進吾

普段映画やドラマの感想を書くのですが、セクシー田中さんについては両社報告書を読んで感想…

進吾

普段映画やドラマの感想を書くのですが、セクシー田中さんについては両社報告書を読んで感想が長大になったので、ここに記すことにしました。 https://bsky.app/profile/kino-singo.bsky.social

最近の記事

天国の読者に動かされる創造の筆―ルックバック再読―

途中、ページをめくる手が止まり、代わりに心が動きだす。そういう名作は沢山ありますが、漫画ルックバックもその一つ。映画も好調ですね。 現実の悲劇(京アニ事件)を否応なく想起させるため、俯瞰で見て「悲劇で金儲け」と嫌悪する人もいるでしょう。この種の嫌悪感は私は映画「すずめの戸締まり」で感じました。ただ本作漫画は少し違いました。これは前者で「地震」がファンタジーエンタメとして描かれるのと、後者で「絵描き」が人生の苦難として描かれるのとが、大きく違うからだと思います。この点、本作が

    • 古市さんは「定義」と言いたいだけですか?~二つの石丸構文に挟まれて~

      私のnote 通り、石丸氏は「定義」を数学的に考えていると分かる記事が出ましたね。 ・7/18記事引用:『「定義」は石丸構文のキーワード。「これは数学的な考え方」から来ると自己分析する。「大学で経済学を学んでそうなった」』7/18 スポニチ記事:菊池一氏・小田切葉月氏 ・7/11私のnote引用:『相違点の明示なら回答可能ですが、相違点の定義は、精密な傾聴や数学的思考をする人ほど考え込んでしまうはず。』 7/11 石丸構文BLT受注編(石丸氏擁護側) 文系と思われがちな経

      • 石丸構文BLT受注編(石丸氏擁護側)

        石丸構文の大喜利をご本人が歓迎との事で安心して、私の石丸構文BLT受注編をUPできます。 あらすじ(読み飛ばし可能):前提として、石丸氏の中で「自分は政治家で『政治屋』ではない」のが自明な一方、テレビ側は市政→都政→国政など舞台を変えまくって『理想的政治家』たりうるか疑問視している。さらに背景として、石丸氏はメディアの稚拙さを糾弾してた一方、たぶんテレビコメンテーターは「池上さんみたいに」鋭い質問を求められてた。前提と背景で対立する両者が見事にすれ違う。そこに「石丸さんサブ

        • カカチャンネルで気になる2点「セクシー田中さん報告書を読もう」

          7/6にYoutube のカカチャンネル(37.9万登録)が両報告書を読んだ上での解説をしていました。しかし、この解説では2点が気になりました。 まずひとつ目として、X投稿後からX投稿削除までが動画では不正確で、正確には以下となります。 ・0:X投稿され、炎上 ・1:原作者が投稿削除を担当編集と相談 ・2:担当編集が投稿削除を出版社に報告 ・3:出版社が削除を制止するよう担当編集に「強く指示」 ・4:出版社が原作者と音信普通 ・5:原作者が独断でX投稿削除 https:/

        天国の読者に動かされる創造の筆―ルックバック再読―

        • 古市さんは「定義」と言いたいだけですか?~二つの石丸構文に挟まれて~

        • 石丸構文BLT受注編(石丸氏擁護側)

        • カカチャンネルで気になる2点「セクシー田中さん報告書を読もう」

          日テレ不十分 再調査を 里中満智子先生の最新コメント

          里中満智子先生の最新コメントが新聞に出ました。 ・里中先生「調査はまだ途中だと感じている(中略)さらなる調査報告を待ちたい」(2024年6月23日東京新聞) このご意見は賛成です。ただ「第三者報告書が必要」と思います。 里中先生は「日本漫画協会理事長」なので、有識者としてコメント(日テレ報告書別紙5)されていました。今回の東京新聞記事でTV局Pの嘘に「言語道断」と驚かれていたので、有識者コメントの時は事実関係を全く知らなかったようですね。こういう時系列が不記載なのも、報

          日テレ不十分 再調査を 里中満智子先生の最新コメント

          故人の内面さえ改変されてない? セクシー田中さん「完成したドラマを愛していた」

          以下の記事は驚きました。 Yahoo!ニュースにも転載されています。以下に引用します。 ・記事「原作者は完成したドラマを愛していた」←私「えっ、そうなんですか!」 驚いて調べましたが、そんな報告無い! ・原作者2023年9月11日メッセージ〈修正について〉:「脚本で 100 点を目指すのはもう無理だと思うので、演技や演出力で、なんとか 80~90 点に、引き上げて欲しい。ベストは無理だと判断したので、限りなく全力でベターを目指して欲しい。」(小学館報告書p.35) ・

