【映画の感想】 ファーザー
アンソニー・ホプキンス主演の映画「ファーザー」
元は舞台作品らしいです。
この映画は、見る人の年齢や環境によって、受ける印象・感想が違ってくるだろうなと思う。
アンソニー・ホプキンス演じる認知症の父親が、とてもリアル。
リアルといっても映画ですから、身なりは小綺麗・暴力性は少なめの認知症ですが、
表情や言動が認知症のリアルを感じさせる。
そしてこの映画は、老人介護の苦労や父娘関係に焦点を当てた感動作ではなく、
アンソニーの（認知症の）意識世界を描いたもの。
故に曖昧な時系列？ 何が起きてるかわかりにくい部分もあるのですが、
それが怖さや痛みや切なさや孤独を感じさせ、
観た後は、どう表現していいのかわからない気持ちになります。
私たちは自分の老い方を選択できない。
誰しもがピンピンコロリを望み、
できるだけ健康な状態でいられるように努力しても、
どのような形の老いが自分にやってくるのかは、予想できない。
認知症になりたくないと思っても、防ぎようがないのも事実。
学習や運動習慣が発症リスクを減らすとしても、発症を避けることは難しい。
アンソニーのような未来が待っているのかもしれない。
それはどうしようもないことだけど、
どうしようもないからこそ、怖くなる。
私は１００歳を超えても現役鍼灸師でありたい。
難しいとわかっていても、そうありたいと切に思う。
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