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追悼「シン・エヴァンゲリオン劇場版:呪」

*以下のリンク先を読んでおくと、呪いの効果が高まります。 アニメ「2021年のエヴァンゲリオン」雑文集(1/25~3/5)  旧劇のときにはこの世にいなかった人と席をならべて見て、終わったあとはいっしょに少し話をして、本作を目にすることのないまま、この世を去った人たちに思いをはせました。旧劇からのファンと新劇から入ったファンでは、シンエヴァの受け止め方はかなり違うだろうことは理解しています。なので、ファースト・インプレッションでの言い過ぎをまず少し修正しておきますね。

    • 雑文「Update of Romancing S…TARRAIL」(近況報告2024.11.7)

       ロマサガ2七英雄の逆襲、1周目をノーマルでクリア。プレイタイムは50時間ほどで、かなりガッツリと楽しませてもらった計算です。いにしえのスクエアにおなじみの、踏破に軽く数時間はかかる「ラストダンジョン」という名前のラストダンジョンを進軍しながら、「高速ナブラ」とか「乱れ雪月花」をはなっていると、未来への焦燥と自棄の放埒が同居していた学生時代のあの午後に、精神がタイムスリップするような感覚をいだきました。ほぼほぼ技と術は閃きつくしており、もはや作業としか呼べない最適化された行動

      • ゲーム「ロマンシング・サガ2:リベンジ・オブ・ザ・セブン」感想

         ロマンシング・サガ2:七英雄の逆襲をプレイ中。まず、近年の洋画につけられた悪いカタカナ邦題を逆輸入したサブタイトルに苦言を呈しておくと、"オブ"入りの場合は日本語の機序を無視するため、きわめてダサくなるという審美眼ぐらいは、養ってほしいところです(おそらくリベンジ・オブ・ザ・シスのパクりで、ウェイ・オブ・ウォーターに背中を押されたのでしょう)。崩壊スターレイルの「ピノコニー学園編」序盤を視聴し、ニンジャスレイヤーそのまんまな美少女忍者の言動にゲラゲラ笑ってから、非常にゆかい

        • 映画「室井慎次・敗れざる者」感想

           室井慎次・前編を映画館で見る。踊る大捜査線シリーズについての印象を言えば、非実在警察署の捜査現場で起こる小規模なできごとをコミカルに描く小品ーー大上段な「大捜査線」とのギャップを笑うーーだったものが、映画版の1と2が空前の超ヒットとなり、それまではフレーバーにすぎなかった「本庁と所轄の対立」「警察機構の腐敗の是正」という、フィクションでは解決しようのない問題へと本格的に着手せざるをえなくなり、2の撮影後にいかりや長介が亡くなってからは、3と4でキャラクターの成長とテーマの前

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          映画「ジョーカー2:フォリ・ア・ドゥ」感想

           ロッテントマトの見たこともないような低評価と、初日視聴組の自分語りと大喜利合戦がタイムラインに垂れ流れるのを横目に、ジョーカー2をIMAXで見てきました。どんなグズグズの映画未満がお出しされるのか、かなり警戒して身がまえていたのですが、実際のところは「脚本よし」「演技よし」「撮影よし」で、一定以上の水準を満たしたクオリティに仕上がっており、ひどく拍子抜けしました。ふりかえれば前作は、ホアキン・フェニックスの超絶的な一人芝居が、DCコミックスの大看板であるジョーカーを完全に凌

          映画「ジョーカー2:フォリ・ア・ドゥ」感想

          ゲーム「原神5章4幕・燃ゆる運命の虹光」感想

           原神の第5章を実装分まで読む。特に4幕について、画面内で起こっていることに1ミリも同調できず、これほど物語に入りこめなかったのは、ディシアの伝説任務ぶりかもしれません。その理由としては、受容のための心がまえができていなかったことが半分、ストーリー展開と演出のまずさが半分、といったところです。まず、今回の魔神任務をシロネンの伝説任務だとカン違いしてスタートしてしまったのが、ボタンのかけ違いのはじまりでした。と言いますのも、なぜか大型アップデートに必ず付随してきたフィールド部分

          ゲーム「原神5章4幕・燃ゆる運命の虹光」感想

          雑文「シン・ヤマト(仮)制作発表に寄せて」

           ごくごく一部のみなさんは知りたがるかもしれませんので、スタジオ・カラーが宇宙戦艦ヤマトの制作を発表した件にまつわる私的な感情について、イヤイヤお伝えさせていただきます。以前、「シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーときて、シン・ヤマト、御大が旅立つのを待ってからシン・ガンダムを作れば、昭和のオタクにとって完全なアガりですね」みたいなことを冗談みたいに書きましたが、これまでのところ、Qアンノの動きは忠実にこの予想をトレースしてきています。さっそく話はそれますが、シン・エヴァン

          雑文「シン・ヤマト(仮)制作発表に寄せて」

          映画「ボーはおそれている」感想

           「ボーはおそれている」をほんとうに、心の底からイヤイヤ見る。最近では、「2時間30分以上の映画には、監督のオナニー要素が必ず入りこむ」との確信を強めており、「3時間な上に、アリ・アスター」という事実だけで、相当に視聴する意気をくじかれます。しかしながら、ジョーカー以降「ホアキン・フェニックス主演の映画は必ず見る」という誓約をおのれに課しているため、陰鬱なるドカチンの日々から無理やり3時間を捻出して、まったく気のりのしないまま、シアタールームのソファにほとんど身体をしばりつけ

