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好きな記事、好きな小説、好きな文体

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個人的に好きな記事や小説や文体。個人的に注目している書き手、活動。
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#日記

「感動した!」と言ってもらえるぼくの料理には、圧倒的な戦略とロジックがある

「感動した!」と言ってもらえるぼくの料理には、圧倒的な戦略とロジックがある

はじめまして。鳥羽周作と申します。「sio」という代々木上原のレストランでシェフをやっています。

このnoteでは、ぼくがふだんどのようなことを考えながら料理づくり、お店づくりをしているのかをお伝えしていければと思います。



ただの「おいしい」ではなく「感動した!」と言われたいぼくが目指すのは、ただの「おいしい」ではありません。「感動」です。

日本に「おいしい」お店は無数にありますが、「

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【検証】無人の物々交換所を設置すると、何が置かれるのか?

【検証】無人の物々交換所を設置すると、何が置かれるのか?

モノを買うとき、その価値も、決済手段さえも自分で考える必要があったら...人は何を支払うのか?無人の物々交換所を設置すると、何が置かれるのか? 検証しました。



先日、「超旅会談」という旅のトークイベントを主催しました。本物のヤギをゲストに呼んだりする一風変わったイベントだったのですが、そこでポストカードを販売することになりました。

登壇者がそれぞれ撮影した、イエメン、南極、トーゴ、硫黄島

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「初めての人生の歩き方――毎晩きみにラブレターを」第420話:今夜は春巻き。

「初めての人生の歩き方――毎晩きみにラブレターを」第420話:今夜は春巻き。

初めまして。小説家と詩人とシンガーソングライターを目指して日々色んなことにチャレンジしている有原悠二と申します。
詳しい自己紹介はこちらから⇒https://html.co.jp/yuji_arihara

〇日記 家に帰ると、春巻きが待っていた。しかも、生春巻きではなく、油でカラッと揚げた中華系の春巻きだった。私は春巻きが大好きなのだ。だから、家に帰って、しかも仕事をして、更に大量のお肉をメガド

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「花束みたいな恋をした」と「ドライフラワー」における、花と恋と20代。

「花束みたいな恋をした」と「ドライフラワー」における、花と恋と20代。

映画「花束みたいな恋をした」を観た。

タイトルが"花束"なので、花束そのものがこの物語のキーとなるのかと思いきや、相手に花束どうぞするシーンなど全く出てこなかった。もちろん、卒業式にサプライズで花束を渡す所をTikTokに載せるシーンもなければ、真っ赤なバラの花束100本でプロポーズするシーンもない。

だからこの映画は、観た人に、この恋がどう「花束みたい」なのかを考えさせる作品なのだと勝手に受

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小説の一行目で好きになれる

小説の一行目で好きになれる

小説を読むとき
最初に目にする文章のことを「書き出し」という。

「メロスは激怒した」や「吾輩は猫である」みたいに、もはやタイトルに匹敵するぐらい有名で誰もが知っている文章もある。

この書き出しがすごく好きなのだ。
むかしむかしに読んだ本でも、この書き出しが頭に残っているものがあるぐらいには好き。

ちなみに、書き出しは作者によって全くもって異なる。

単純な状況描写であったり
すぐに主人公の視

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新アイテム『オイルヒーター』

新アイテム『オイルヒーター』

まぁ買ったのは半月くらい前なんですけど。
朝起きて「うっわ今日寒ッ!無理!!!!」と思ってエアコンの電源を入れて、(そういえば5ヵ月目記念の記事書いた時に「これもレビューしたいなー」とか書いてすっかり忘れてたな)と思い出したわけです。

オイルヒーターって、職場の方でもっと対応畳数が大きいものを取り扱うことは実はあるんですけど、自分の家用に買ったことはなかったんですね。

なので、ざっくりした知識

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深夜のマツキヨで出逢ったひとつぶ16円のキミ

深夜のマツキヨで出逢ったひとつぶ16円のキミ

その日、私は疲れていた。

まかないの量が少しおかしい、優しすぎるご夫婦が営む郷土料理屋。大好きなバイト先にも2020年の時勢は大きなダメージを及ぼしていた。観光客を客層の主とする店だ。予約数ゼロが続くカレンダーの前で困り果てているご夫婦を見て胸が痛む。とはいえ私はアルバイトを2つしているため、個人としての影響はほとんどなかった。

