池永寛明(元大阪ガスネットワーク (株) エネルギー・文化研究所)
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日本再起動への方法 ― アジアの未来(下)
「失われた30年」の30年の意味はなにか?30年という時間は世代のサイクル。にあたる。本格的なムーブメントはそこから15-25年ずれて訪れる。たとえば戦後生まれの「団塊の世代」が社会にでたのは1960~65年。社会が大きく変わったのは、その15~25年後の80~90年代。となると、30年の「失われた日本」の本当の生活・社会影響は、これから15~25年先である2035~2040年に顕われてくることと
もっとみる失われた日本の30年の原因 ― アジアの未来(上)
この写真を撮った日のことを忘れない。そこは図書館ではない、世界最速の都市と言われる中国・深圳の書店である。子どもたちが店内のいたるところに座り込み、それぞれが選択した本を読んでいる。さらっと読んでいるのではなく、本のすべてを読みきろうとしているのだ。本を読む彼らの眼の鋭さを今も忘れない。日本でこのようなひたむきな眼を見なくなった。この写真一葉に、日本の立ち位置を思い知らされる。
1.この1年で、
現代日本を支配する「自由」という存在― 自由と統制①
「新しい資本主義」が政策の論点になっている。「資本論」に関する本がよく売れている。「資本主義」が突然話題になっているが、どれもこれもよく分からない、どうもリアリティがない。
あたり前のように使っている資本主義。どういう意味だろう。資本主義と自由はどういう関係?資本主義における成長と分配の関係とはなに?みんな、わかっているのだろうか?なんとなくわかったフリをしているだけではないだろうか。
しかしこ
自転車に乗るということ
GWに家族と、瀬戸内しまなみ海道をサイクリングした。広島・尾道を出て瀬戸内海の島と島をわたり、Well-Beingってなんだろうかをゆっくりと考えようとしたが、途中から無心に自転車のペダルをひたすら漕ぐことになった。
1.自転車は〇(まる)自転車は○(まる)。車輪やベアリングの形は○。自転車に乗った仲間が揃えば丸く並ぶ。人が集まれば、円になって輪となって和がうまれる。自転車にはそんな多様性があふ
誤解されるWell-Being ― ビジネス実践編⑤
「Well-Beingって、なんですか?」と訊かれて、明確に答えられる人は多くない。ビジネスの世界にも流行語がある。その言葉を知らないと、“こんなことも知らないの”と馬鹿にされることがある。だから本当はわかっていないのに、わかったふりをする。話す人も聞く人も、漠としたやりとりで終始する。そこからはなにも生まれない。
「これからの社会はWell-Beingだ」―― それはそのとおりだと思う。コロナ
ことばをいい加減にしたらあかん — ビジネス実践編④
50年前のEXPO’70大阪万博のシンボル「太陽の塔」を知らない人は少ない。千里万博会場跡地に残り、現在も圧倒的存在感を放つ。もうひとつ人気を集めたのがガスパビリオンのジョアン・ミロの高さ5m・横12m・陶板640枚の陶板大壁画「無垢の笑い」。この巨大壁画は万博後に取り外されて、国立国際美術館(大阪市)に残されている。その輝きは今も失われていない。もうひとつミロはEXPO’70大阪万博のガスパビリ
もっとみるあなたが前に進めない理由 ― ビジネス実践編②
桜花爛漫。琵琶湖北の海津大崎の湖岸4kmにわたる桜並木は圧巻。桜は変わらないが、桜を観る人は変わる。ジョギングしながら桜を観る人、自転車で走りながら桜を観る人、カヌーやカヤックを漕いで湖上から桜を観る人など、桜を観るスタイルは年々変わっていく。
今年、あなたは桜を観に行きましたか?桜をなぜ観に行ったのですか?桜を観ている周りの人はどうでしたか?1年前2年前3年前と、なにか変わったことはなかったで
日本が失った「沈思黙考」の時間
10年先、30年先から振り返ったとき、こう思うのではないだろうか。あの「テレワーク」がエポックメイキングだった。テレワーク・リモート・オンライン時代はあの頃から始まった。それまでの場と時間の構造が大きく変わった。自分時間は倍増した。その倍増した時間との向きあい方で、そのあとが大きく変わった。と気づくのではないだろうか。この2年間、コロナ禍による構造変化を考えつづけてきた池永のCOMEMO「コロナ禍
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