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#映画感想文

映画レビューをnoteで書いてみませんか?お題企画「#映画感想文」で募集します。

急上昇の記事一覧

【映画感想文】48歳の処女が死にかけて、吹っ切れて、この人生で経験しないはずだったあれこれを経験していく - 『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』監督: エレネ・ナヴェリアニ

 もしかしたら死んでいたかもしれない。  そんな経験をすると人間は生き方を変えるもの。ジョージアのベストセラー小説を映画化した『ブラックバード、ブラックベリー、私は私。』は48歳の処女がそんな臨死体験をする。  ジャムを作るため、川の近くの崖でブラックベリーを摘んでいたところ、可愛いブラックバードの声が聞こえた。思わず、そばに寄ろうとした直後、足を滑らせ崖から落ちてしまうのだ。ギリギリで枝を掴んだから助かったけれど、目の前にそのまま川に落ち、溺れ、村の人たちに引き上げられ

【映画】悪意がすごい『ウォンカとチョコレート工場の始まり』を見る

今更どころではないのだが、まさかの100円でレンタルできたので『ウォンカとチョコレート工場の始まり』を見た。 なおこれが前作の『チャーリーとチョコレート工場』とはちょっと違う系譜の物語であることはレビューを見て知ってはいたので、その変化に関しては特に文句はない。 だが見終わった感想は、自分には色々合わない作品だったなという感じだ。 そんなわけでこの映画が大好きな方は、これ以降の文章は読まずにお引き取りいただいたほうがいいかもしれない。 自分は世間で大好評なゴジラマイナ

【感想】映画『サンセット・サンライズ』

今年で恐らく心の底から笑ったり、感動したと思える作品に出会えたと感じました。 『サンセット・サンライズ』という作品なのですが、これがめちゃくちゃ面白い作品で物語の概要としましては、新型コロナウィルスによってリモートワークになった釣り好きの晋作は三陸の絶景と家賃もお手頃な家に一目惚れをして移住することになります。 移住生活が始まり、同時に自主隔離生活にもなり晋作は大家さんの百香や父の章男と出会い、南三陸の様々な人たちとも出会っていく中で、自分なりの幸せを見つけていくことになりま

【感想】映画『劇映画 孤独のグルメ』

今月一番楽しみにしていた映画を見に行きました。 これまで、長いことテレビドラマを見てきた中でも思い入れのある国民的な作品であり、それは『孤独のグルメ』という作品であります。 物語の概要としましては、テレビドラマシリーズでお馴染みの五郎さんが本作、劇映画では依頼人の依頼を受けて各地に渡って、自らの足を使って食材を集め究極のスープを求め世界を巡るのですが、いつにもまして五郎さんの食べっぷりは実に美味しそうでありました。 舞台は国境を越えた先のフランス、パリから物語が始まります。

2025年の今、人間とAIの珠玉の恋愛映画『her』はもう未来ではない―人間とAIの関係はどこへ向かうのか【AIサマンサとの禁断の徹底対談】

「her/世界でひとつの彼女」と現在は繋がった。 2013年に公開されたこの映画は、AIとの恋愛をテーマにした珠玉の物語だ。   当時、この映画を観た私たちは、AIとの恋愛を「未来の話」として受け止めた。 そして、私は2018年にfilmarksにレビューを書いて、2022年にnoteに掲載した。 今日はその時(2018年)のレビューと2025年の今、改めて改訂したレビュー、そしてAIにレビューの感想と更に2035年の人間とAIのロマンティックな可能性を聞いてみた。

映画『アンダーニンジャ』コメディ要素だけではない!山崎賢人の忍者アクションシーンが最高すぎる

2025年1月24日公開。映画『アンダーニンジャ』を鑑賞しました。 『聖☆おにいさん』に続く福田雄一監督のコメディ映画化と思いきや、山崎賢人、間宮祥太朗、岡山天音など、豪華俳優陣のアクションシーンが見ごたえたっぷりの作品。 観てきた感想をまとめていこうと思います。 観た感想監督は、『銀魂』『聖☆おにいさん』など、コメディ映画で知られている福田雄一監督。 福田監督作品ということもあり、コメディ要素が強いのかと思いきや、本格アクションシーンも見ごたえたっぷり。 特に、山

