M&Aアドバイザー

大学生の時に、家業が倒産し一族離散を経験したことから小学校の教員志望を辞め、中小企業支…

M&Aアドバイザー

大学生の時に、家業が倒産し一族離散を経験したことから小学校の教員志望を辞め、中小企業支援を志す。新卒中小企業向けコンサル→M&A仲介→ブティック系FAS。M&Aの考え方をわかりやすく発信し、企業経営者・ビジネスマンにとって、M&Aをより身近な選択とすることを目的に活動している。

最近の記事

なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?

「うちには売れ残りの案件しか来ないんだよ」 「みんなピントがずれた案件ばっかり持ってくるんだよ」 「良い案件は競合入札ばかり。でも高掴みしたくない」 「どうしたらよい案件がうちに集まるのか教えてほしい」 上記の声をよくいただく。 すでに、たくさんM&A(買収側)を行っている企業には、良質な案件がたくさん持ち込まれる。 一方、「これからM&Aをしかけていきたい企業」は苦戦しているケースが多い。 案件が来ないにはいくつか理由があると私は思う。 代表的なのは以下の3つ。

    • 中小企業にとって、競合が多い事は悪い事なのか 

      表題であげた問題提起に対し、結論を申し上げると、競合がいる事は素晴らしいと私は考える。 なぜならばそこに市場と顧客が存在することの裏返しだからだ。顧客と競合を分析すれば、「自社の強み」をどう活かせば勝てるかが自然と見えてくる。 新規事業を考える中小企業経営者は多い。既存事業だけでは成長を描きづらくなっていることも影響していると思われる。 一方、新規事業について、市場調査をしないまま検討するケースも多々存在する。これでは、「手触り感のない計画」になってしまう。 市場調査

      • 中小企業は客数を伸ばしてはいけない

        先日、面白いサービスを展開する企業経営者の方にお会いした。とても価値あるサービスで世の中にどんどん広がるべきだと感じた。 サービス力はありつつも一方、導入対象は従業員1000名以上の企業が中心であり、営業部隊を自社で抱えていないため、中々販路拡大に苦戦しているとのことであった。 こちらの会社は、営業利益は20%を超えており、IPOも目指せる優良企業である。しかし、あえて余剰人材を抱えずに商品力を磨くことにフォーカスしている。 人員を増やさずにどうしたら営業が進むかという

        • 痩せたいが、ダイエットなんてしたくない。

          痩せたい。 去年から73~75キロを推移している。 78キロになると焦って絶食し、72キロくらいになると大盛を食べてしまう。目標はここ数年、永らく69キロである。 もっというと66キロである。私の身長であれば、BMI値からすると66キロが適正値とされている。 しかし、それは簡単ではない。ご飯が美味しいからだ。 企業経営においても、業界の平均値というものが色々ある。成長性、収益性、効率性、安全性、生産性といわれるものだ。 〇〇業界ならば、〇〇が望ましいという指標はある

        なぜ良いM&A案件が我が社には紹介されないのか?

          事業承継を考えたら、売るのではなく、まずは買う事を考えるべき

          先日お手伝いさせていただいた経営者は67歳。譲渡された後に「こんなに株価が安いのならば、もっと若いうちに企業を買う側に回っておくべきだった・・・」とおっしゃっておられていました。 私としては、全力は尽くしたものの、希望額を実現できず、悔しい結果となりました。 本日は、M&Aが非常に投資対効果の高い成長手段であることを記載したいと思い ます。 ※事例はご本人に了解を得た上で、特定されないよう情報を加工してお出ししています。 俺の会社の価値はこんなものか・・・ 上記コメン

          事業承継を考えたら、売るのではなく、まずは買う事を考えるべき

          もし私が20年前に戻れるならば絶対に知っておきたかった事 ~会社を高く売るための3つの視点~

          前回の記事で、会社を高く売ることのデメリットを記載しました。高く売ることは簡単ではなく、また実態以上に高く売れてしまった後の弊害も記載したつもりです。 ですが、私がもし会社のオーナーであれば、そんな「綺麗ごと」には耳を傾けないでしょう。自分の命同然といってもよい自社を売るならば、きっと1円でも高く売りたいだろう、と思います。 ましてや父・祖父から継いだ会社であれば、安く売ることは失礼ではないかとも思うでしょう。 話は少し変わりますが、今の知見をもって、20年前に戻れてい

          もし私が20年前に戻れるならば絶対に知っておきたかった事 ~会社を高く売るための3つの視点~

          M&Aを検討する前に考えるべき選択肢 ~養子承継のメリット・デメリット~

          前回の記事で、出口戦略には実は4つしかない(廃業・社内承継・M&A・IPO)ことを記載していました。 選択肢の中でも、社内承継は理想的でありつつも、ハードルがあって、進まないことが多く、M&Aを検討する経営者も増えてきていることも記載しました。 M&Aは、良い手法でありながらも、結局はオーナーが変わるので長期的にみて「思っていた事と違った」となるリスクはあります。 本来的には、生え抜き社員・番頭・親族が、これまでの歴史を踏襲しながら、若きリーダーとして会社を牽引していく

