見出し画像

熱い上司が自分の熱さを抑えて部下を育てていた話

「心理的安全性」って言葉がバズワード的に軽く使われている今日この頃です。みんなどう理解しているんだろうね。これ、結構厳しい話なんだと思うんだけどね(自分の言いたいことがまっすぐ言えるだけじゃなく、相手も同じように言えるってことだから、純ジャパの一部の人には嬉しくないのにねって思うんだけどな・笑)

で、心理的安全性が担保された職場ってどうなるんだろう、と思うと「業績が高いのに、ネガティブなストレスが少ない」っていうのが一つの指標じゃないかと思うわけです(業績がなくてストレスもないのは仕事じゃない・笑)。ちなみにストレスって悪い意味だけではないと思うけどね。

そんな職場ってある?と思ってまゆに唾つけてたら、え?嘘!あった!って話を聞いて、そこの課長さんに話を聞かせてもらったのがつい先日のことでした。

ストレスゼロ職場

組織内アンケートですが、そういうのを達成したんだそうですよ。信じられないよね。その課長さんの組織は全体としてストレスフルで有名な業界なんです。だから、一部署のこととはいえ「ストレスゼロ」ってデータが出たこと自体、信じられないんだけど、しかもその部署はトップの直下にある特命組織みたいなところなので、少人数で超絶忙しい!新規事業がどんどん振ってくるし、日々マスコミ対応とか、現地調整とか、そのための資金計画とかを走らせつつ、一般向けの仕事も同時に動いているようなところなのでね。

で、この課長さんの部署は、その「とんでもない成果目標」を追いかけつつ(評価されて)部下の育成を同時に回すためにどうするか、ってことを考え抜いているのが、とてもいいなと。

「どうやっているのか話聞かせてくださいよ」と課長さんに言ったら「いやあ…自分は何にもしてないですよ。部下が優秀なんです」と言って最初は嫌がってましたよね(笑)。でも「優秀な部下を集めてつぶす上司はいくらでもいますから!」と説得して、話をしてもらいました。

課長さんは50代、基本的には動きたがりのやりたがりのプレーヤー気質の強い方です。新しいこと、前例のないことが好きでアイデアがあるので、ちょっと面白い話を聞くとすぐに自分の部署の仕事にしちゃおうとする(笑)。人とのつながりを作る力が高いので、あっちとこっちのご縁がくっついて「いいね、それ!」ってまた新しい機会が増えちゃう。そんな形でご自身はずっと自由にやってきた人です。

「だからね、自分がこうなんで部下もそういうのが好きなんだろうって思って、仕事増やしちゃうし、自由にやれー!って丸ごと任せちゃうんだけど、ある時衝撃的な話を聞いて、これはダメだったんだ、と気が付いたんですよね。そこからかな…」

それは雇用ジャーナリストの海老原嗣生さんのマネジメントに関する講演会でした。それもたまたまのご縁がつながって声がかかったので「全然知らない人だったんですけど軽い気持ちで行ったんです」と。そこで自分がやってきたことは部下一人ひとりを全く見てないマネジメントだった、と雷打たれたように衝撃を受けたのだそうです。

そこからが彼の凄いところですが、とにかく「一年生のつもりで勉強する」んですよ。覚えたことを素直にやってみる、動いてわからないことを素直に聞く、その繰り返しです。(その学びの場としては、わたしが運営している勉強会もお役に立てているので、それはめっちゃ嬉しい)

年度の頭に「課の運営方針」(これも平易な言葉のものでいいですよ)を掲げて、それを絵に描いた餅じゃなくちゃんと「困ったらそこに戻る」ものに徹底していること、全員のキャリアアンカーを調べて、その人らしさを活かせる働き方を工夫したり、一人ひとりの様子を良く見ていて係長たちと「若手の育成方針」をちゃんとすり合わせしたり、自由にやりたい部下と上司のフォローが必要な部下と対応を変えながら、自己決定して動けるように支援したり…。
なにより「ほんとは自分でやっちゃいたい。そうじゃなくても指示を出しちゃいたい」タイプの彼が、部下の様子を見てサポートのタイミングをじっと見計らっている。特に真面目で上司の指示をいちいち仰ぎたいタイプの部下にも「なるべく自分で決めさせる。失敗しても構わないからと言い続ける。」し、「まあね、失敗しても自分が責任取れば済むんで。だいたいのことはトップに謝ったら終わるんですよ(笑)」と言っている。

一番すごいな、と思ったのは「自分のことを客観視しようと努力する」ところで、部下との会話の数をカウント(正の字書いて)してみて「ああ、自分は平等に話していると思ったけど、偏ってるなあ」と気が付いて、そこから意識してあまり話していなかった部下に声をかけるようにしている、という話です。「ほっとくとしゃべりやすい&よく話しかけてくる部下とばっかりしゃべっちゃってるんですよね。これはダメだと思って」いや、こんな上司、なかなかいませんよ。

「うちの部署は優秀な人材をたくさん配置してもらっていて、だから別に自分が何かしているわけじゃないんですよ。」と笑顔で言っていましたが、いや、それに応じたとんでもない仕事量と質なのですよ。それがなぜ上手く機能してストレスゼロでやり切れているのかといえば、課長がトップダウンで全部仕切り、部下を兵隊として走らせているのではなく、現場の一人ひとりが自律的に動ける仕組みを作り、部下を後押しているからでしょう。

ステキな手法を学んでいる人はたくさんいますが、ここまで素直に丁寧に一つ一つを実践している50代の課長さんって、ほとんど見たことありません。でも、途方もないことをされているわけではないんです。学び場を作っていて、彼のような実践者が出て来てくれたことがわたしにも本当に嬉しい話でした。

***

【お仕事の問い合わせはこちらです】
◆(個別)キャリアコンサルティング 対面orオンライン(相談)
キャリアって人生そのものです。仕事も転職も、人間関係も、その他ちょっとモヤっとすること、コミュニケーション課題や起業相談もどうぞ
16500円(90分) ※対面は主に名古屋市内
◆伴走コーチング オンラインのみ
月1度×3回~で、行動を変えていくお手伝いをします。コミュニケーションの具体的な練習をしている方も、「宿題」をやるための伴走者もOKです。
7700円(45分)×3回 ※フォーム上では「その他」を選択してください

【12月の予約可能日】年内にスッキリするならお早めに予約くださいね
6日、10日、11日、12日、14日、15日、16日、17日、19日、21日、23日、24日、25日、28日

※ここにない日程でもピンポイントな時間帯では可能な日もありますので、ご相談ください


サポートを頂いたら…どうしましょう?そんな奇特な方がいたりしたら、全力でキャリア満足につながる日々の実現をお祈りします♡