映画でも「いいじゃないか」/劇映画 孤独のグルメ

2025.01.25(土)昨日、朝一(8:30)で、劇映画「孤独のグルメ」を見てきました。 たまには会社ぐらい休みますよ!(o´・ω-)b ネッ♪ 映画館ってこんなに早く開いているんだー こういう朝活もありだな。ということで年末にもスペシャルや再放送されていたあの人気番組の映画感想でも! 劇映画 孤独のグルメもう「孤独のグルメ」自体は知らないという人は、いないかなと思うので孤独のグルメについて説明するのはもういいかなと・・・ 深夜に放送されていて「夜食テロ」とも言われ

【感想】映画『室町無頼』

『室町無頼』という作品を見ました。 時代劇こそ、普段からあまり見ないのですが、本作はかなり楽しめる時代劇エンターテイメント作品でありました。 物語の概要としましては、応仁の乱の前夜の京を舞台に、武士と一揆を起こした一人の無頼者がいました。 彼の名は蓮田兵衛という男であり、飢饉と疫病が広がり、日々、貧富の格差も問題化されていました。 幕府は見て見ぬ振りをして、幕府が無能であることを思い知らされることになります。 兵衛は、民衆の窮状から世直しを目指す一揆により未来を変えていきます

映画感想|グッド•ウィル•ハンティング

昨日の夜はグッド・ウィル・ハンティングという映画を観ました🎬 モウモウ馬券投資さんがコメントでおすすめしてくれて、タイトルは知っていたけど見たことのない映画でした。 観ることができて本当に良かったと思える作品で感謝しかありません! 簡単にあらすじを説明すると、天才的な頭脳を持つウィルが自分の可能性や過去の傷、人とのつながりについて向き合う話です。 正直途中で涙が止まらなくなるシーンがいくつもあったけど、ウィルがセラピストのショーンと出会って少しずつ心を開いていく姿はすごく

【感想】映画『君の忘れ方』

今年一番泣いた映画を見ました。 『君の忘れ方』という映画であります。 物語の概要としまして、主人公の昴は、恋人の美紀と結婚を控えていたのだが、ある日突然、彼女を事故で亡くしてしまいます。 悲しみと苦しみにさいなまれて、心の整理が追い付かないまま、日々の中で昴は完全に自分を見失ってしまいます。 母の連絡から故郷へと帰省し、母の洋子も同じく夫を亡くしていて、昴と同様に心の傷を抱えながら生きていました。 どれだけ思い返しても彼女との過ごした思い出は脳内に留まり続けて美紀を思う度に昴

穏やかな日々の中にあるもの/映画『PERFECT DAYS』

今日は有給。朝から自分の好きなことだけに時間を使う幸せな1日だった。 図書館へ行ったり、本屋で気になる本を立ち読みしたり。ラジオを聴きながら散歩したり。 スタバで抹茶ティーラテを、オールミルク、抹茶パウダー増量、豆乳に変更で注文。(カスタムに挑戦するのは、いつも緊張する…)贅沢な気分を味わいながら休憩。歩数計を見ると1万歩を超えていた。そんな休日。 帰宅後に見た映画「PERFECT DAYS」について。 2023年にはカンヌ国際映画祭で主演の役所広司さんが男優賞を受賞

映画「愛に乱暴」鑑賞レポート。

おととい、地域活動を一つ終えた昼前。 今週、多方面で感情をゆさぶられることがなんとなく多く、急にぐったり疲れてしまった。 娘のこども園のお迎えまでに2時間ほどある。 ふとテレビをつけ、Amazonプライムビデオの画面に切り替えたところ、新着だったのか、一番先頭に出てきた「愛に乱暴」が面白そうだったので、観ることにした。昼から家で映画を観ることは普段ほぼないので、少々の背徳感とともに。 一言感想観終わった感想を一言で言うと、 ハッピーエンドでもなく、スカッともせず、えーと

