M&Aアドバイザー

大学生の時に、家業が倒産し一族離散を経験したことから小学校の教員志望を辞め、中小企業支…

M&Aアドバイザー

大学生の時に、家業が倒産し一族離散を経験したことから小学校の教員志望を辞め、中小企業支援を志す。新卒中小企業向けコンサル→M&A仲介→ブティック系FAS。M&Aの考え方をわかりやすく発信し、企業経営者・ビジネスマンにとって、M&Aをより身近な選択とすることを目的に活動している。

記事一覧

M&Aでは、ネガティブな情報こそ先に伝えるべき

企業の譲渡支援をしていると、ネガティブな情報こそ隠すタイプのオーナーがいらっしゃる。 それは、もちろん私の説明が至らないからだ。説明力不足である。 しかし、隠す…

原始定款をなぜ会社売却準備で求められるのか?

会社売却の準備は大変である。 オーナーになったことが無いので、本当に意味でその大変さはわからないが、きっと大変だと思う。 日々実務で忙しいのに、M&A担当は細かい…

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なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?②

前回の記事では、M&A案件がたくさん集まる5つのポイントのうち2つを紹介した。 本日は残る3つを紹介したい。 ③検討から外れた場合は、理由を素早く、明確にフィードバ…

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M&A仲介手数料の高さに思うこと。

M&A仲介会社の手数料が高い! これでは、案件を買えない! と怒る経営者の方のSNS投稿をみた。 怒りはごもっともだと思う。確かに安くはない。 そもそもブローカー…

なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?

「うちには売れ残りの案件しか来ないんだよ」 「みんなピントがずれた案件ばっかり持ってくるんだよ」 「良い案件は競合入札ばかり。でも高掴みしたくない」 「どうしたら…

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中小企業にとって、競合が多い事は悪い事なのか 

表題であげた問題提起に対し、結論を申し上げると、競合がいる事は素晴らしいと私は考える。 なぜならばそこに市場と顧客が存在することの裏返しだからだ。顧客と競合を分…

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中小企業は客数を伸ばしてはいけない

先日、面白いサービスを展開する企業経営者の方にお会いした。とても価値あるサービスで世の中にどんどん広がるべきだと感じた。 サービス力はありつつも一方、導入対象は…

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痩せたいが、ダイエットなんてしたくない。

痩せたい。 去年から73~75キロを推移している。 78キロになると焦って絶食し、72キロくらいになると大盛を食べてしまう。目標はここ数年、永らく69キロである。 もっと…

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事業承継を考えたら、売るのではなく、まずは買う事を考えるべき

先日お手伝いさせていただいた経営者は67歳。譲渡された後に「こんなに株価が安いのならば、もっと若いうちに企業を買う側に回っておくべきだった・・・」とおっしゃってお…

もし私が20年前に戻れるならば絶対に知っておきたかった事 ~会社を高く売るための3つの視点~

前回の記事で、会社を高く売ることのデメリットを記載しました。高く売ることは簡単ではなく、また実態以上に高く売れてしまった後の弊害も記載したつもりです。 ですが、…

M&Aを検討する前に考えるべき選択肢 ~養子承継のメリット・デメリット~

前回の記事で、出口戦略には実は4つしかない(廃業・社内承継・M&A・IPO)ことを記載していました。 選択肢の中でも、社内承継は理想的でありつつも、ハードルがあって、…

会社売却の際の担当者選びの3つのポイント ~後悔しないための準備~

M&Aは一生で一度の出来事なので、必ず複数の担当者と会うべきだと考えております。大事なことは担当者との相性。 私が売却オーナーであれば、担当者を見るポイントとして…

M&A業界の裏側 ~高く会社を売却することのデメリット~

自己紹介が長くなりましたが、M&Aについての実例や生々しい情報を紹介してまいります。 ・M&Aでよく起きるトラブルはなにか ・企業価値はどのように算定されていくの…

高額インセンティブの恐ろしさ ~人間関係を壊すお金の魔力と怖さ~

M&Aの全体の流れがわからない。 財務がわからない。 法務がわからない。 とにかく現場に入るとわからないことだらけでした。 よく車に酔うのは「行先がわからないから…

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簿記2級に落ち続ける ~緊張で手が震えて電卓が打てなくなる~

簿記2級をとることがプレイヤーの第一歩と聞いてこちらはとにかく頑張りました。少なくとも私に簿記2級はとても難しく、2回落ち3回目の試験でやっとギリギリうかりました。…

顧客開拓部隊の立ち上げ ~中間管理職の難しさ~

今でこそ、M&Aは活況で、どんどん人も若手の優秀なビジネスマンが飛び込んでくる業界になりましたが私が転職したタイミングにおいては、今ほどM&A仲介の就職人気・知名度が…

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M&Aでは、ネガティブな情報こそ先に伝えるべき

M&Aでは、ネガティブな情報こそ先に伝えるべき

企業の譲渡支援をしていると、ネガティブな情報こそ隠すタイプのオーナーがいらっしゃる。

それは、もちろん私の説明が至らないからだ。説明力不足である。

しかし、隠すのは良くない。

あとでわかると絶対にマイナスである。
結局は買い手も信頼関係のもと進めるかをジャッジするからだ。

どんな会社でも大なり小なり問題はあるものだ。
何もない清廉潔白な会社などない。

オーナーや会社を信頼して進める。

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原始定款をなぜ会社売却準備で求められるのか?

