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人と組織をつくる哲学 ―マネジメントと教育の「共通解」―

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マネジメント=管理とは「兵站(生産・物流・調達部門)を通じて限りある資源(ヒト・モノ・カネ・トキ)を把握・分配し、適時適切に適所で活かす」ことである。古来より兵站を軽んじ、人材や…
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2021年11月の記事一覧

「結果は出さなくて良い、挑戦と努力することが大事」という理想を掲げた企業の失敗

「結果は出さなくて良い、挑戦と努力することが大事」という理想を掲げた企業の失敗

とある会社の話。

その会社は「とにかく挑戦と努力することが大事だ、結果は出なくても良い」という主義を掲げていました。

それ自体は素晴らしい目標ではないかと思っていたのですが、結果、社内がどうなっていったか?本日はそちらをご紹介します。
例によって全ての企業がこうなるとか、こんな主義はダメだとか言う気はありません。ただ、一例として「こういうこともあるのだ」という風に聞いていただければと思います。

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これからは合理的配慮がないところを「ノンユニバーサル〇〇」って名乗るようにしたらいいんじゃないかな

これからは合理的配慮がないところを「ノンユニバーサル〇〇」って名乗るようにしたらいいんじゃないかな

ユニバーサル農園「京丸園」のおはなし。

◇その仕事ができる人を探すのではなく、その人ができる工夫を考えればいいんじゃないか
◇障害のある人の就労が難しいのは、彼らの問題なのでしょうか。それとも、障害者と関わる私たちの問題なのでしょうか
◇私たちが新しいやり方を探して変わっていけば、もっと多様な働き方が見つかって、もっとたくさんの人と一緒に仕事ができる

そうなんですよね。仕事が人を選ぶんじゃなく

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熱い上司が自分の熱さを抑えて部下を育てていた話

熱い上司が自分の熱さを抑えて部下を育てていた話

「心理的安全性」って言葉がバズワード的に軽く使われている今日この頃です。みんなどう理解しているんだろうね。これ、結構厳しい話なんだと思うんだけどね(自分の言いたいことがまっすぐ言えるだけじゃなく、相手も同じように言えるってことだから、純ジャパの一部の人には嬉しくないのにねって思うんだけどな・笑)

で、心理的安全性が担保された職場ってどうなるんだろう、と思うと「業績が高いのに、ネガティブなストレス

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「働かないおじさん」問題の再定義

「働かないおじさん」問題の再定義

column vol.475

コロナ禍でのテレワークシフトで話題となった「働かないおじさん」問題ですが、「働かない」にはワケがあると仰る方がいらっしゃいます。

『「働かないおじさん問題」のトリセツ』の著者であり、マンパワーグループ株式会社 ミドルシニア活性化コンサルタントの難波猛さんです。

私も同じおじさんとして、どういう話か気になります。

ということで早速、その意図について見ていきたいと

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開かれた組織は、本当に人の可能性を開くのか【世界経営者会議】

開かれた組織は、本当に人の可能性を開くのか【世界経営者会議】

先日、11月9日・10日に「第23回日経フォーラム 世界経営者会議」が開催された。

全体を通貫するテーマは「世界経済再興と新常態の経営」。

新型コロナ禍を中心に激変する世界経済の情勢や今後の組織の在り方、働き方など幅広いテーマで複数のセッションが実施され、ぼくも、人事の仕事に関係が深そうな幾つかのセッションを聴講した。

今回はその中でも特に、ディー・エヌ・エー会長 南場氏のセッション「組織を

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「超」 自律性を追求してプロダクトチームを分割した話

「超」 自律性を追求してプロダクトチームを分割した話

アルプの共同創業者で開発を担当している竹尾(@showmant_)です。

アルプではサブスクリプションビジネスを行う企業向けに、今まで手作業や自社開発がスタンダードだった契約や請求の管理を SaaS として提供する Scalebase というプロダクトを開発しています。