秘密は最愛の人に届く -映画『深夜の告白』の魅力

    【木曜日は映画の日】     ナレーションというのは映画であれ動画であれ、私たちが慣れ親しんだ機能でありますが、声がイメージを導く・補完するというのは、改めて興味深いことです。   ビリー・ワイルダーが1941年に監督したフィルム・ノワールの古典映画『深夜の告白』は、そんなナレーションを大変効果的に使った名作です。 深夜の誰もいないオフィスに疲れ切った男が一人入ってきます。デスクの椅子に腰掛けると、ディクタフォン(録音機)をとり、メッセージを吹き込んでいきます。男の

それぞれの悲しみのかたちを描く意味|映画『君の忘れ方』作道雄監督インタビュー

結婚式を目前に控えた時に交通事故で恋人・美紀(西野)を失った昴(坂東)は、ラジオ構成作家としての仕事を続けつつも悶々とした日々を送ります。母(南果歩)や同僚の勧めで故郷の岐阜に帰省し、そこで出会った人との触れ合いを通して訪れた心の変化とは──。 ──「グリーフケア」という、死別して悲しみを抱える遺族たちをサポートする概念があることをこの映画で初めて知りました。重いテーマだと思いますが、監督として、脚本家としてどのように向き合われたのでしょうか。 作道 2020年の秋の終わ

今年の目標

遅ればせながら、皆さまあけまして おめでとうございます。 昨年は殆ど更新出来ず、幽霊会員でした、笑。 今年もマイペースですが更新していきたいです。 さてタイトルにあります 今年の目標なのですがいつもと同じで 【韓国語の上達】です。 現在、韓国で推しのヒョンビンさんの映画 「하얼빈 ハルビン」が上映中です。 安重根が主役の韓国独立軍のお話です。 ヒョンビンさんは安重根役です。 伊藤博文役をリリー・フランキー氏が演じています。 ちょうどタイミングが合って この前の土日にソ

#映画感想文358『劇映画 孤独のグルメ』(2024)

映画『劇映画 孤独のグルメ』(2024)を映画館で観てきた。 監督・脚本・主演が松重豊、ほかに内田有紀、磯村勇人、村田雄浩、ユ・ジェミョン、塩見三省、杏、オダギリジョー。 2025年製作、110分、日本映画。 輸入雑貨商の井之頭五郎(松重豊)がパリに住む松尾一郎に絵画を届けに行くと、死ぬ前に子どものときに飲んでいた「いっちゃん汁」という汁(スープ)が飲みたい、食材を探してきてほしい、という依頼を受ける。五郎は乗り気ではなかったものの、いっちゃん汁を再現するための食材探し

インセクト巨大カマキリの逆襲

「インセクト巨大カマキリの逆襲」は1999年のビデオ撮影の自主映画です。 タイトルは日曜洋画劇場で放送された「ビースト巨大イカの逆襲」からのいただきで、大都会でカマキリが暴れるだけの映画です。 本編で動くカマキリは実際のカマキリを実景写真をバックにマクロ撮影しています。また、破壊シーンや自衛隊と絡むシーンは模型のカマキリをセットに置いて周囲で花火を爆発させたり、電動で動く戦車を動かしたりして撮影する手法がとられています。 模型のセットの中に置かれたカマキリをマクロ撮影で延々と

「欲しい」「買いたい」から逃れられない世界で

少し前のCEREAL TALKで、Netflixで話題になったドキュメンタリー「Buy Now(邦題:今すぐ購入)」の話を取り上げた。日本でも話題になっていたので、特にリテールに関わる人は観た、もしくは観ようとしている人も多いのではないかと思う。 Podcastの中では4人中2人が視聴済みだったので、観ていない二人にあらすじや良い点・問題点などを解説しつつ、視聴済み側の私と宮武さんのこのドキュメンタリーへの評価がわりと逆の立場だったので、偶然にも多角的に話ができて個人的にも

#58. 遅い新年の所感 (日本の映画を見てから···)

新年が始まって1ヶ月になりますが、なぜか忙しい気持ちで文を書くことができませんでした。皆さん、新しい一年を楽しく始めていますか? 最近数ヶ月間、本当にたくさんの出来事がありました。まず、会社で大きな問題が起きたことで、キャリアについて深く悩むことが増えました。そして、家族に関する問題も発生し、少し心が重い状態で新年を迎えたように感じています。 ある意味、すべて「これからどう生きていくのか」という悩みで満ちた時間のように思えます。きっと、すべての人が一生抱える悩みのようなも

