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人間関係・関係性・距離感

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#エッセイ

じんわり沁み入る優しいnote

じんわり沁み入る優しいnote

 整理整頓が苦手な私の枕元には本が何冊も積み上がっている。ベッドの物を置けるスペースにもだ。
 母からは時折冗談で「いつか(地震などが起こったら)本に埋もれて死ぬよ」と言われるが、そのたびに私はこう返す。
「本に埋もれて死ねるなら本望だよ」
 冗談か駄洒落か。実際は半分冗談、半分本気といったところだ。
 物心ついた頃から、私は本が好きだ。喋り出すのは遅かったが、文字を覚えるのは早かった。保育園の先

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おっさんずラブと結婚としあわせ

おっさんずラブと結婚としあわせ

今更ながら、おっさんずラブを観た。アマゾンプライムビデオでウォッチリストに入れていたものの観ていなかった、おっさんずラブ。毎日1話ずつ観ていくつもりが、気づいたら泣きながら最終回を迎えていた、午前4時。

どうしてあの時リアルタイムで観なかったのかと後悔した。ハッシュタグ企画の時に観ていなかった自分に腹が立った。このドキドキと感動をみんなと分かち合いたかったものだ。語り合いたかった。。。

今更で

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「幸せだけど、たのしくない」? 夫婦のかたちを考える

「幸せだけど、たのしくない」? 夫婦のかたちを考える

「このままじゃ、パートナーとして好きって気持ちを失っちゃう」

夫にそう伝えたのは天皇誕生日の夜、みんながそわそわするクリスマスイブイブ。ふたりでストーブにあたりながら赤ワインをあけているときだった。

◆   ◆   ◆

2018年は、てんやわんやな一年だった。

まず、赤ちゃんから幼児へ猛スピードで変化する娘との生活は、はちゃめちゃに幸せだった。

腰がすわった、笑った、食べた、歯がはえた、

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ままならない

ままならない

 少しずつ築いていけばいい。これから繋がることができる可能性だって、あるかもしれないから。
だけど、時々不安になる。本当に繋がることができるのか。繋がりたいと思う人と、心を通わすことができるのか。

 ……障害を言い訳にするつもりはない。「健常者」と呼ばれる人たちだって悩んだり、迷ったりすることがあるというのも、少しはわかっているはずだ。
だけど、自分の障害にもっと早く気付けていたら、こんな風に悩

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23歳の地図

23歳の地図

23歳になった。東京に出てきて4年が経った。

1年大学進学に遅れた僕は、この年で学生生活を終える。この街に出てくれば何かが変わると思っていた、というセリフを大学4年間で何度吐いたか知れない。

23歳になれば、ちゃんと朝ご飯を食べられると思っていた。もしくは、だれかとちゃんと朝を過ごしていると思っていた。相変わらず朝に弱いし、珈琲マシンを購入する勇気は出なかった。

23歳になれば、ちゃんとした

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「空気読めない」という言葉を使わない

「空気読めない」という言葉を使わない

12時43分、追記しました。

◇◇◇

専門学校時代、嫌いな同級生がいた。

仮にジュンコちゃんとしよう。

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「黒髪の清純系」と言われたこと

「黒髪の清純系」と言われたこと

「あー、わかる、黒髪の清純系の子ってミスドでバイトしがちw」

エマちゃんが言った。私が「高校生のときにミスドでバイトしていた」と言ったからだ。

28のときに少しだけ働いていた会社でのこと。私は数人の同期とお弁当を食べていた。

……黒髪の清純系、ねぇ。エマちゃんには、私がそういうタイプに見えているんだな。

だけど、私はそのときたまたま髪が黒かっただけで、28年間ずっと黒髪だったわけではない。

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東京で暮らすということ

東京で暮らすということ

2016年1月、住み慣れた街を出て、東京にきた。

きっかけは、店舗の店長として売り上げが下降している店舗の再興のため、また、関東の店舗に新しい風を、という名目で1年だけでいいから転勤しないかとお誘いがあったから。面白そうだったからその場で快諾した。

正直なところ、それまで東京に住みたいなんて全くもって思っていなかった。

あれから3年、私はまだ、東京にいる。

東京に残ろうと思ったのは、不退転

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東大を舐めるな、に思う

東大を舐めるな、に思う

「東大を舐めるな」というnoteがバズっている、らしい。

「らしい」というのは「下のnote」にそう書いてあったからで、実際にどんだけバズったのかは、よくわかっていない。
noteはホーム画面しか見ないわたしが「下のnote」を見つけたのは、Twitterのフォロワーさんから流れてきたってだけなので。まぁ、なるほどなーとおもって見てたのですが。

で、ちょっと興味を持って「東大 舐め」でnote

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対話は難しい…

対話は難しい…

サボっていた訳ではなく、誰も投稿を期待してない中で一人でも多くの方に読んでいただくためにあれこれ考えていたら月日が経っていました。

という訳でいきなりのtwitterのリンクを貼り付けてみます。

この言葉の展開にグッときました!
「共話」初めて聞く言葉です。

12月8日に東京で開催されたsoar conferenceに参加しました。テーマは「語り」

ゲストは浦河べてるの家の向井地さん、そし

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「恋をする」人と「恋に落ちる」人

「恋をする」人と「恋に落ちる」人

以前「私には恋がわからない」という記事を読んだ。

この記事を書いた坂口さんは既婚。奥様とは長い交際の末に結婚したそうで、「短期的な関係にメリットを感じない」という趣旨のことが書かれている。

つまり私は、短期的な関係性を人生においてまったく求めていなくて、長期的な関係性にだけ自分の時間やコストを投資したいということです。

この思考で生きていると、冷めたら途端に嫌になる「恋」なるものに時間を割く

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一緒にいる時間

一緒にいる時間

なぜひとは出会い、別れるのだろうか。言葉にするといかにも陳腐で、まるで青春野郎のようだけれど、ここのところずっとそれを考えている。恋愛関係に限ったことではない。

毎日を過ごす中で、いろいろなひとと出会う。仕事を続ける中で、出掛けた先で、誰かのつながりで。すれ違うだけのことも多い。けれど、様々なきっかけでぐっと仲良くなるひともいる。期間はまちまちだけれど、一緒に過ごし、ことあるごとに出会えてよかっ

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