原始定款をなぜ会社売却準備で求められるのか?

会社売却の準備は大変である。

オーナーになったことが無いので、本当に意味でその大変さはわからないが、きっと大変だと思う。

日々実務で忙しいのに、M&A担当は細かい準備リストを出してくる。30~50もの細々した資料依頼リストをあれこれ要求してくるのだ。

まだ決算書や固定資産台帳などならばわかる。あとは、自社の魅力訴求につながるような、資格保有者などの情報も理解できる。会社の資産に関わるので、解

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なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?②

なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?②

前回の記事では、M&A案件がたくさん集まる5つのポイントのうち2つを紹介した。

本日は残る3つを紹介したい。

③検討から外れた場合は、理由を素早く、明確にフィードバックする
④最初から手数料交渉をしない
⑤個社別にシナジーを考える

いずれも、たくさん買収を重ねている方からすると「基本動作」と一蹴される要素かもしれない。

しかし、徹底できている方はかなり少ないと思う。

「安く買って高く売る

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M&A仲介手数料の高さに思うこと。

M&A仲介手数料の高さに思うこと。

M&A仲介会社の手数料が高い!
これでは、案件を買えない!
と怒る経営者の方のSNS投稿をみた。

怒りはごもっともだと思う。確かに安くはない。

そもそもブローカー業の手数料は高い。

先日人材採用会社から相場を聞いた。
戦略ファームの中途経験者のフィーは年収の100%とのこと。

これは、さすがに高過ぎるのではないかと感じた。
しかし、需給のバランスでビジネスは成り立っているので、文句は言えな

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なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?

なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?

「うちには売れ残りの案件しか来ないんだよ」
「みんなピントがずれた案件ばっかり持ってくるんだよ」
「良い案件は競合入札ばかり。でも高掴みしたくない」
「どうしたらよい案件がうちに集まるのか教えてほしい」

上記の声をよくいただく。

すでに、たくさんM&A(買収側)を行っている企業には、業界でも認知がなされており良質な案件がたくさん持ち込まれる。

一方、「これからM&Aをしかけていきたい企業」は

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中小企業にとって、競合が多い事は悪い事なのか 

中小企業にとって、競合が多い事は悪い事なのか 

表題であげた問題提起に対し、結論を申し上げると、競合がいる事は素晴らしいと私は考える。

なぜならばそこに市場と顧客が存在することの裏返しだからだ。顧客と競合を分析すれば、「自社の強み」をどう活かせば勝てるかが自然と見えてくる。

新規事業を考える中小企業経営者は多い。既存事業だけでは成長を描きづらくなっていることも影響していると思われる。

一方、新規事業について、市場調査をしないまま検討するケ

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中小企業は客数を伸ばしてはいけない

中小企業は客数を伸ばしてはいけない

先日、面白いサービスを展開する企業経営者の方にお会いした。とても価値あるサービスで世の中にどんどん広がるべきだと感じた。

サービス力はありつつも一方、導入対象は従業員1000名以上の企業が中心であり、営業部隊を自社で抱えていないため、中々販路拡大に苦戦しているとのことであった。

こちらの会社は、営業利益は20%を超えており、IPOも目指せる優良企業である。しかし、あえて余剰人材を抱えずに商品力

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痩せたいが、ダイエットなんてしたくない。

痩せたいが、ダイエットなんてしたくない。

痩せたい。
去年から73~75キロを推移している。

78キロになると焦って絶食し、72キロくらいになると大盛を食べてしまう。目標はここ数年、永らく69キロである。

もっというと66キロである。私の身長であれば、BMI値からすると66キロが適正値とされている。

しかし、それは簡単ではない。ご飯が美味しいからだ。

企業経営においても、業界の平均値というものが色々ある。成長性、収益性、効率性、安

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事業承継を考えたら、売るのではなく、まずは買う事を考えるべき

事業承継を考えたら、売るのではなく、まずは買う事を考えるべき

先日お手伝いさせていただいた経営者は67歳。譲渡された後に「こんなに株価が安いのならば、もっと若いうちに企業を買う側に回っておくべきだった・・・」とおっしゃっておられていました。

