見た映画

映画感想の備忘録。上期といいつつ7月に見た分も追加。ネタバレ満載なのでご注意ください。 ノマドランド フェーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。現代の「ノマド(遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらう。 野生度 ★★★★★ 諦観

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「ファーザー」を観ました

「ファーザー」を観ました

映画鑑賞備忘録です。 2021年5本目は「ファーザー」。 認知症を題材にした映画はいろいろとありますが、今作は独特のシーン構成が特徴的です。主要人物で、認知症を患うアンソニーをいわゆる”信用できない語り手”のように使い、まるでミステリー映画のように謎を散りばめ、観客を惑わせる手法は斬新です。 冒頭から娘のアンが全くの別人に変わってしまったり、存在しないはずの夫が現れたり、デジャヴュのように同じシーンが繰り返され、まるでループものかのような展開もあり、一体何が本当のことで

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映画「ファーザー」感想

映画「ファーザー」感想

7月28日、映画「ファーザー」を観てきた記録。ネタバレを含みます。 この映画を観ようと思ったのは、Podcastだげな時間 第6回 映画「ファーザー」前編ネタバレを聞いたのがきっかけです。 なんの情報もなしに観ることをおすすめする、とのことだったのですが、わたしはお話を聞いて興味を持ち、観ることにしました。 わたし、家族ものが苦手で、この映画にもタイトルからして家族の絆を描いた作品でしょ、と思ってました。おそらく、彼らのポッドキャストを聞かなければ、選ぶことはなかった映

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認知症の方には、こう見えているのかぁ…

認知症の方には、こう見えているのかぁ…

認知症のご家族の介護の話は、よく耳にします。 認知症の介護者は大変ですが、認知症の本人も大変なんです……と本やテレビで目にして、「そうなんだろうなぁ」と思っても、 僕は頭でわかったふりをしているだけなんだろうなぁと別の自分が感じることがあります。 僕自身が認知症の介護をしたことがなく、そもそも認知症を発症された本人の感じ方がわからないから。   映画「ファーザー」を拝見しました。 認知症の主人公の目線で物語は進んでいきます。 「こう見えているのか」と衝撃を受けました。 介護

「ファーザー」

「ファーザー」

レクターよりも怖い話。どうも安部スナヲです。 これまで幾多の名演•怪演で我々を楽しませ、驚かせてくれたアンソニー•ホプキンスが、御年83歳を迎えらた今、それらのどの作品をも凌ぐ圧巻の演技を見せてくれました。 その感動を噛み締めると同時に、それこそ劇中のアンソニー(本作では役名もアンソニーです)が言ったように、人が老いて、「枝から葉っぱが一枚一枚落ちて行く」ような儚さと向き合う絶望と恐怖に悶えています。 【恐怖の“認知症”体験】本作は認知症の実態と、それを支える家族の物語

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2021年上半期映画マイベスト10

2021年上半期映画マイベスト10

2021年上半期は、とにかく悲しかった。特にゴールデンウィークに緊急事態宣言が出され、映画館が閉鎖されてしまったのが精神的に本当にツラかった。 欲しているときに、映画を見られないということが、こんなにも苦痛だったなんて始めて知りました。 映画を鑑賞するだけのわたしが、こんなにストレスが溜まるのですから、映画館を運営している方々のご苦労を考えると……。 「行けるときに映画館に行く」という応援しかできませんが、せめてそれだけは続けていこうと思っています。 そんな状況下で鑑

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2021年上半期ベスト映画

2021年上半期ベスト映画

上半期終了時点での劇場での新作洋画の鑑賞本数は18本。 さすがに、社会人になって以降で最も劇場での年間の新作映画鑑賞本数が少なかった1995年(4月から9月は仕事がめちゃくちゃ忙しく、10月から12月は窓際族にされメンタルをやられていた)の22本は上回るとは思うが(ちなみにこの年は邦画はゼロ)、今年の年間の洋画鑑賞本数はかなりの低レベルになるのは間違いないと思う。 その理由は今年の最初の数ヵ月は間違いなく洋画の供給不足だった。 しかし、春に米国のNYやLAでの映画館の営業再

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【映画】2021年上半期ベスト!/生きづらい世界、人と自分は違う、家族のあり方ーこれだからこそ映画は素晴らしい

【映画】2021年上半期ベスト!/生きづらい世界、人と自分は違う、家族のあり方ーこれだからこそ映画は素晴らしい

2021年は相変わらずコロナの状況から抜け出せず、やれ緊急事態宣言、やれ東京オリンピックと、日本国民は鬱屈とした日々を過ごしています。 だけど私たちには映画があるじゃないか、と。 配信で気軽に観られる超大作もありますが、緊急事態宣言の煽りを受け苦しい映画館もやはり特別な空間。ホームシアターを作り上げているような人もいるでしょうが、劇場には劇場にしか出せない大迫力なスクリーン、世界観に没頭できるつくり、そしてパワフルな音響設備と日常とは違った体験をすることができます。 今

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