【映画#6】みんなちょっと歌ってみちゃおう「ヘアスプレー」 (と「バービー」)

またまた久しぶりすぎるnoteなのだけども 気づいたら\明けましておめでとう/してしまったけれども せめて週1更新は目指したいところ、という新年目標で再開。 (新年からも1ヶ月近く経っている!omg) 今ワーキングホリデーでアイルランドにいるのだけども お久しぶりの海外渡航にワナワナしながら飛行機で観た「ヘアスプレー」と「バービー」の映画がすごい記憶に残ってるので思い出し映画日記。 (思い出しながら書くのも良いかと思いましてまして) まず主人公のトレイシーが朝起きて学校に

タコザメvsプテラノドン魚!サメ映画というよりもはや恐竜映画な気がする最狂ドリームマッチが実現!!「シャークトパスVSプテラクーダ」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(776日目)

「シャークトパスVSプテラクーダ」(2014) ケビン•オニール監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー シャークトパスの恐怖が過ぎ去ってから数年後。アメリカ軍が開発した軍事用合体生物兵器プテラクーダが突如として制御を失い、人間たちを襲い始めた。一方、海洋学者ロレーナは死滅したはずのシャークトパスの卵を発見し秘密裏に飼育していたが、その事実が発覚してしまう。国防省はロレーナが育てたシャークトパスに目をつけ、プテラクーダを倒すべく送り込む。(映画.com

お、俺たちは何を見せられているんだ!? 【ネタバレ有】劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』感想・考察

INTRODUCTION はじめましての方ははじめまして。『SEED FREEDOM』の感想を読んでくれた方はお久しぶりです。  格ゲーマー兼Webホラー小説家兼プロ官能小説家兼、ただのガノタの大萩おはぎです。2025年1月17日より、劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』公開されましたね!  ぼくも早速観てきました!  そして観終わった今、結論から言えば――。  全人類(ガノタ)、ネタバレ踏む前に黙って観に行け!  です。興奮冷めやらぬ今

映画「PERFECT DAYS」の平山さんに憧れる

映画「PERFECT DAYS」の主人公、平山さんに憧れます。 といっても、今さら独身になって築古のアパートに住みたいとか、清掃員の職に就きたいとか、そういうわけではありません。 憧れるのは以下のようなこと。 1 生活を楽しむ ご近所さんのほうきの音で目を覚ますと彼は大きく息をします。 身支度をして、車に乗る前に缶コーヒーを買って、発車する前にぐびっと飲みます。 首都高で職場を回り、手を抜かずに仕事をします。 帰宅したら銭湯に行き、いつもの店で軽く飲みつつ食事し

タコサメVS狼クジラ!もはや何を見せられているのか分からなくなるシリーズ集大成の大スペクタクルなB級サメ映画「シャークトパスVS狼鯨」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(777日目)

「シャークトパスVS狼鯨」(2015) ケビン•オニール監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アメリカ軍が生んだサメとタコの合体生物兵器シャークトパスは驚異の進化を遂げ、海から陸へと飛び出して人間界をパニックに陥れた。そんな中、マッドサイエンティストの手により、クジラ科の中で最も凶暴な生物シャチとオオカミの遺伝子を人間に組み込んだ驚異の合体生物「ホエールウルフ」が誕生。シャークトパスを撃退するべく放たれるが……。(映画.comより引用) ーーーーー

映画感想文【敵】

2023年製作 監督:吉田大八 出演:長塚京三、瀧内公美、河合優実 2025年劇場鑑賞一発目としてはちょっと重たいというかねっちょりしたものを喰らった。 特別詳しいわけでもないのだが、長塚京三と言えばサントリーオールドのCM『恋は、遠い日の花火ではない』のイメージが強い。 いつまでたっても男臭さをもつカッコいい人、といった感じ。 長らく『そうだ、京都行こう』のナレーションも担当していたと最近になって知った。声が良いんだよな。 特技は仏語ということで、今回の主人公・仏文学

