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シベリア民話集


シベリア民話集

 シベリアに住む、多くの民族の民話を集めた本です。
 全部で、十一の民族の民話が、紹介されています。

 一つ一つの話は短くて、すぐに読めます。
 話の筋は、単純なものがほとんどです。おそらく、簡素な狩猟採集生活を送る人々が、多いからでしょう。絢爛【けんらん】たる宮廷話や、技巧的に洗練された話を望んではいけません。

 中には、現代日本人の私たちには、理解に苦しむ話もあります。「話のオチがない」、「展開が唐突」、「人物の行動が理不尽」といった点が見られるからです。一つの話として、未完成のように見える話もあります。
 とはいえ、そういった特徴は、シベリアの民話に限らず、多くの民話で見られるものです。読んでいて、違和感を持つ部分は、「シベリアと日本との、民族性の違い」を楽しむ部分だと思いましょう(^^)

 実際、読んでゆくと、厳しいけれども、素朴であたたかな、シベリアの暮らしが見えてきます(^^)

 それぞれの章の前には、簡単な民族の紹介文が付いています。
 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき
地図

アジア・エスキモー
 ふしぎな手太鼓
 海で遭難した男
 オーロラになった若者

チュクチャ
 狼とワタリガラス
 人食いケレ退治
 トナカイ飼いのイィヌヴィエ

ケレク
 兎のミルトカリク
 クッキ

コリャーク
 アゴヒゲアザラシの脂をとりにいったクイクィンニャク
 雨を降り止ませたクイクィンニャク
 ワタリガラスのヴェルヴィムティルィン

イテリメン
 卵から生まれた娘たち
 かたつむり

ニヴフ
 海の主の嫁になった娘
 水の母の息子

エヴェンキ
 トルガネイとアルタネイと妹のネレンチク
 ウムスリケン

エヴェン
 じいちゃんと角のスプーン
 三人の息子

ナナイ
 カラスとフナ
 蛙と美しい女
 チョルチョミャーカ

オロチ
 ヌゲティルカ
 姉と弟

ブリャート
 つばめ
 動物のことばがわかる男
 白鳥女房
 熊男

トゥヴァ
 こぶとりじい
 勇敢な山羊
 えぞやまどりを捕る男クルトゥ=ドゥザクタル

ショル
 山の主

ヌガナサン
 あたたかい陽気
 かもめ
 蚊

ケト
 月と太陽
 体のない頭の話

ハンティ
 焚き火をするおじいさん
 こねずみ
 こねずみとヘラジカ

マンシ
 大地の大きさをはかったワタリガラス


シベリアの民話について



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