そう、ほとんど、なかった。女将が帰ってきた、それを除けば。

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自分がされていやなこと

自分がされていやなこと

「自分がされていやなことは、相手にしない」

親にも教師にも、幾度も言われてきた言葉。
とてもたいせつな教えだと思うし、何も間違っていないと思う。

だけれど、それと同じくらいわたしは昔からずっと違和感を感じていて。どう言えばいいか分からない、でも、なんとなくその都度「はい」と口ではきれいな返事をしながらも完全に腑に落ちない気がする、そんな感覚。なんで引っ掛かるのだろう、とずっと思っていた。

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叶わないことを知りながら

叶わないことを知りながら

日曜日になるたびの習慣に、アイロンがけが加わった。平日5日に職場でつかうハンカチを準備するためだ。

このましかくの布は、もらいものが多いので、1枚ずつ「私にこの柄を選んでくれたんだなあ」と思いながら皺を伸ばす。

昼ごはんの際に、机に敷いている手ぬぐいは、乾燥機にかけると中尾彬が首に巻いてる「ねじねじ」のようになる。棒状に細く皺が寄ったそれを苦笑しながら伸ばして、ジュっと重たいアイロンをあててゆ

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キャプテン翼でメチャクチャになってしまった人間の話

キャプテン翼でメチャクチャになってしまった人間の話

キャプテン翼。このタイトルを見て、人は何を思うでしょうか。
ある世代の方々にとっては、イノセントな記憶。ある方にとっては青春の破片。そしてリアルタイムからはぐれた者たちにとっては「ぼんやり知っている、ボールが友達である少年の物語」という認識ではないでしょうか。私にとってはそうでした。主人公のキャラクターはうっすら知っているけれど、詳細なお話までは知らなかった。

しかしその淡く牧歌的な印象の物語に

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新潟・佐渡沖のノドグロの卵はクロコになるのでしょうか

新潟・佐渡沖のノドグロの卵はクロコになるのでしょうか

天候のせいで、魚の入荷が少なかったのですが、ノドグロ & ノドグロの卵を発見、たらこ風に言うと黒子(くろこ)ですかね

※以前にノドグロが高級魚な理由をnoteにupしております、こちらも是非

人気の高級魚、ノドグロ(正式名称はアカムツ)
大きなギョロ目と、名前の由来になっている真っ黒な口の中が特徴的
水深100m~200mの比較的深い海に生息し、国内だと青森~九州の日本海と太平洋で水揚げされま

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クレイジーソルトから『クレイジー』のみを抽出する

クレイジーソルトから『クレイジー』のみを抽出する

いきなりだが、私は料理ができない。

暇すぎて久々に気持ちを高めて料理をしてみたものがこれだ(もやしとチーズをレンチンしただけ)。

これを料理と言えるのかどうかはわからないが、私はこの程度のもので十分だし、正直料理に時間をかけるのが意味がわからないと思ってしまう側の人間だ。その時間があったら部屋で倒立の練習をしているほうがはるかにマシだ。(かつて兄に料理を振舞ったら「ブタの餌みたい」と言われただ

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「ママ、トゥーリ、つくって」から始まる連想ゲーム!成功への道のり〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

「ママ、トゥーリ、つくって」から始まる連想ゲーム!成功への道のり〜岸田ひろ実のコーチングな日々〜

伝えたいことって、本当にちゃんと伝わっているのかな?

こんなことをふと考えてしまったのは、良太にお願い事をされたからでした。

「ママ、トゥーリ、つくって」

何かを作ってと頼まれているんだけれど、「トゥーリ」が何なのか、全くわかりません。

「トゥーリってなに?」

良太に聞いてみると、「もー!トゥーリやん、トゥー、リ」当たり前のように答えます。

言葉をうまく話せない良太との会話では、こうい

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【良い人そう選手権優勝者とのアツい夜】

【良い人そう選手権優勝者とのアツい夜】

良い人そうな人…良い人そうな…人…。

私はロータリーに並んでいるタクシーの窓の中をチラチラと覗き見し、ドライバー達の顔を物色していた。

この時、私が降り立ったこの州都は、犯罪が頻発する危険な場所だったと後に知る。

16歳、日本人、155センチ、大きなリュックとスーツケース。

ビッビーーー!!ビーーーーー!!!!

けたたましいクラクションが闇を裂き、そちらをハッと振り返ると、ニヤニヤ笑う白

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