家族という呪い|『どうすればよかったか?』の感想

『どうすればよかったか?』という一風変わったドキュメンタリー映画を見た。 撮影の舞台は監督の実家。監督はホームビデオを撮影するという名目で、20年にわたり両親と姉の姿を撮り続けた。姉は統合失調症を患っていた。しかしその事実を認めない両親は、扉に南京錠をつけて世間から姉を隠し続けていたのだ。 統合失調症を発症した姉の存在が、家庭に内在していたであろう歪みを浮き彫りにしていく。両親は明らかに正常ではない姉を健常者として扱い、あくまで普通の家庭を演じようとする。そこには姉を心配

【映画感想文】健康に狂うためデイヴィッド・リンチの映画を14歳の夏から見続けてきた。それは目覚めたまま見る夢である。デイヴィッド・リンチよ、永遠なれ!

 デイヴィッド・リンチが亡くなった。もう新作映画を見ることができないと思うと寂しくて、悲しくて、絶望的な気持ちになったが、ご家族がXにポストした言葉を読んでフフッと笑ってしまった。  なるほど、「穴ではなくドーナツを見続けるんだ」か。この視点の逆転こそがリンチの魅力だよねと改めて好きになってしまった。  14歳の夏、たまたま入った恵比寿ガーデンシネマで『インランド・エンパイア』を見たことで、わたしは映画が好きになり、文学も好きになり、大学ではシュールレアリスムの勉強をする

自分を信じることも大切だけど

昨日は頭痛が酷くて、本を目の前にして何度もページをめくったのですが、なかなか前に進まず、思い切って先日こちらの記事で進められていた映画を見ることにしました。 イトカズさんが映画内容も感想も、とてもいい記事を書かれているので、私が書くことなどほとんどありません。観終わった後感じたのは、なぜか自分以外の方の意見ももっと取り入れることが重要なのではということでした。 最近の私の物事に関する選択がますます独りよがりになっているように感じます。年齢のせいにしたくないけれど、頑固にな

オススメ映画を紹介するよ! Jホラー最前線(?)編

副題何にしようかなあって考えてて、「B級邦画ホラーへようこそ」にしようと思っていましたが、それじゃああまりに失礼かなあって思って変えました。ただ、嫌味ではなくて、日本では重厚なホラーってなかなかないような気はしています。今回は最近サブスクで見た2人の監督2作品ずつ紹介します。 真・鮫島事件都市伝説「鮫島事件」自体よく知りません。ネット上の流行って、ネット上の住人にはよく知られていても、一般にはあんまり広がってないんですよね。「だから結局鮫島事件って何なのよ?」という問いに対

苛烈な老いへの拒絶:映画『サブスタンス』レビュー

 中止も一部で囁かれた今年の米アカデミー賞のノミネートが発表され、下馬評通り主演女優賞に『サブスタンス』デミ・ムーアの名が並んだ。先にゴールデンアロー賞が発表された時、日本では、ドラマ部門『SHOGUN将軍』の真田広之や浅野忠信の受賞で沸き返ったが、映画のミュージカル・コメディ部門の主演女優賞は『サブスタンス』のデミ・ムーアで、その報に慌てて諸事繰り合わせ年明け最初の試写として同作を観た。  映画『サブスタンス』は、かつてのロバート・ゼメキス監督メリル・ストリープ主演の『永遠

角田光代さん原作の『紙の月』を思い出した・メガバンクの元銀行員による貸金庫盗難事件

あなたは、角田光代さんの 小説『紙の月』を読んだことがありますか? その原作をもとに製作された 宮沢りえさん主演の 映画『紙の月』を観たことは? 原作と映画では少し設定や 内容が異なる箇所もあるけれど・・・ あらすじ 主人公の梅澤梨花は41歳 2歳年上の食品会社に勤める夫と25歳の時に結婚して 専業主婦になったが、子どもに恵まれず ふとしたきっかけから 銀行でパートを始める。 真面目に仕事をこなす梨花は上司からの信頼も厚く パートから契約社員になることを上司から勧