          映画「ボーはおそれている」感想

          ゲーム「FGO奏章III:アーキタイプ・インセプション」感想

           FGO奏章III:アーキタイプ・インセプションの後編を読了。ファンガスと制作陣のハワイ慰安旅行がルルハワへと化けたように、我々の課金をふんだんに使用したドバイへのお大尽ツアーが今回の水着イベントへと結晶したのだろう現実に微苦笑していたら、物語はいつのまにか奏章に変じたかと思えば、急激に加速しながらグングンと上昇してゆき、ついにはブルジュ・ハリファをはるかしのぐ高い位置にまで到達していました。エジソンやバーソロミューという、記号でしか内面を造形できない他ライターによるトップク

          ゲーム「FGO奏章III:アーキタイプ・インセプション」感想

          漫画「呪術廻戦」感想(27巻まで)

           連載終了が近いとの報を聞き、ようやく呪術廻戦に1巻から着手する。なんとなれば、遠くはグイン・サーガ、近くはベルセルクと、作者の死去による作品の中絶を幾度も経験してきたため、人生の残り時間を横目にしながら、「もう終わった物語しか読まない」との誓いを立てたからである。冒頭からさっそく話はそれますが、ブルーカラーへのナチュラルな差別意識を披露したゆえの炎上騒動を遅ればせに知り、中卒か高卒の両親を持つ昭和に生まれた人物は、「いい大学を出て、ホワイトカラーの高給取りになる」ことを、旧

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          映画「きみの色」感想

           あまり話題になっていない「きみの色」を劇場で見る。同監督の作品でパロディ小説を書いたことのある身にとって、これは一種の責務のようなものでした。簡潔にまとめると、「どうってことない青春の蹉跌を、流麗な美術とアニメーションで描く、どうってことない物語」で、話題になっていないのも納得の内容だと言えましょう。主人公である小太り平沢唯の「多幸性人格障害」を許容できるかどうかと、物語終盤における講堂でのライブにノレるかどうかが、本作への評価を大きく分けるように思いました。映画「リンダリ

          映画「きみの色」感想

          ゲーム「原神5章・ナタ編」感想(少しFGO)

           原神の第5章である「ナタ編」を実装部分までクリア。「戦争が恒常化した国家」とのふれこみから、ジューに対するナチの所業が、歴史の宿痾として残穢するミドルイーストの被虐殺国ーー不謹慎を承知で言えば、スターウォーズ4を持ちだすまでもなく、大衆向けフィクションは「反乱軍視点」を好むためーーが舞台になるだろうと予想していたのですが、フィールド音楽がライオンキングのテーマをモロにアレしている点からもわかるように、アフリカ・モチーフだったのには拍子抜けしました。キリンヤガの映像化を25年

          ゲーム「原神5章・ナタ編」感想(少しFGO)

          映画「ドント・ルック・アップ」感想

           ずっと気になっていた配信映画の「ドント・ルック・アップ」をネトフリでみる。まず目につくのは出演陣の異様な豪華さで、もしかするとオーシャンズ11とかエクスペンダブルズみたいなキャスティングの裏話があるのかもしれません。ディカプリオは言うにおよばず、出演作は必ず見ると決めているところの、ケイト・ブランシェットとメリル・ストリープが配役されているーー彼らの最高傑作は順に、「ブラッド・ダイヤモンド」「ロード・オブ・ザ・リングス」「クレイマー・バーサス・クレイマー」ーーことも視聴の決

          映画「ドント・ルック・アップ」感想

          ゲーム「黒神話:悟空」感想

           待望の「黒神話:悟空」を第2回(章に相当)の、おそらく中盤までプレイ。まず、ゲーム部分をサッと湯どおしするように腐しておくと、システムはゴッド・オブ・ウォーをベースにダークソウルを隠し味に加えて、そこから防御とパリィを引いたものとなっています。武器はもちろん如意棒の一択であり、ボス戦は敵の大技をローリング回避しながら、FF16ばりに少ないダメージをペチペチーー効果音がショボいので、本当にこの擬音がピッタリくるーーと地道に累積していく以外の方法がありません。比較的ダメージ量の

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          映画「ザリガニの鳴くところ」感想

           盆休みのヒマにあかせて、なにか高尚な文芸映画を見ようとネトフリをさまよううち、よりによって「ザリガニの鳴くところ」を再生してしまう。アダルトビデオやかつてのエロゲーは、しばしば「男性向けフィクション/ファンタジー」なるレッテルで揶揄されてきたものだが、それになぞらえて本作を端的に評するならば、いまはなきハーレクイン・ロマンスの正統なる忌み子であり、女性の欲望を極限にまで圧縮することでショッキング・ピンクの塊に結晶化させた、「薬屋のひとりごと」もマッツァオの、超絶的「女性向け

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          ドラマ「地面師たち」感想

           近しい人にすすめられて、見る気はなかった地面師たちを1話から流しはじめた。エルデンリング2周目のオトモにと考えていたのが、いつしかコントローラーから手は離れて、視線は画面に釘づけとなっていた。クライム・サスペンスとしては、ベター・コール・ソウル級のおもしろさである(言い過ぎ?)。じつは直前に、実写版のゴールデンカムイを流し見していたのだが、両者の違いについて少し考えこんでしまった。以前、事大主義な全共闘の闘士たちが人定作業の甘い映像会社や演劇業界にもぐりこみ、そこでフィクシ

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