ばやし|ライター

大阪出身、今は東京下町寄り。27歳。本と音楽とサッカーが好きです。週末にエッセイを書い…

ばやし|ライター

大阪出身、今は東京下町寄り。27歳。本と音楽とサッカーが好きです。週末にエッセイを書いたり、好きなことについて書いたり。Marbleスクール2期生。

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小説の一行目で好きになれる

小説を読むとき 最初に目にする文章のことを「書き出し」という。 「メロスは激怒した」や「吾輩は猫である」みたいに、もはやタイトルに匹敵するぐらい有名で誰もが知っている文章もある。 この書き出しがすごく好きなのだ。 むかしむかしに読んだ本でも、この書き出しが頭に残っているものがあるぐらいには好き。 ちなみに、書き出しは作者によって全くもって異なる。 単純な状況描写であったり すぐに主人公の視点から始まったり 登場人物の会話だったり。 特に気にもとめずに読みとばす人もい

    • 新しい季節は、いつだって雨が連れてくる

      タイトルの美しい一文は恩田陸さんの小説『ユージニア』の書きだし。 先月末に降りつづいた雨が、長らく空を覆っていた冷たい空気を取りこんで流れていったことで、麗らかな春の訪れを予感させている今、ぴったりな一節だと思ったのでお借りすることにした。 それにしても、暖かい。4月ってやっぱり春が似合うなとしみじみと実感するくらいには、過ごしやすい陽気に気を良くしてしまう。 個人的に、暖かな春の午後、自身のプレイリストから春の歌を探している時間が、とっても好き。 春の歌にもたくさん

      • 物語で描かれていた「AI/人工知能」が現実になるかもしれない

        月ごとにテーマを決めて、小説を通して出会った興味を深掘りしていくことを抱負にした2024年。 3月に選んだテーマは「AI/人工知能」。 現代において、飛躍的な進歩を遂げている「AI/人工知能」について、その目をみはるほどの成長スピードは肌身で実感していたものの、実際のところ「何がすごいのか」はあまり理解できていなかった。 また、「AI/人工知能」を扱った物語は今までも多く存在していたけれど、そのどれもが遠い未来に起こる出来事だと思っていた。 しかし、今やその世界が、現

        • ばやしの自己紹介&ライターとしての仕事依頼について

          ページをご覧いただきありがとうございます。 ライターのばやしと申します。 この記事では「ライターばやし」の自己紹介と、ライターとして可能な業務や仕事実績、問い合わせ方法についてまとめています。 (2024年3月更新) ◇自己紹介noteで文章を書くことを通して、多くの人に興味のきっかけを届ける楽しさを知り、書く仕事にチャレンジしたいという気持ちがいっそう強くなりました。 その後、書く「+α」を学べるスクール『Marble』を受講して、インタビューや編集、広報について学び

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        記事

          近づく気配のないスカイツリーに向かってひた走る

          先週、夜に出かけてエッセイを書いたところ、思ったよりもスラスラと言葉が浮かんできた。 さらには、久しぶりに重い腰をあげて走りに出かけることもできたのもあって、まさにいいこと尽くめ。 要するに、ランニングとエッセイを紐づけてしまえば、どちらもいい感じに続けられるのではないか、そう思ったのだ。 そんなわけで、浅はかに一蓮托生を決意して、今回も走り終えてすぐにPCの前に座っては、文章を書いているのだった。 ◇ 今夜は、穏やかな春の暖かさに、時折、心地よい風が吹く絶好のラン

          近づく気配のないスカイツリーに向かってひた走る

          不安を薄めるために夜の空気を吸いこみにいく

          久しぶりにとっ散らかった文章を書きたいなと思って、暗くなってから外へ走りに出かけた。 そして、走り終えて、この文章を書いている。 本当は家に帰ってきてすぐに書こうと思っていたのだけれど、あまりにも手が悴みすぎてキーボードが打てなかったので、シャワーで体を温めてから、あらためてPCの前に座る。 そう、外に出たら寒かったのだ。 それも、圧倒的に風が強かった。 どれぐらい強かったかというと、歩くか走るかどっちにしようかなと悩みながら外に出て、あまりの寒さに諦めて走ることにし

          不安を薄めるために夜の空気を吸いこみにいく

          少年の「可塑性」は更生に繋がるのか【天使のナイフ・不可逆少年】

          2024年は月ごとにテーマを決めて、小説を通して出会った興味を深掘りしてみようと思い、2月もnoteを書いている。 2月に選んだテーマは「更生」。 このテーマについて学びたいと思ったのは、社会派ミステリのなかでもたびたび登場する「少年法」の是非、そして、子どもが生まれながらに宿している「可塑性」について、きちんと向き合ってみたいと思ったからだった。 どんな少年にも「可塑性」は存在しているのか『天使のナイフ』という作品を読んだとき、初めて「可塑性」という言葉と出会った。

          少年の「可塑性」は更生に繋がるのか【天使のナイフ・不可逆少年】

          変わらない日々を拠り所にする尊さと儚さ【映画:PERFECT DAYS 感想】

          その映画には、見知った道や風景が写っていた。 建物の隙間から見えるスカイツリーも、隅田川に暮れる夕日が望める桜橋も、東京で暮らすようになってからはお馴染みとなった光景だった。 しかし、映画のセリフを借りるならば「この世界は、ほんとはたくさんの世界がある。つながっているようにみえても、つながっていない世界がある」。 映画を通して描かれている風景は、自分が生活するなかで何気なく通りがかる場所なのに、映画で描かれている物語は、自分とはつながっていない世界で紡がれていた。 『