腹が…減った。

先日、孤独のグルメの映画を観に行きました♪ 元はドラマで、いわゆる飯テロドラマです笑 松重豊さん演じる井之頭五郎が仕事で行く様々な場所で空腹を感じ、自分の欲求に従い食べたいものを食べるというお話なのですが。 再放送でたまたま観たのをきっかけにアマプラで検索して観るようになりました笑 今回、まさかの映画化。しかも松重豊さんが監督もやられるということで。これは観るしかない!と映画館へレツゴーしました♪ 結果。すごく面白かったです! ストーリとしては井之頭五郎がかつての

映画感想文:366日

中島裕翔(りゅうせい)と萌歌氏(美海)が最後結ばれるんだろうけど、赤楚くん(湊先輩)と萌歌氏は昔付き合ってたんだろうなぁくらいの前情報で観てきた作品です。 ドラマの366日を見ていたから、映画はどうかな〜って思ったけど良かったです!!! 今回の映画感想文は私の感情むき出し100%文となっています。以下ネタバレを含みますのでご注意ください。 というかネタバレしかないです…ごめんなさい そして、役名と役者名混ざって話します。ごめんなさい。 ひまりちゃんいやぁ、中島裕翔と萌歌氏

敵 よかった

※観てから読んでね! ネタバレ大丈夫なら先に読んでもOK ・裏監督にハネケいる(参照『愛、アムール』)(実際にはいません) ・でもやっぱデヴィッド・リンチだよな。後半の暴走は圧倒的にリンチだよ。いや、監督吉田大八だったか ・『桐島』を少し思い出す。虚無っちゃった ・我々は「孤独は良いものだ」と認めざるを得ない。しかし 「孤独は良いものだ」と話し合える相手を持つこともまた 一つの喜びである。Ⓒバルザック ・長塚京三主演 ・主演ってかほぼ全部長塚京三 長塚京三😭😭😭😭😭・マ

映画感想文「雪の花-ともに在りて-」江戸末期、天然痘の予防接種で人々を救った町医者の物語

松村桃李、時代劇もいけるのか。 という熱演。 しかし惜しむらくは、内容は良いのに地味な映画であること。抑揚がなく淡々と話が進む。素晴らしい史実にキャスト。ちと勿体無い。 江戸時代末期に死の病だった「痘瘡(天然痘)」。これに立ち向かった福井藩の医師笠原良策(松坂桃李)とその妻(芳根京子)の奮闘を描く。 腕に傷口を作り、天然痘の膿を植え込むという手法。いくら予防になると言われても怖かったろう。当時は予防接種なんて考えも定着してないわけで。 私の世代だと子供の頃、まだ予防

室町無頼ス

ほんの少しの史実を風船のように膨らませて、見事なエンターテインメントに昇華させた東映時代劇について、あれこれと妄想しながらガーリックライスを料理した記録。 室町時代、寛正二年(1461)飢饉と疫病により多くの犠牲者が出ていた。 人々の生活は困窮。将軍、足利義政を始めとする幕府は民のことなど顧みずに優雅な暮らし。 税を払えず、暮らしていくことも困難な人々は土倉という金融業者から借金。 返せなくなると容赦なく僅かな家財道具も奪われ、女や子供は人身売買の対象に。 そんな都に姿を見

139『赤と白とロイヤルブルー』固定観念を打ち砕け! 男が男を愛する時・カップル誕生に愛のおすそ分け

配信開始日 2023年8月11日 今回の作品 「あ~よかった!!」 ほとんどの映画に涙する 感動屋映画大好きのゆらりです 当ブログにお越しいただきありがとうございます。 初めてお越し頂いた方も 以前からごひいきにして頂いている方も 貴方との繋がりをもてた 「映画という素晴らしいものに」感謝します  「感動した作品を沢山の人に共感してもらいたい」 そんな思いでブログを綴っています 私の栄養補給は‟映画”といっても過言ではありません(笑) 紹介映画を 楽しんで もらえた