私としては、全力は尽くしたものの、希望額を実現できず、悔しい結果となりました。

本日は、M&Aが非常に投資対効果の高い成長手段であることを記載したいと思い
ます。

※事例はご本人に了解を得た上で、特定されないよう情

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もし私が20年前に戻れるならば絶対に知っておきたかった事 ~会社を高く売るための3つの視点~

もし私が20年前に戻れるならば絶対に知っておきたかった事 ~会社を高く売るための3つの視点~

前回の記事で、会社を高く売ることのデメリットを記載しました。高く売ることは簡単ではなく、また実態以上に高く売れてしまった後の弊害も記載したつもりです。

ですが、私がもし会社のオーナーであれば、そんな「綺麗ごと」には耳を傾けないでしょう。自分の命同然といってもよい自社を売るならば、きっと1円でも高く売りたいだろう、と思います。

ましてや父・祖父から継いだ会社であれば、安く売ることは失礼ではないか

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M&Aを検討する前に考えるべき選択肢 ~養子承継のメリット・デメリット~

M&Aを検討する前に考えるべき選択肢 ~養子承継のメリット・デメリット~

前回の記事で、出口戦略には実は4つしかない(廃業・社内承継・M&A・IPO)ことを記載していました。

選択肢の中でも、社内承継は理想的でありつつも、ハードルがあって、進まないことが多く、M&Aを検討する経営者も増えてきていることも記載しました。

M&Aは、良い手法でありながらも、結局はオーナーが変わるので長期的にみて「思っていた事と違った」となるリスクはあります。

本来的には、生え抜き社員・

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会社売却の際の担当者選びの3つのポイント ~後悔しないための準備~

会社売却の際の担当者選びの3つのポイント ~後悔しないための準備~

M&Aは一生で一度の出来事なので、必ず複数の担当者と会うべきだと考えております。大事なことは担当者との相性。

私が売却オーナーであれば、担当者を見るポイントとしては以下3点をあげます。

①会社を愛して、良さをきちんと理解してくれるかどうか 
(会社の「強みの訴求」にむけて、ヒト手間・フタ手間を惜しまない担当か)

②耳の痛い事をきちんと指摘してくれる担当者か
(案件欲しさに、調子のよいことばか

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M&A業界の裏側 ~高く会社を売却することのデメリット~

M&A業界の裏側 ~高く会社を売却することのデメリット~

自己紹介が長くなりましたが、M&Aについての実例や生々しい情報を紹介してまいります。

・M&Aでよく起きるトラブルはなにか
・企業価値はどのように算定されていくのか
・死ぬほどDMが来るが内容は実は嘘ばかり
・企業価値評価と実際の売却額の乖離
・どのように売却プロセスを踏むのがもっとも経済子合理性が高いか

など、一般的に知られることが少ないM&A業界の「裏側・実情」について段階的に記載してお伝

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高額インセンティブの恐ろしさ ~人間関係を壊すお金の魔力と怖さ~

高額インセンティブの恐ろしさ ~人間関係を壊すお金の魔力と怖さ~

M&Aの全体の流れがわからない。
財務がわからない。
法務がわからない。
とにかく現場に入るとわからないことだらけでした。

よく車に酔うのは「行先がわからないから」と言われる事がありますが、ジェットコースターに揺られるような形で、何がなんだかわからない状況が続き、成約が取れるまでは、とにかく真っ暗な暗闇を走っているような感覚でした。

また、会社では、激しい数値の詰めがあり、どんどん同期の数が

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簿記2級に落ち続ける ~緊張で手が震えて電卓が打てなくなる~

簿記2級に落ち続ける ~緊張で手が震えて電卓が打てなくなる~

簿記2級をとることがプレイヤーの第一歩と聞いてこちらはとにかく頑張りました。少なくとも私に簿記2級はとても難しく、2回落ち3回目の試験でやっとギリギリうかりました。

一般的には200~300時間で受かることもあるようですが、私は苦労しておそらく6か月で1000時間くらいは勉強したと思います。それでもギリギリであったので、センスがあるひとをうらやましく感じることもあります。

一方、悲壮感や自身を

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顧客開拓部隊の立ち上げ ~中間管理職の難しさ~

顧客開拓部隊の立ち上げ ~中間管理職の難しさ~

今でこそ、M&Aは活況で、どんどん人も若手の優秀なビジネスマンが飛び込んでくる業界になりましたが私が転職したタイミングにおいては、今ほどM&A仲介の就職人気・知名度が高まってない状況でした。

振り返ってみると2017年~2018年は、業界最大手の日本M&Aセンターは業績をさらに伸ばし、実質的に業界2位といえるMAキャピタルパートナーズも、力を貯めている業界拡大期と言えるタイミングであったと思いま

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