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M&Aでは、ネガティブな情報こそ先に伝えるべき

企業の譲渡支援をしていると、ネガティブな情報こそ隠すタイプのオーナーがいらっしゃる。

それは、もちろん私の説明が至らないからだ。説明力不足である。

しかし、隠すのは良くない。

あとでわかると絶対にマイナスである。
結局は買い手も信頼関係のもと進めるかをジャッジするからだ。

どんな会社でも大なり小なり問題はあるものだ。
何もない清廉潔白な会社などない。

オーナーや会社を信頼して進める。
最後は「エイヤー」と目をつむってジャンプするのだ。

買い手が上場企業であっても、「転売のプロ」であるファンドであっても、多少のトラブルは飲み込んで進めるのが実態である。

しかし、信頼できないオーナーにはどうしても、エイヤーできなくなる。
他にも隠しているのではないか?と疑心暗鬼になっていく。

ネガティブな情報を信頼できるアドバイザーにすべて隠さずに伝えることをおススメする。

経験豊富なアドバイザーは、買い手へ適切にトラブルにならないよう、
株価目線に影響がもっとも出ずらい形で情報をぶつけてくれる。

もしかすると
どんな情報がM&Aにおけるネガティブな情報かわからない方もいるかもしれない。

簡単である。

自分が買収する側になったら「嫌なこと」が、ネガティブな事である。

・「しこり」のある退職の仕方をした社員の顛末 (労務トラブル)
・来期の受注が薄いかもしれない事 
・近々予定しており、それなりに投資のかかるシステム費用
・面倒くさい大家 (タフな交渉を仕掛けてくるなど)
・右腕が実はいない 
・離職率が業界平均よりも割と高い

等々である。

ネガティブな情報こそ大事だ。

まずはテーブルに挙げて、そこからである。
「改善する」か、「見せ方を工夫するか?」の2択しかない。

問題をテーブルに上げないと、始まらない。

ラーメン屋が、「ラーメンがまずい」という事実を無視してしまうとどんなプロデュース施策もうまくいかないのは自明だろう。

お客様はバカではない。

経営も一緒で、ネガティブな情報こそ価値がある。

組織は問題の巣窟だから、キリがないのかもしれないが、それでもよいと私は思う。

M&A株価における影響の大きさから逆算して、優先順位をつけて解決すればよいのだ。

ネガティブな情報を色々突っ込んでくれるアドバイザーは貴重である。耳の痛いことを突っ込んでくれる担当こそ重宝すべきだと私は思う。

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