2021年11月時点で全社員30人のうち、プロダクトチームが20人という規模になりました。全員でScalebase という1

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組織の全員が自ら変化を引き起こす

組織の全員が自ら変化を引き起こす

組織が生き残りかつ成功するには、チェンジ・エージェントすなわち変革の機関とならなければならない。変化をマネジメントする最善の方法が自ら変化をつくりだすことである。

こちらもまたP.F.ドラッカーの有名な一節ですね。

ということは、変化が常態であるこの激動の時代にあって生き残るためには自ら変化を引き起こさなければならないということです。

実際、ここ20年ほどの進歩はすさまじいものでした。ロボッ

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全体を俯瞰してる人がコネクティングドッツしすぎで実働側が困る問題

全体を俯瞰してる人がコネクティングドッツしすぎで実働側が困る問題

コネクティングドッツ(Connecting The Dots)とは
点と点の“新たな”つながりを見つけることだと考えます。Dots(点)は、ひとつの事象やデータを指します。Connecting(つなげる)とは、それらをつなぎ合わせて新しい概念を発見することを指します。つなぎ合わせる点(事象やデータ)は、必ずしも新しく発見した点でなくても、以前からある既存の点であってもかまいません。何よりも重要なこ

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デザインもマネジメントも「個に向き合うこと」は変わらない──メルペイ成澤真由美

デザインもマネジメントも「個に向き合うこと」は変わらない──メルペイ成澤真由美

プレイヤーか、マネジメントか。デザイナーとしてのキャリアを積む中、この選択を前にする人は決して少なくないだろう。

最前線を常に切り開き、自分の手によって価値を積み上げる/チームを率い、自分ではなく皆でより大きなインパクトを狙う——それまで積み上げた価値観・経験から、各々にとっての“正解”は分かれていく。

ことデザイナーにとってマネジメントは未知の領域のはず。かつ、チームや組織、上司、企業によっ

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組織を支えているのは言うことを聞く人たち

組織を支えているのは言うことを聞く人たち

ピラミッド型の組織は、人々を支配するために作られたシステムですが、それを支えているのはピラミッドの下のほうにいる人たちです。
その人たちが言うことを聞いてくれている限り、組織は存続します。

ピラミッド型組織についてわかりやすい解説があったので、「もう古い?軍隊式のピラミッド型組織 VS 自由なフラット型・アメーバ型組織」から太字部分を引用させてもらいます。

今まで大企業と呼ばれていた日本の組織

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10年かけて人材育成!

そんなに急に人は育たないといつも思っているのですが、明治初期のわが国には10年で人を育てるという長い時間軸を持っていたのだそうです。

150年前、旧暦のきょう、日本初の女子留学生5人は、岩倉遣外使節団の一行に加わって「アメリカ丸」に乗船、横浜港からサンフランシスコへ向かった。留学期間10年を全うしたのは年少の山川捨松(11歳)、永井繁子(9歳)、津田梅子(6歳)の3人。中でも会津藩最後の家老の妹

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【大公開】業務未経験者を採用して業務と会社を成長させる仕事術

【大公開】業務未経験者を採用して業務と会社を成長させる仕事術

Twitterでつぶやいていたことなのですが、思った以上に反響が強かったのでnoteの記事にまとめることにしました。

仕事術がもたらす3つの効果今のところ導入してから実感しているのは以下の3点です。

1.採用対象範囲が広がる
人手不足の会社や業界は多いですが、未経験者や経験が浅い人が活躍できるのであれば採用対象者の幅が広がります。
採用対象範囲が拡大することは採用にかける時間削減と、採用後の業

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仕様未確定の崩壊プロジェクトを引き継いでリリースするまでにしたこと(ゲーム in ザ ノンフィクション

仕様未確定の崩壊プロジェクトを引き継いでリリースするまでにしたこと(ゲーム in ザ ノンフィクション

これは、あるプロデューサーが体験した、事実を元にしたフィクションである。

世の中には消化試合と言われる言葉がある。プロ野球の世界で用いられることがあるが、すでに優勝が決まっているチームが残り試合をこなすこととして使われることが多い。

ただ、ゲームの現場で使われるときは少し意味が異なり、負け戦が決定しているものに対して最後まで見届けること、最後終わらせるために解決させることとして使われていること

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