          M&Aを検討する前に考えるべき選択肢 ~養子承継のメリット・デメリット~

          会社売却の際の担当者選びの3つのポイント ~後悔しないための準備~

          M&Aは一生で一度の出来事なので、必ず複数の担当者と会うべきだと考えております。大事なことは担当者との相性。 私が売却オーナーであれば、担当者を見るポイントとしては以下3点をあげます。 ①会社を愛して、良さをきちんと理解してくれるかどうか  (会社の「強みの訴求」にむけて、ヒト手間・フタ手間を惜しまない担当か) ②耳の痛い事をきちんと指摘してくれる担当者か (案件欲しさに、調子のよいことばかりを言う人ではないか) ③自社の業界の事に詳しいか (株価の相場・事例・買い手

          会社売却の際の担当者選びの3つのポイント ~後悔しないための準備~

          M&A業界の裏側 ~高く会社を売却することのデメリット~

          自己紹介が長くなりましたが、M&Aについての実例や生々しい情報を紹介してまいります。 ・M&Aでよく起きるトラブルはなにか ・企業価値はどのように算定されていくのか ・死ぬほどDMが来るが内容は実は嘘ばかり ・企業価値評価と実際の売却額の乖離 ・どのように売却プロセスを踏むのがもっとも経済子合理性が高いか など、一般的に知られることが少ないM&A業界の「裏側・実情」について段階的に記載してお伝えしてまいります さて、前提としてM&A業界はなぜこれだけ活況といわれているの

          M&A業界の裏側 ~高く会社を売却することのデメリット~

          高額インセンティブの恐ろしさ ~人間関係を壊すお金の魔力と怖さ~

          M&Aの全体の流れがわからない。 財務がわからない。 法務がわからない。 とにかく現場に入るとわからないことだらけでした。 よく車に酔うのは「行先がわからないから」と言われる事がありますが、ジェットコースターに揺られるような形で、何がなんだかわからない状況が続き、成約が取れるまでは、とにかく真っ暗な暗闇を走っているような感覚でした。 また、会社では、激しい数値の詰めがあり、どんどん同期の数が減っていき、自分もこのままだと、会社から席は無くなるといわれ、夜も眠れないことが

          高額インセンティブの恐ろしさ ~人間関係を壊すお金の魔力と怖さ~

          簿記2級に落ち続ける ~緊張で手が震えて電卓が打てなくなる~

          簿記2級をとることがプレイヤーの第一歩と聞いてこちらはとにかく頑張りました。少なくとも私に簿記2級はとても難しく、2回落ち3回目の試験でやっとギリギリうかりました。 一般的には200~300時間で受かることもあるようですが、私は苦労しておそらく6か月で1000時間くらいは勉強したと思います。それでもギリギリであったので、センスがあるひとをうらやましく感じることもあります。 一方、悲壮感や自身を追い詰めすぎると、かえって本来の力がでないことも学びました。その経験から、勉強す

          簿記2級に落ち続ける ~緊張で手が震えて電卓が打てなくなる~

          顧客開拓部隊の立ち上げ ~中間管理職の難しさ~

          今でこそ、M&Aは活況で、どんどん人も若手の優秀なビジネスマンが飛び込んでくる業界になりましたが私が転職したタイミングにおいては、今ほどM&A仲介の就職人気・知名度が高まってない状況でした。 振り返ってみると2017年~2018年は、業界最大手の日本M&Aセンターは業績をさらに伸ばし、実質的に業界2位といえるMAキャピタルパートナーズも、力を貯めている業界拡大期と言えるタイミングであったと思います。 一方、私はといえば、M&Aの「え」の字も知らず、知人の紹介で新興形のスタ

          顧客開拓部隊の立ち上げ ~中間管理職の難しさ~

          自己紹介(新卒時代) ~オフィスで期末に号泣するビリ営業マン~

          その後、入社をしたのは、東証一部上場のコンサルティング会社。 今でいうブラック企業で、月間の労働時間が400時間を超えるような会社でした。 コンサルタントを志すといいながらも、経営力や営業力を身に着けたいと思い、とにかく厳しい環境を求めていました。 理由としては、学生時代にあまりの自分の無能さに嫌気がさしていたからです。 大学生時代には、学業そっちのけで経営者になるトレーニングをしていましたがフルコミッションの営業に取り組むも、200人中ビリ。経営者になるには、とにかく営

          自己紹介(新卒時代) ~オフィスで期末に号泣するビリ営業マン~

          自己紹介(学生時代) ~あだ名は「ぼろビル王子」~

          簡単ですが自己紹介させていただきます。 私は、千葉県千葉市で生まれました。 当時は、ビル経営をメインに行い、地元でビルを10個ほど持つ一族の長男として生まれ、所謂プチ御曹司でした。 あだ名は「ビル王子」。 良い気分でした。 しかしながら、我が家の実態は借金まみれ。 地元のターミナル駅にて、貸しビル業に徹していればよかったものを 一族で複数の事業を経営し、これがことごとく環境適応できずに衰退していきました。 もともと千葉市は川崎製鉄のおひざ元で鉄鋼の街として、 たくさん

          自己紹介(学生時代) ~あだ名は「ぼろビル王子」~