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脆弱性について 人間て弱いなとつくづく思う。そこから出発したいとも思う。

脆弱性について書いてみたいと思う。脆弱性って難しそうな言葉だ。言葉を変えれば弱さということのような気がする。でも少し違う気もする。僕が考える脆弱性と言って浮かぶのは、弱さ、愚かさ、知らなさ、言葉にならなさ、傷つきやすさ、忘却力のなさ、依存しやすさ、そんなことだ。

忘却力というのは忘れる力のこと。知らなさと矛盾するようだけど、忘れられるというのは大きな力だ。例えば、仕事で失敗したとき怒られてしまう。いつまでも引きずらずに、気を取り直してまた頑張ろうと思える、そんな力だ。

依存も大事なことだ。依存症という言葉があるように、なにかに依存してしまう。依存してしまうのは誰でもあることだけど、依存症は依存しているものに、そのうちに支配されてしまう。アルコール依存症なら、仕事だろうが、人間関係だろうが、健康だろうが、お構いなしに酒を飲むことが最優先になってしまう。それも脆弱性だ。

逆に依存しなさすぎるというのも弱さだ。孤独という問題がある。孤独は依存できなさが、関係のなさという弱さの問題だ。プライドの高さが問題かもしれない。プライドも脆弱性の一つかもしれない。誇りを持って生きることは重要だけれど、プライドが邪魔をしてなかなか進めないこともある。

誰かに何かを言われたときに言い返せなかった経験は誰にでもあるだろう。悔しくて悔しくて何度も思い出してしまう。どうして言い返せないんだろうと思う。そんな自分の言葉にならなさ、もどかしさを感じる。将来はAIが勝手に言い返してくれるようになるのだろうか。そうしたら弱さは克服できるのだろか。昔の人は悔しい思いをしたんだとバカにされる日が来るのだろうか。

人は愚かなことをしてしまうものだ。言わなくても良いことを言い。大事なことを見落としてしまう。言われたことが何を言っているのかわからない。わからないから腹がたつ。そのうち怒鳴りだす。カッとして思わず手をあげてしまう。プライドを傷つけられたから、やり返す。そんなことばかりだ。これも弱さだろう。

無知も弱さかもしれない。そんなことも知らないのかと言われれば、腹がたつ。日々大量の情報が溢れている。知らないことは増えるばかりだ。情報の大波は自分のちっぽけさを知らしめた。もっと知れば良いことがある。ほんとにそうだろうか。情弱という言葉もある。情報弱者という意味だ。知ってるということは強さなのだろう。

生身のからだを持っているというのがそもそも弱さだ。ちょっとぶつけただけでケガをしてしまう。殴られれば痛いし、殴った方も痛い。痛みはなかなか消えてくれない。傷が付けばなおさらだ。PCの前で仕事をしていると身体のことを忘れてしまう。でも身体なしの人間などありえない。傷つきやすさは人間の条件なのだ。

僕は脆弱性から物事を始めるべきだと思う。強くなれば解決できるという考えは人間の否定にしかならない。独立して何でも自分で判断でき、行動できる人間が理想なのかもしれない。その理想は理性的な人間であろうとした近代人の姿なのだ。ではどうすれば良いのか。答えはわからないけれど、考えていきたい。


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