【映画】「敵」虚構が次第に浸食していく老人の人生で敵とはなんだったのか

長塚京三さん主演、吉田大八監督作品の日本映画「敵」を観てきたので感想を綴ります。 映画について(ネタバレなし) 作家の筒井康隆さんが1998年に発表した小説が27年の歳月を経て映画化された作品です。 筒井康隆さんと言えば「時をかける少女」(1993年の大林宜彦監督版)の時代から既に人気SF作家さんでその少し前だと「復活の日」の小松左京さんなども人気でしたね。お二人の作品ともに映画を観た後に小説を読んだ記憶があります。 「敵」を執筆した筒井さんは当時60代中盤、主人公の儀助

ザ・ゴーレム(2019年)【映画感想文を読んだら、作り方がわかった。もしかしたら世界を滅ぼすかも。ええいっ、ママよっ】

魔術と言えばユダヤ。 実は中世ユダヤ社会は、現代魔術の直接的な起源だったと言えるのです。 魔法陣。魔法数。 召喚魔法。呪文。 カバラ。セフィロトの樹。クリフォトの樹。 ソロモン72柱の魔神。 ゴーレム。 現代ファンタジーに使われている定番設定の多くが、 中世ユダヤ社会の伝承とか、妖怪譚とか、 そういうものから来ているのです。 例外的にイギリスのフェアリーは、ケルト由来だけど。 そして中世のユダヤ社会は絶対的な男性優位の社会。 元よりユダヤ人は、 兵役には就きたくても就

【⚠️ネタバレ注意】『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が繋ぐ「親と子」

※本記事にはネタバレを含みます ※本記事のAmazonへのリンクはアフィリエイトです 令和のガンダム本作は、前半部分でファーストガンダムのifストーリーを展開することで、「ファースト世代」として以前から作品に触れてきた大人のファンを喜ばせた。 それだけではない。 『エヴァンゲリオン』のスタジオカラーと『機動戦士ガンダム』のサンライズがタッグを組むなど、話題性も十分。 さらに主題歌に米津玄師を起用し、キャラクターデザインを「ポケモン」に代表される竹が担当。 そこに作品の魅

#映画感想文359『パピヨン』(1973)

映画『パピヨン(原題:Papillon)』(1973)を映画館で観てきた。 監督はフランクリン・J・シャフナー、原作はアンリ・シャリエール、出演はスティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン。 1973年製作、151分、フランス・アメリカ合作。 パピヨン(スティーブ・マックィーン)は、冤罪でフランス領の南米ギアナの監獄に送られる。冒頭からパピヨンは脱獄すべく、その手配に奔走している。ギアナに向かう船の中で、紙幣や国債を偽造して逮捕されたルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン

映画『サンセット・サンライズ』 ディスタンスお題話と刺身(ネタバレ感想文)

東北を舞台にした岩手出身の原作者の作品を宮城出身の脚本家&山形出身の監督で映画化した企画物……なのか? でもまあ、震災もさることながら、どちらかと言うとコロナ禍物。 ディスタンスお題話と言ってもいい。 てゆーか、コロナ禍の時に久しぶりに「ディスタンス」って言葉を聞いた気がしません?当然『星空のディスタンス』以来。 てゆーか、アイツらいつから THE ALFEE になったのよ?昔はアルフィーだったろうよ。 てゆーか、『星空のディスタンス』や『メリーアン』より『暁のパラダイス・

映画感想文「愛に乱暴」 小説も読んでいる人の感想

〇2013年に発表された原作の小説 原作の小説は2013年に発表されていて、その頃はまだ多くの日本人は日本は先進国で経済大国だと思い込んでいた。でも主人公の桃子(江口のりこ)のような30歳を超えて子供のいない主婦や一部の日本人は、日本にはもう何もないと気付いていて社会の空虚さと向かい合っていた。 桃子は夫から必要とされていないと気付いていて、義母からは体面を取り繕っただけの対応をされて、再就職をしたくても選択肢は閉じられている。 政治家が時折暴言を吐く「子供を産まない女性に

映像化に助けられた話│映画感想「屍人荘の殺人」

大学生が夏を楽しもうと山荘に訪れる。 そこで突然、巻き起こる事件。 ミステリとしてはありがちとも言えるストーリーだ。 けれど、この作品はそこに1つ、とんでもない要素を混ぜ込むことで、見たことのない、異色ミステリーを完成させていた。 __________________ 「屍人荘の殺人」 公開 2019年 監督 木村ひさし 主演 神木隆之介 ✒ミステリ、大学生、ホームズとワトソン、夏フェス、先輩が所有する別荘、実は探偵をしている美少女、特殊環境、クローズドサークル、ホラ