          故人の内面さえ改変されてない? セクシー田中さん「完成したドラマを愛していた」

          これって『バーン・アウト防火術』ですか?セクシー田中さん事件を受けた「これで怖がっちゃいけない」について

          日テレ報告書別紙3p.9には「在京各社元プロデューサー5名」の非常識コメントが掲載されています。報告書では「●制作体制、制作期間について」や「●ドラマ関係者のSNSについて」など項目別にコメント掲載され、ここ(p.9)は「●今回のことを受けて」という項目なので、つまり「今回の原作者自殺」を受けてとも読めるし、批判的な読者はそう読んで当然です。以下に引用します。 ・(●今回のことを受けて)「これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない・・・」 ・(●今回のことを

          これって『バーン・アウト防火術』ですか?セクシー田中さん事件を受けた「これで怖がっちゃいけない」について

          まとめ 哀悼の意 (6/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。組織を罰する事で全ての命を平等に守り、企業利益より作品文化を尊ぶ第三者の客観報告が必要だと述べました。自己改善はネットにも必要だと述べました。 最初の問いを振り返ります。 ・問1:原作者最後の言葉の意味は?〜最後の言葉「攻撃したかったわけではなくて。ごめんなさい」をどう受け止める?〜 ・問2:原作者最後の瞬間は?〜他者に優しく寄り添える作者なのに、なぜ自死を選んだか?〜 ・問3:原作未完への悲憤を、

          まとめ 哀悼の意 (6/6)セクシー田中さん問題

          先生の「作品」に寄り添う (5/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。ここまで第三者報告が必要と述べました。最後に、日本社会に著作人格権の保護意識が必要だと思います。 私は、原作漫画は「セクシー」という単語を再定義し未来に残し得たと思います(例えば単語「団塊の世代」が残るようにです)。命の喪失が親族を傷つけるように、創作物の喪失は文化を傷つける。将来の文化を守るのは人類の利益のためです。人類利益のためにこそ、その根源にある個人の創作意欲が大切で、しかしそれは傷つきやすく

          先生の「作品」に寄り添う (5/6)セクシー田中さん問題

          もう一つの「ごめんなさい」 (4/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。最後の言葉「ごめんなさい」を受けた、両社の「こちらこそごめんなさい」の一言が必要だと、前回述べました。 最後の言葉の投稿(1/28)と同時に削除した原作者投稿(1/26)でも、明確に謝罪しています。これは原作者自身が書いたドラマオリジナル展開(9話、10話)についてです。 ・「9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずに

          もう一つの「ごめんなさい」 (4/6)セクシー田中さん問題

          「ごめんなさい」という自責の念 (3/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。最後の言葉は「攻撃したかったわけではなくて。ごめんなさい」でした。この最後の瞬間でも諦めぬ第三者報告が必要で、「削除後生存ルート」はネットの自己改善にあると、前回述べました。 今回は「ごめんなさい」が、何を謝罪しているのか、情報の少ない報告書から推測したいと思います。結論は、「孤独な造反」の落とし穴にあります。 まず「孤独」と「造反」の2つに分けて説明します。 原作者は、自身の意向(=投稿削除)に

          「ごめんなさい」という自責の念 (3/6)セクシー田中さん問題

          攻撃したかったわけではなく、何をしたかったのか?(2/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。最後の瞬間でも諦めぬ第三者報告が必要と前回述べました。 ここでは原作者に寄り添って、最後の言葉の省略文を考えたいと思います。攻撃したかったわけではなく、何をしたかったのか? まず「攻撃」という言葉を考えます。発端は、12月末の脚本家投稿で、「ドラマ制作の在り方、脚本家の存在意義について深く考えされられた」「この苦い経験」(TV局報告書p.38)との内容について、出版社報告書(p.51)は「原作者の我

          攻撃したかったわけではなく、何をしたかったのか?(2/6)セクシー田中さん問題

          新事実に驚いた報告書 (1/6)セクシー田中さん問題

          「人の命」と「続作の完成」が永遠に失われる事になったセクシー田中さん事件。両企業(TV局,出版社)の報告書を読みました。新事実開示は良いですが、結局「保身」しかない。特に個人事業主(脚本家・原作者)を守る気はない。守るのは、自社組織>自社の社員>取引先(他社と個人事業主)>>他者社員と他社が取引する個人事業主でした。結論として、組織を罰する事で全ての命を平等に守り、企業利益より作品文化を尊ぶ第三者の客観報告が必要だと思います。 いろいろ疑問だったこの事件ですが、新事実開示で

          新事実に驚いた報告書 (1/6)セクシー田中さん問題

          参考文献まとめ (0/6)セクシー田中さん問題

          以下の6記事が本文となります。 ・新事実に驚いた報告書 (1/6)セクシー田中さん問題 ・攻撃したかったわけではなく、何をしたかったのか?(2/6)セクシー田中さん問題 ・「ごめんなさい」という自責の念 (3/6)セクシー田中さん問題 ・もう一つの「ごめんなさい」 (4/6)セクシー田中さん問題 ・先生の「作品」に寄り添う (5/6)セクシー田中さん問題 ・まとめ 哀悼の意 (6/6)セクシー田中さん問題 上記の本文中では、原作者・脚本家・TV局報告書・出版社報告書と一般化

          参考文献まとめ (0/6)セクシー田中さん問題