山鹿 たつ

会社を辞めて個人投資家をやっています。長野県の田舎に住んでいます。おもに読書の感想を書…

山鹿 たつ

会社を辞めて個人投資家をやっています。長野県の田舎に住んでいます。おもに読書の感想を書いています。読書の範囲は哲学が多いです。考えることが好きで、いつも考えていることを書けたらいいと思っています。

最近の記事

旅行感想文 伊良湖岬に行ってきたよ

 4月11日に伊良湖岬まで旅行に行ってきました。地元は桜が満開で朝寒いくらいの出発でした。出発すると南下して、飯田を抜け、県境の根羽村を抜け、静岡県に入っていきます。googleのナビゲーションを使いながら軽自動車は軽快に山と山の間の川沿いを走っていきます。道路は途中一車線になるところもありますが、比較的にいい道です。 途中に腹がすくと、朝作ったサンドイッチを助手席でほうばりながら進んでいきました。途中でのどが渇いてはコンビニで飲み物を調達しながら走ります。google先生

    • 脆弱性について 人間て弱いなとつくづく思う。そこから出発したいとも思う。

      脆弱性について書いてみたいと思う。脆弱性って難しそうな言葉だ。言葉を変えれば弱さということのような気がする。でも少し違う気もする。僕が考える脆弱性と言って浮かぶのは、弱さ、愚かさ、知らなさ、言葉にならなさ、傷つきやすさ、忘却力のなさ、依存しやすさ、そんなことだ。 忘却力というのは忘れる力のこと。知らなさと矛盾するようだけど、忘れられるというのは大きな力だ。例えば、仕事で失敗したとき怒られてしまう。いつまでも引きずらずに、気を取り直してまた頑張ろうと思える、そんな力だ。 依

      • 仕事のコツ とりあえずやってみる

         仕事のコツについて書いてみる。私は会社で働いているわけではない。でも毎日のルーチンとしていることはある。例えば朝のニュースのチェックとか、株価のチャートを見るとかはある。ただ毎日やっていくだけ。その中から見えてくるものがある。コツと呼べるものはなく、あるとすれば毎日続けることだけ。 先日近所を集金して回る必要があった。期限があって26軒の家を回って集金しなければならなかった。なかなか大変だった。最終的には1軒どうしても集金できずに、25軒集金して終わらせた。こういうことは

        • 映画感想文 「ノクターナル・アニマルズ」をみて

          映画「ノクターナル・アニマルズ」を見たので感想を書きたい。概要をwikiから引用する。 スーザンはアートギャラリーのオーナー。夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会

        旅行感想文 伊良湖岬に行ってきたよ

          映画感想文 「籠の中の乙女」 を見て

          映画「籠の中の乙女」のを見たので感想を書きたい。紹介文を並べて概略を示すと ギリシャの郊外にある裕福な家庭。一見普通にみえるこの家には秘密があった。両親が子どもたちを外の世界の汚らわしい影響から守るために、ずっと家の中だけで育ててきたのだ。 以上のようになる。男一人と女二人の兄弟が家の中で育っているという設定だ。子供といっても、たぶん20歳以上で大人といえる。小さい子供をイメージすると裏切られる。演技は抑制的でセリフ棒読みのようにも感じられる。そういう演出は、私は好きなの

          映画感想文 「籠の中の乙女」 を見て

          映画感想文 バブル について 虚構の中の重力

           映画の「バブル」について書いてみたい。バブルは近未来の話で水没した東京が舞台になっている。水没した東京で若者がパルクールを使った競技をして暮らしている。パルクールでは走る・跳ぶ・登るといった動作をもとに、様々な体の動かし方をする。高所から飛び降りたり、のぼっていったりする。身体とはこんなこともできるのかと驚かされる。 この映画ではパルクールをメインにし、映像表現がされる。見ていると目が回るような映像の連続だ。思わず見ている側の体も動いていしまう。アクション映画は語ることが

          映画感想文 バブル について 虚構の中の重力

          映画感想文 「TAR」 を見て

          浅い眠りから目を覚ました。隣でシャロンが睡眠薬を飲んで寝ている。なにか音がする。不快だ。音とはコントロールされて意味を持つ、コントロールのされない音など不快に過ぎない。この前はメトロノームが動いていた。カチカチとリズムを刻む音が耳障りだった。今度はジーという低い音が、ずっと聞こえる。耳鳴りのようでもある。私はシャロンを起こさないように静かにベットから起き上がると、音のする方に、電気もつけずに歩いていく。音がするのは台所のようだった。暗い中を気をつけなが歩いていく。冷蔵庫の前に

          映画感想文 「TAR」 を見て

          映画感想文 冬の旅 をみて

          映画「冬の旅」を見た。監督アニエス・ヴァルダの作品。1985年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞を受賞している。フランスではかなりヒットしたようだ。地味な作品であり、これが今の日本でヒットするとは考えづらい。公式ホームページは下にリンクを張っておく。 大体の筋を書いておくと、主人公のモナはホームレスで冬の寒い中を歩いている。冒頭からモナは畑の溝で死亡していて、死亡する前までのことが描かれている。 モナは放浪者でフランスの田舎を歩いていく、どこまでも。どうして放浪を始めた

