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#エッセイ

「シンプルなものは美しい」という誤解

「シンプルなものは美しい」という誤解

昔から、「シンプルなものは美しい」とよく言われる。有名なのが例えばAppleの製品で、iPhoneなどは無駄がない設計だとよく言われる(最近のiPhoneは、どちらかというとゴテゴテしたデザインのものが増えているが……)。

しかし、Appleに限らず、工業製品は「シンプルであればあるほど美しい」という信念の権化のようなもので、至るところでその哲学を垣間見れる。

しかし、個人的には、「美しさ」と

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泣きながら書いたエッセイ

泣きながら書いたエッセイ

まさか、大学のエッセイを泣きながら書くことが起こると思わなかった。書くのに集中したいのに、どうしても涙が止まらないのだ。

『あなたに会いたい』という韓国のドキュメンタリーがある。がんで亡くなった7歳の女の子ナヨンちゃんとその家族が、ヴァーチャル空間で再会する様子を描いている。ナヨンちゃんは原因不明の病と診断されてからわずか1週間でこの世を去った。あまりの短さに現実を受け入れられず、ナヨンちゃんと

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いつから過程を楽しむことを忘れてしまったのだろう?

いつから過程を楽しむことを忘れてしまったのだろう?

 GWに甥っ子と接した。
 底無しの元気さに、呆れとも驚きともつかない感覚を覚える。とはいえ、子どもの相手はそれなりの経験があるので、適度に受け流しながら相手をする。

 気になるのは子どもよりも大人だ。慣れていない大人が過剰に働きかけているのを見ると、モヤモヤする。彼ら彼女らは、「違うの」と不満そうに子どもが言っているのに気づいていない。
 それは一体なぜなのかと思っていたら、楽しんでいるところ

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「障害は才能」と言う言い方の危うさ

「障害は才能」と言う言い方の危うさ

「甘えるな」「支援なんかしないぞ」「自分でなんとかしろよ」という強い意志というか、強烈な拒絶を、健常者から、あるいは、福祉のスタッフからすらも感じることがあります。

障害のある方は概ね感じたことがあるのでは。

かつてスーザン・ボイルという歌手が、

「私は障害を才能にしたい」

と語りました。あれだけの才能と美しい声を持っていながら、見た目について非難されたりして、一時期体調を崩していたそうで

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その感性を

その感性を

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」

喜劇王チャップリンの言葉。

当事者にとっては苦しくて辛いことでも、傍観者からしてみれば面白くて暇つぶしになる。

世の中には、そうやって誰かの人生を眠気覚ましのガムみたいに消耗する人が、残念ながら一定数いる。

この前、友達とご飯を食べに行った時の話。

「バイト先のお寿司屋さんに、同性だけどカップルみたいな雰囲気のお客さんが来るんだけ

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やはり、日常は欠けがえのないものだと思った。

やはり、日常は欠けがえのないものだと思った。

今日はいままでにないくらい忙しかった。
ずーーーっとお客さんが店内に居て、対応対応対応。
だからいま、すごくへとへと。

夜の電車に揺られながら、
くらいくらい海を見る。
海の彼方に橙色のひかり。

海沿いの駅に着くと、
開いたドアから冷たい夜風。

すっかり冬になったなあ、なんて思う。

⑅ ୨୧ *̩̩̥*̩̩̥

私は文章を書くことが好きだけれど、
書くために生きるのではなく
生きるために書

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虹のメロディ

虹のメロディ

異国の街に辿り着いたら新しい服とボタンを探した想像力は人生のスパイス美しい世界の道しるべ

虹のメロディが心を弾ませる自分の機嫌は自分でとるんだポケットの中には沢山の思い出いつだって笑顔を取り戻せるのさ

懐かしい友達お世話になった人達命をつないでくれた人達僕は今日も明日も元気に生きてゆきます

心の扉をノックしたなら新しい世界がすぐにやってくる素敵な未来は自分で望む宇宙はいつも答えてくれる

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背中で語った父

背中で語った父

 僕は今22歳だ。自分の年齢を考えた時に、たまに親が自分の年齢の時はどうだったのか、気になることがある。

 たしか僕は父が22歳ぐらいの時の子供だ。小さい頃の父との思い出は凄く多いわけではない。子育ては主に母親が行っていて父は仕事に忙しい人だった。若くして子供をもったため金銭的に余裕もなく、一生懸命に働いていたんだろう。