          変わらない日々を拠り所にする尊さと儚さ【映画:PERFECT DAYS 感想】

          京都に溢れた祝祭の音楽 ”Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? ”Withくるり/ライブレポート

          5年ぶりに訪れた京都。 古き良き時代の名残を感じさせる風景は、学生時代に何度となく訪れたときから良い意味で何も変わることなく、鴨川を飛び超えて遠くまで広がっていた。 そんな京都にはるばるやってきたのには理由があって、「Homecomings」が現体制ラストライブとなる2月10日のライブを「くるり」と2マンで行うと発表したからだった。 どちらも京都にルーツを持つバンドであり、それぞれの楽曲に関わることもあった2組が共演するとあっては、その空間に立ち会いたいという思いを抑え

          京都に溢れた祝祭の音楽 ”Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? ”Withくるり/ライブレポート

          『Epilogue→』でエッセイ記事を投稿しました📚 とある作品を読んでからずっと行ってみたかった小樽の街。 想像していたよりも暖かくて過ごしやすかった❄️ あのとき読んだ物語が小樽まで連れていってくれた https://note.com/epilogue_novel/n/n39a0b1c4eb7a

          『Epilogue→』でエッセイ記事を投稿しました📚 とある作品を読んでからずっと行ってみたかった小樽の街。 想像していたよりも暖かくて過ごしやすかった❄️ あのとき読んだ物語が小樽まで連れていってくれた https://note.com/epilogue_novel/n/n39a0b1c4eb7a

          鼻声になると別人になった気がする

          気づいたときには鼻声になっていた。 1月は旅行やら友達の結婚式やらでバタバタしていたのだけど、ようやく予定が終わったと安堵していたのも束の間、盛大にかぜをひいてしまったのだ。 体のだるさ、喉の痛み、鼻水、頭痛、しまいには発熱。 かぜの症状フルコンボみたいなかぜをひき、寝ても覚めてもなおらない負のループ。3日間でティッシュ2箱分くらい鼻をかんだ気がする。 コロナでもインフルエンザでもなかったのは幸いだったけれど、それでも家でぐったりしているときは、熱さまシートをこれでも

          鼻声になると別人になった気がする

          『ラブカは静かに弓を持つ』を読んで興味をもった「著作権」の在り方

          月ごとにテーマを決めて、小説を通して出会った興味を深掘りしてみようと思ったのが、今年の初め。 詳しい経緯は、下記のnoteに書いているので読んでもらえれば嬉しい。 そんなこんなで、1月のテーマは「著作権」について。 なぜ、著作権に興味を持ったかというと、きっかけは安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』という長編小説を読んだことだった。 ある日、音楽著作権を管理する会社に勤務している主人公が、街の音楽教室からも著作権料を徴収しようと画策する上司から、とある音楽教室への

          『ラブカは静かに弓を持つ』を読んで興味をもった「著作権」の在り方

          子どものころの不思議で止まっていること

          最近、不思議な本を読んで、子どものころに不思議だったことを思い出した。 ミステリ、ファンタジー、SF、青春、恋愛。 5つのジャンルの物語が一同に会する街で、真相を知っているのは読者だけ。 ここまで舞台設定に惹かれるあらすじがあるだろうか。 とてつもないワクワクを感じる、森バジルさんの短編小説。 とある街を舞台に描かれる、全く異なるジャンルからなる5つの物語は、それぞれの世界と交わらずとも、少しづつ重なりあうことで、思いがけない奇跡を起こす。 世界観や文体は章ごとにくっ

          子どものころの不思議で止まっていること

          2024年は月ごとにテーマを決めて興味を深掘りしてみる

          これまで小説を通して、たくさんの興味に出会った。 思いがけない興味に惹かれて、実際にその分野について調べてみたり、現地に行ってその魅力を体感してみたり、とりあえず物語から続く矢印の方向に歩いてみることが多かった。 今年は、そんな物語で出会った興味を もっと深掘りしてみたいなと思っている。 きっかけは、安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』という小説を読んだことだった。 上司から音楽教室への潜入調査を命じられた孤独な青年が、心から魅了される演奏を奏でるチェロ講師と出会

          2024年は月ごとにテーマを決めて興味を深掘りしてみる

          2023年に演奏した曲の備忘録

          今年、地元の友人に誘われて何度かスタジオで演奏する機会があった。 もはや、部屋のインテリアと化していたベース。 3年ぶりくらいに楽器を手にとって弾いてみると、それはもう初心者に逆戻りした気分になる。こんなに難しかったっけ。 大学の軽音サークル時代の同期、先輩も交えながら、ゆるゆると演奏したい曲を演奏する空間はとても心地よかった。スタジオ後の飲み会のほうが本番だった説も否めないが。 とにもかくにも、今回は2023年にスタジオで演奏した曲をゆる〜く振り返ってみる備忘録です

          2023年に演奏した曲の備忘録

          『時をかけるな、恋人たち』の世界観を彩る2つの楽曲

          今年、憂鬱な火曜日を楽しく過ごすことができるようになった理由の一つに、あるドラマの存在があった。 それが、火曜日の夜11時から放送されていた『時をかけるな、恋人たち』というSFコメディ作品。 本作では、吉岡里帆さん演じる現代人の廻と、永山瑛太さんが演じる未来人でタイムパトロール隊員でもある翔の時空を超えた、前代未聞の恋愛模様を描いている。 脚本はヨーロッパ企画の上田誠さんが担当しており、これまで多くの森見登美彦作品の映像化を手がけた手腕を遺憾なく発揮していた。 個性豊

          『時をかけるな、恋人たち』の世界観を彩る2つの楽曲