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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#読書感想文

イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

イエティ ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実

 ヒマラヤに棲むといわれる、謎の生物「イエティ」を追った本です。ヒマラヤの雪男とも呼ばれるものですね。

 著者の根深さんは、生粋の山男です。一九七〇年代から、ヒマラヤに通い詰めているという方です。ヒマラヤの地形、気候、風俗などに精通しています。
 イエティがいるといわれる、その現場を知り尽くしていることは、大変な強みです(^^)

 根深さんは、

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夜空と月の物語

夜空と月の物語

夜空と月の物語

 世界中の、さまざまな「月の光景」を写した、写真集です。
 写真と共に、世界各地の、月にまつわる神話や伝説が、紹介されています。

 とにかく、写真が美しいです。ぼーっと眺めているだけで、癒されます(^^)
 月にまつわる神話や伝説は、短く、やさしい言葉で書かれています。おかげで、読んでも疲れません。仕事で大量の文章を読んだ後でも、こういう文章なら、読んでほっとできます(^

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シベリア民話集

シベリア民話集

シベリア民話集

 シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。
 全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。

 一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。
 話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。

 中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあり

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自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

 世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。
 国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。
 題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。

 地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。
 日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、

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アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

アジア遊学 (No.52) 徐福 アジア二〇〇〇年の青い鳥

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』の第52号です。徐福【じょふく】の特集号です。

 徐福は、伝説の方士【ほうし】ですね。秦の時代の中国にいた人です。秦の始皇帝との逸話で、知られています。
 中国を統一した後、始皇帝は、不老不死を強く求めるようになりました。そんな始皇帝に、不老不死の術を知っていると称する方士たちが、接近しま

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アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

アジア遊学 (No.71) アジアの怪

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの第71号です。
 「アジアの怪」の特集号です。

 アジア諸国に伝わる怪異現象や、妖怪が、紹介されています。
 とはいえ、紹介されている地域には、偏りがあります。中国と日本とがほとんどです。

 他の地域は、冒頭の「序言 大地・山川・ジャングル・海から沸き立つものたち」の章で、少しずつ触れられてい

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海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

 どこの国でもそうですが、日本の古代史にも、謎が多いですね。
 古代といえるほどの昔は、どうしても、情報が少ないからです。

 本書は、日本の古代史に、「東アジア」という視点から、切り込んでいます。
 古代の日本は、東アジアの国々と関係が深かったことが、明らかになっています。にもかかわらず、この視点からの一般向けの解説書は、少ないです。
 本書

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世界の太陽と月と星の民話

世界の太陽と月と星の民話

世界の太陽と月と星の民話

 世界各国に伝わる、太陽や月や、その他の星に関わる民話を集めた本です。
 民話というより、神話と呼べる話も、多く含まれています。どの話も、興味深いです(^^)

 「世界の」というだけあって、アジア、アフリカ、オセアニア、南米、北米、ヨーロッパの話が、一通りカバーされています。
 ただし、アジアとヨーロッパの話が、圧倒的に多いですね。アフリカとオセアニアは、手薄で

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アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

 アフガニスタンは、アジアの内陸にある国ですね。二〇一四年現在は、政情不安な国であることで、知られています(^^;
 また、イスラム教国であることでも、有名ですね。

 かつて、この国では、仏教が栄えました。その頃の遺跡が、たくさん残っています。
 正確には、「残っていました」と言うべきかも知れません。イスラム教の勢力が強くなり、政情不安と相ま

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庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社プラスアルファ新書)

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社プラスアルファ新書)

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社プラスアルファ新書)

 地獄を見たことがありますか?
 比喩ではなくて、本当の地獄です。「死後に、悪いことをした人が行く」といわれる地獄です。

 「死んだことがないんだから、見られるはずがないじゃないか」ですって? 正論ですね(^^)
 ところが、この世にいながらにして、あの世の地獄を、垣間見ることができるんですよ。

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アジア遊学 No.35 天駆ける馬

アジア遊学 No.35 天駆ける馬

アジア遊学 No.35 天駆ける馬

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの35号です。
 「天駆ける馬」という特集号です。

 ユーラシア大陸を縦横無尽に駆けてきた、ウマとヒトとの関係性を解いています。
 他に、アラビアのウマや、ロバについても、書かれています。

 騎馬民族や、騎馬文化について知りたい方には、必読の本ですね。
 本書をひととおり読めば、ユーラシアの馬文化

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色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

色彩のコスチューム―中国55少数民族の服飾 (京都書院アーツコレクション 11)

 中国の少数民族の、伝統的な服を紹介した本です。

 中国には、55の少数民族がいるといわれています。それぞれに違う文化と歴史を持ち、生活ぶりも、多様です。
 本書は、それらの少数民族に、服飾から迫っています。

 どの服も、美しいです。特に、刺繍が見事なものが多くて、目をみはります。
 ページをめくり、服

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アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて

 アジア各所の妖怪や魔術について、紹介した本です。
 少なくとも、本書が書かれた一九九〇年代までは、アジアのそこらじゅうで、「妖怪や魔術が実在する」と信じられていました。
 本書は、その様子を、レポートしたものです。

 紹介されているのは、インドネシアのバリ島、マレーシアのランカウイ諸島、日本の琉球(沖縄)、マレーシア領部分のボルネオ島で

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日本の美術 481 人面をもつ鳥—迦陵頻伽の世界

日本の美術 481 人面をもつ鳥—迦陵頻伽の世界

 仏教伝説に登場する架空の鳥、迦陵頻伽【かりょうびんが】について、解説した本です。
 類書は、ありません。私の知る限り、唯一の、迦陵頻伽の専門書です。

 先に、仏教伝説に登場すると書きましたね。けれども、この鳥について、具体的な伝説は、あまり伝わっていません。もっぱら、美術の意匠として、工芸品や絵画の中に現われます。
 本書は、そのような

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