 毎朝、僕が寝ている間に家を出て、僕が寝る直前に帰ってくる。同じ家に住ん

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日々是雑感2021/10/22

日々是雑感2021/10/22

アートの必要性、というより、今日はアートの東京の必要性について考えたい。

東京は首都である。もちろんそれは否定できない。人が多い。それも否定できない。が、アートは東京から発信する必要性があるのか、そこに対して自分は微妙な感覚を覚える。

日本各地にはさまざまなアートシーンが興っている。越後妻有や愛知、横浜でも芸術祭が数年に1度開催されている中で、東京で毎度毎度のように新しいものが生まれては消える

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変わったね、といわれる幸せ。変わらないね、といわれる幸せ。

変わったね、といわれる幸せ。変わらないね、といわれる幸せ。

変わらないね、という言葉の重み。全てを含めて相手に受け容れてもらえている安心感。社会生活を送っている多くの人々は、歳を重ねる度に少しずつでも表層的には変わっていく。誰といるのかや、職場環境。住む場所。やっていること。立場。責任。時間感覚。使う言葉。手に取るもの。簡単に分かりやすいものでいうと、見た目。時代がこれだけ速く移り変わる中で、10代の頃から、良くも悪くも自分はこれっぽっちも変わっていないと

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受け取った、だから与えられる

受け取った、だから与えられる

感受性のはなし。

昨年の夏、東京事変のライブビューイングに行った。その日のnoteを読み返した。
溢れて止まらない熱量と愛が詰まりに詰まっている。始まりから終わりまでほぼ泣いているようなオタクの私。言葉にすれば陳腐なものに収まりそうと思いつつ、家に帰るや否やお酒を片手にキーボードを打ち続けたことを覚えている。飲む前からもはや酔っていたのだけれど。

他人にどこまでこの舞台の素晴らしさが伝わるかわ

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夜を越えて。

夜を越えて。

 人生で一度だけヒッチハイクをしたことがある。

 フリーターとして3年目の25歳の春であった。
 漠然と何かになりたいのに、何になればいいのかわからない。
 そんな時期の話。

 ある日、実家の祖母がいよいよ危ないと母から連絡があった。
 世話になった祖母のために、今すぐに帰りたかったが絶望的に金がなかった。
 通帳を開くと830円。
 税金の督促で溢れた四畳半は余計に窮屈な気がした。

 続け

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最近のセクシャルマイノリティについて思う事。

最近のセクシャルマイノリティについて思う事。

最近はいろんなセクシャリティが分類されている。

こうやって性自体がグラデーションになって、様々な人の性質が言葉で表記されるようになった。

だから現代では、「私は一人じゃないんだ」とか「私の仲間と交流したい」みたいに新しい場所を見つけられる人も増えてきた。

一方で、自分の性になにか名前を付けようと、つけたいと躍起になってしまっている人もいると思う。

私もその一人だった。恋愛ができない、恋愛感

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【雑記】できれば、心穏やかに過ごせる世界に暮らしたい

【雑記】できれば、心穏やかに過ごせる世界に暮らしたい

#暮らしたい未来のまち

これを聞いた時にまず初めに思い描いたのは『生きづらさが少しでも軽減されればいいな』でした。
LGBTQという言葉が世間に普及し、理解も進みつつある昨今。
暮らしたいという単語を聞くたびに先ず率直に思うのは、変な気を使わなくていい世界だ。

本件を語り始めた私こと、かわほりは自分に対して性別がないタイプである。男性でも女性でもない何かです。中性というよりは、両性に近い感覚な

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