          映画感想文 冬の旅 をみて

          創作 帰り道の風景

          見ろよ。病院が見えてきたぜ。夜になっても明かりが点いてるからよく分かる。ここらへんでは一番大きな施設だから。入院してる病人がわんさかいる。もう夕飯は終わった頃かな。きっと一段落付いた感じ。あー腹減ってきたな。わかってるよ。急ごう。 慣れた手つきでハンドルを操作し、夜の闇に表れてきた信号を左に曲がる。速度は巡航速度で早くもなく遅くもなく、軽口をたたくらいの余裕があった。信号は夕方から夜になる時間で、赤と青のランプがあざやかに光って見える。歩いている人は昼間もいないが、夜になれ

          創作 帰り道の風景

          今年も福寿草が咲いた

          今年も福寿草が咲いた。地面にニョキッと黄色い花が咲いた。福寿草は元日草とも言われるが、毎年2月頃、まだまだ寒い時期に咲く花だ。例えば 雪間より顔出すほどや福寿草  服部嵐雪 福寿草咲きぬ雪間の石の上  小林一茶 こんな句があるように雪と同居しながら黄色い花が咲く。俳句では元日の季語となっている。しかし実際に咲くのは少しずれて2月から3月の花だ。今年もついこないだ雪が降り、雪かきをしたばかりだった。雪が溶けるともう株全体が育ち、花が咲きだした。 隣町の沢底という地名のと

          今年も福寿草が咲いた

          映画感想文 「アリスとテレスのまぼろし工場」 変化するのとは別の仕方で

          このアニメは見伏(みふせと読む)という架空の町が舞台だ。鉄鋼を製鉄所の高炉が街の中心だ。いわゆる企業城下町だ。夷さんの下の記事を参考にした。 合併再編された今の日本製鉄の釜石市を参考にしているらしい。映画の中の町並みが作り出されていていい感じだ。この町の中にいたいとそう感じさせる。商店街のアーケードの感じも面白い。 1990年以降製鉄業界は再編されていくことになる。構造的な問題点を上げるなら、バブル経済崩壊後の長期的な国内需要の低迷、海外からの安価な鋼材輸入の増加、国際競

          映画感想文 「アリスとテレスのまぼろし工場」 変化するのとは別の仕方で

          機械の読者とどう付き合うのか

          文学理論の中に読者論というものがある。文学とは作者、作品、読者の三つの要素で成り立っている。しかし多くの場合作者と作品がメインとなり、読者は置き去りのことが多い。読むこととの大事さを語るための理論と言える。他にも演劇なら、脚本、俳優、舞台、観客という基本要素がある。映画も本も実はどこで観るか、読むのかというのはあまり語られないが大事だ。 映画なら映画館で観るのと、配信で観るのとではやはり違う。本でも机にむかって座って読むのと、酔っ払って朗読しながら本を読むのでは体験が違う。

          機械の読者とどう付き合うのか

          読書感想文 朝井 リョウ 著 「スター」を読んで 

           朝井リョウの小説「スター」を読んだので感想を書きたいと思いう。アマゾンリンクを貼っておく。 この小説は大学時代に映画を撮り、その映画が賞をとって二人は、それぞれ別の道を歩んでいくことになる。一人である尚吾は有名な映画監督のもとで監督補助をやり、もう一人である紘はユーチューブを撮っていくことになる。その時の葛藤や思いが軸になって物語は進む。2020年の作品だ。 一人は映画の質にこだわり、細部まで作り込んでいく映画マニアが製作者になった人。もう一人は美しい物を撮りたいと情熱

          読書感想文 朝井 リョウ 著 「スター」を読んで 

          消費支出と幸福の関係はあるのか 消費支出統計とお菓子について

          人によって幸福の感じ方はいろいろあるでしょう。しかし現代日本人として生活しているので、どこかしらに通ったところはあります。みんながどんな生活やお金の使い方をしているのかを、統計を通して眺めてみると、興味深いものがあります。 総務省の統計によると、2023年7〜9月期の総世帯における家計支出の割合は、食費が28.1%と最も高く、次いで交通通信費が14.7%となっています。 地方では自動車が必須となる場合が多く、自動車関連費が交通通信費の大きな部分を占めています。近年は「自動

          消費支出と幸福の関係はあるのか 消費支出統計とお菓子について

          映画にまつわる思い出 ビデオデッキとともに

          映画にまつわる思い出について書いていきたいと思う。私が思い出に残っているのは、いまから40年くらい前の話。18歳の頃、高校を卒業して一年間新聞配達をしていたときの話だ。新聞配達の朝早い。4時頃に起きると販売店にみんな集まってきて、チラシの折り込みから始める。自転車に角のように新聞紙をつみあげ、出発していた。 今は新聞自身が販売部数を減らして、私も地元の地方紙以外はオンラインで読んでいる。東京の調布で配っていたけれどそれから一度も訪れていない。あの地位域も相当変わっているだろ

          映画にまつわる思い出 ビデオデッキとともに

          映画「アビゲイル・ハーム」 感想文

          映画「アビゲイル・ハーム」の中に出てくるかつて天使だった男は、いまは無口な男だ。何を喋ればいいのかわからない。しゃべるべきことがあるのかどうかもわからない。どうしゃべるべきなのか、いまはしゃべるべきなのか、黙っているべきなのかもわからない。 話し方、受け取り方、全てがわからないのだ。例えば私達はこんなふうにしゃべることもできる。 えっ? なんだそれ、髪めっちゃ短いじゃん! うん、思い切ってバッサリ切っちゃった! えー、なんで? そんなに短くするつもりだったの? うん、気分

          映画「アビゲイル・ハーム」 感想文