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終わりゆく資本主義・ポスト資本主義を考えるマガジン

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#働き方

正規を減らしすぎて、「いい仕事」が消えつつある世の中

2015年に役所を辞めてからというもの、いろんな職場で非正規として働いてきて(遡れば大学時代のバイトも含め)、どこの職場へ行っても「人手不足だなぁ…」と感じることが多く、特に減らされている正規の従業員の業務過多&しわ寄せ、からの疲弊、メンタル、退職…といった流れは本当によくあることなんだなと実感しています。もう少し人がいればちゃんと回るのになぁ…と思ったことも数知れず。人手不足からの業務過多で、世

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一日四時間労働くらいがちょうどいい

「一日8時間、週5日労働」が体力的&精神的に無理すぎて、もう二度と正規では働けないと悟っている私なのですが、そんな私が手に取る本も似たような思想のものが自然と多くなります。最近読んでいたのが『怠惰への讃歌(バートランド ラッセル (著), Bertrand A.W. Russell (原著), 堀 秀彦 (翻訳), 柿村 峻 (翻訳) )』という本でした。ラッセルさんの哲学エッセイが15章ほど収録

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コロナは地球の「うちなる薬師」かも?

先週、ちょっと頭痛と情緒不安定気味(泣く)+お腹も調子悪いというよくある浄化現象に見舞われまして(笑)、結構辛かったんですけど色んなものに助けられたおかげで随分回復してきております。あー、また感情ため込んじゃってたのかなー、とか思いながらじっとしてたんですが、回復途上である本(詩集)を読んで、かなり心が癒されたので紹介したいと思います。『
預言者 カリール ジブラン (著), 佐久間 彪 (著)』

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「平凡」「退屈」を仕事とお金で解決する消費社会

少し前に、「恥」について研究している女性が書いた『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(ブレネー・ブラウン著、門脇陽子訳)という本を読んでいたんですが、その本に書いてあったことで印象に残ったことがありました。「平凡であること」への不安が恥の感覚につながっているということです。「平凡な人生には意味がない」というメッセージが氾濫しているという考察もありました。私も同じようなことを考えていましたし、その感

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どんな仕事を「公」が担うべき?

前回のどんな人が高い給料をもらうべき?という記事に続き、「どんな~べき?」シリーズ第2弾。今回は「公」が行うべき仕事とはどんなものかについて少し考えてみたいと思います。人口減少やAI等の発達に伴い、人間と労働について、また「働いて賃金を得て生きる」という生き方そのものを見直す時期に来ているように思いますが、それでも人間がやらなければならない仕事というのは必ず残ります。また、その性質から言って、利益

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どんな人が高い給料をもらうべき?

漠然とした大きな問いをタイトルにしてみました。組織で働いていると、「なぜこんな人が私より給料もらってるんだろう?」と思うことも結構あると思います。組織の内部でも、業界別、職業別でも思うことがあるのではないでしょうか。これは一人一人価値観が違うのかな、と思う部分でもありますので明確な答えは出ないでしょうが、今の社会全体の給与体系を比較してみても、何か納得のいかない理不尽さを感じる人が多いのではないか

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「いくらでも豊かになって良い」は貧困がなくなってから

グローバリズム、資本主義を象徴するような言葉「いくらでも豊かになって良い」。昨今ではスピ系の本やサイトなどでも見られることがあります。聞いていて心地が良くなる言葉で、欲望を無限にかきたてられるような、そしてそれを肯定してもらえるような感覚になり、この言葉に触発される人もいるのかもしれないなぁと感じます。「豊かさ」にもいろいろありますが、この場合は金銭面での意味合いが強いのではないでしょうか。「いく

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外側の理不尽から、内側を見つめて

ここのところ、政治やスポーツ界、企業の不祥事や不正ネタに事欠かなかったので、noteでもたびたび取り上げてきました。真っ当な感覚をお持ちの大多数の方は「おかしい。嘘ばっかり。もう辞めてくれ。」というような気持ちでニュースや報道をご覧になっていたのではないかと思います。例に漏れず私も同様で、いい加減利己的で強欲な性根腐った嘘つき野郎は組織のトップから退陣してくれよ…と思いながら見ていました。学校から

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悪事を握りつぶす資本主義の「正義」

最近は政治家や官僚のセクハラや女性問題のニュースが世間を賑わせているようです。地位欲や権力欲の強い人ほど性欲も強そうですよね。地位や富を手にしている人というのはたいてい若い愛人がいたりして、女性を囲っているものです。地位や富を手にしたから女性が囲えるのか、女性を囲いたいから地位や富を欲しがるのか…男性の出世欲と性欲は切っても切れないものがあるのでしょうね。

私達は感覚として、何か困ったことがあっ

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せっかくの能力・才能が不正に使われる社会

最近、世の中の動きが激しいようで、政治への批判的な報道や国会議事堂前での人々のデモなど、大きな変化が起こりそうな兆しを感じています。国(政治家・官僚)の不祥事も後を絶たず、「どこまで腐敗しきった世の中なのだ」と末端の人々までもが呆れかえっている、そんな雰囲気すらあります。どいつもこいつも嘘つき、不正…まともな人はいないのか(いたら潰されるのだけど)とため息が出ます。

官僚の不祥事、これはいつの世

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「母性喪失社会」と保健室の役割

前々から書きたいと思っていた内容をまとめてみたいと思います。ちょうど1か月くらい前に、『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル』(秋山千佳著)という本を読んでいました。記者の方が学校の保健室のリアルな現状を取材してまとめた本で、読みやすいけれども中身は非常に重く、看過できない内容だったのでご紹介したいと思います。保健室にやってくる子どもたち(中高生)の置かれた状況や、学校における養護教諭の役

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思い通りにならない世の中における優先順位

最近「世の中の人ってこんなに自己中心的な人ばっかりだっけ?」と思うようなことが多いなぁと少し悲しくなったりする時もあります。グローバル資本主義が自己中心的&エゴ丸出しな思想なので、人々の意識がそちらに向かいがちということもありますし、「引き寄せ」などのスピブームにより、願望成就や夢を叶える的な思想が流行っていることも背景にあると思います。「自分の思い通りに生きるために…」というのが人々の共通目標み

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就活や婚活も、「偏差値」至上主義?

先日、例によって心の友と話していて気づいたことがあったので書いてみたいと思います。最近は大学に通う意味や奨学金について考える記事を書いていて(大学に通う意味と金銭的負担のしわ寄せ、奨学金が「就職するための借金」になっているの記事参照)、結局大学に行くのが「当たり前」で、そうしないと就職できなくなっているから行くだけという人が大半なのではないかと考察していました。そして、そのことが教育費の増大、少子

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怠惰な人間とベーシック・インカム

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいました。インプット量に対してアウトプットが全く追い付いていない状況で、このままnoteで更新していくのかも含めて情報発信の在り方を整理している状況です。さて、今回の話題ですが、前回の楽な方に、楽な方に流れるのが人間という記事の続きのような内容で、最近よく耳にするようになった「ベーシック・インカム」との関係について考えてみたいと思います。ベーシック・インカムについ

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