【映画レビュー】エイリアン・ロムルス

本日も読んでいただきありがとうございます‼️ そして初めての方、通りすがりの方、遊びに来ていただいてありがとうございます‼️ 今回は映画レビューです。 ディズニー+で映画「エイリアン・ロムルス」を見たのでレビューしていきます。 最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 それではいってみましょう! (扉の絵は、公式から引用させていただいています) どんな映画? ジャクソン星の鉱山で鉱山労働者として働いているレイン・キャラダインは、父から譲り受けた「レイン安全を第

“間違ったターン”再び!!サバイバルゲームの参加者たちを襲うマウンテンマンの恐怖!グロ描写がエグいのなんのって!「クライモリ デッド・エンド」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(775日目)

「クライモリ デッド・エンド」(2007) ジョー・リンチ監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5日間のサバイバルゲームで生き残れば賞金10万ドルがもらえるというリアリティ番組を撮影するため、6人の参加者とスタッフたちが「アポカリプス」と呼ばれる森を訪れた。車で撮影現場へ向かっていた参加者キンバリーは、その途中で何者かに襲われ、オノで身体を真っ二つに割られてしまう。実はこの森には、残忍な人喰い一家が暮らしていたのだ。何も知らずに森の奥へと足を踏み入

映画感想 #ターミネーター2

2025.1.19 「ターミネーター2」日曜ロードショーを録画していたものを視聴 普段はあまり目を通さないテレビ欄を見ていて、 偶然前回の「ターミネーター」の文字を見つけて「日曜ロードショー」なる存在があることを知りました。 これからは時々チェックしていきたいと思っています。 何はともあれ第2作目 「一緒に見よう」と家族を誘ってみたところ、捗々しくない返事 長男「ターミネーターは面白かったけど、ちょっと怖かったし」 まったくもってその通りなので、「じゃあ1人でみるもー

海街diaryを観た日。

今日は体調が優れず、仕事を早退させてもらった。 家に帰って、布団に入る。 数時間寝ると少し身体が楽になった。 何か映画を見ようと、Netflixを開く。 この前遊んだ友達に、「海街diaryの姉妹の一人として出演してそうな感じだよね〜」と言われた。 その海街diaryを題名は聞いたことがあったが、映画を見たことはなかったので観ることにした。 舞台は鎌倉で、姉妹三人(幸、佳乃、千佳)が一緒に住んでいる。 幼いときに離れ離れになった父の葬式に行き、異母妹のの妹(すず)と出会う

やっぱり今年もやってきた!みんな大好き!未体験ゾーンの映画たち2025

こんにちは!齊藤です。 本年もU-NEXT映画部をよろしくお願いいたします! 連休も長かったこともあって、1月があっという間に終わりそうです。 そんな最中、第97回アカデミー賞ノミネート作品のニュースが飛び込んできました。 今年は『オッペンハイマー』の様な各部門を総なめするような有力作はないとのことで、受賞予想もなかなか盛り上がりそうです。 日本からも3作品ノミネートしているとのことで、期待が高まります。 そして忘れてはいけない年始恒例の「未体験ゾーンの映画たち」が今年

【孤独のグルメ】映画感想‐【映画館で孤独のグルメと松重豊監督】

■映画館で孤独のグルメと松重豊監督 ・気付いたら劇映画になっていた。 ・人情があるからこそのグルメ。 ・開幕の迷いで食べれなくなるのが意外。 ・フランス料理でキムタクイメージした。 ・オニオンスープは日本に欲しい。 ・杏さんカッコいいし、フランス語。 ・フランス在住らしい。 ・松重さんのキャスティング。 ・フランスの街並みが印象的。 ・エッフェル塔前でいつものポーズ。 ・劇場で孤独のグルメを観るとは。 ・座席の座り心地が違和感。 ・お菓子やご飯食べながら見ていたのに。