Dear もう会わない人
縁を大切にしすぎて、自分が壊れた時期がある。
自分と違う意見でも受け入れすぎて、そのうちに自分の意見がぼやけて、世界がぼやけて、そして何も見えなくなった。
自分の「こうしたい」「こう思う」を見失うということは、船の帆を失うことに近い。目的地へ向かう力はなく、流されていく。あの頃のわたしはどこにも向かっていなかった。
「友達は大事」というコトバは、幼少期から青年期にかけて、あちこちから放たれる矢である。そして縁と友達の境界線は、なかなかに微妙だ。
すっかりその思考に支配された