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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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記事一覧

じねんや糸川 ~ロケットと音楽が吹き抜ける~

じねんや糸川 ~ロケットと音楽が吹き抜ける~

信州の上田、と言えば真田氏の拠点です。

戦国時代に活躍した真田昌幸や
真田信繁(幸村)たちの居城として
有名な「上田城」の城下町、ですね。
徳川家の軍勢を二度も退けたことで有名!

現在の上田市は、2006年に
旧上田市、丸子町、真田町、武石村が
市町村合併をして発足しました。

場所は、長野県の真ん中より少し北東です。
北には長野市、南には諏訪市、
東には軽井沢町、西には松本市。
まさに長野県

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ずれと戦う改暦 ~ユリウス、グレゴリオ、伊藤~

ずれと戦う改暦 ~ユリウス、グレゴリオ、伊藤~

1898年(明治31年)にこんな勅令が出されています。
「閏年(うるう年)ニ關スル件」です。

現代の日本語に意訳的に直すと、次の通り。

…なぜわざわざ、こんな勅令を
明治政府は出したのか?

1898年、時の総理大臣は伊藤博文。
初代・5代・7代・10代と
4回も総理大臣になった人ですけれども、
その「第二次伊藤政権」の頃のことです。

本記事では「うるう年に関する件」の勅令から
『改暦』に関

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ふわとろだった太陰暦 ~ずれを包み込む~

ふわとろだった太陰暦 ~ずれを包み込む~

太陽を見るより、月を見るほうが安全。

太陽をじっと直視すると
まぶし過ぎて眼が危険です。
月を見るのは比較的大丈夫、ですよね。
ゆえに古来から、月を見ながら
宴を催すことが盛んに行われてきました。

いわゆる「月見の宴」です。

この風習は、中国では唐代の頃に始まり、
「月餅」などを贈り合う習慣がありました。
唐などの風習が伝わった
日本の平安時代の貴族社会でも、
「月見の宴」は盛んに行われてい

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他人ならではのスタイルをリスペクトして協働

他人ならではのスタイルをリスペクトして協働

「ジッグラト・スペリアブ・スタンス」モデルです。
「自身の立ち位置を示すモデル」として、
提案したい、と思います。

本記事では、このモデルを使って、
「新卒期から現在に至るまでの
私の立ち位置の変遷」を書きあらわしてみます。

≪『ジッグラト・スペアリブ』モデルの概要≫

①「ジグソー」で「スペア」の仕事
→対等で柔軟な環境で、標準化の仕事を行う
②「ジグソー」で「アドリブ」の仕事
→対等で柔軟

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実はゼークトが言っていない組織論

実はゼークトが言っていない組織論

「ゼークトの組織論」をご存知でしょうか?

この4種類に人をタイプ分けして、
組織にとってはどのタイプが
どういう立ち位置にいれば良いか?
について論じたと言われる組織論です。

…そう思いましたか?

しかし、ゼークトは「そうじゃない」と言う。

曰く、有能な怠け者は、
自分が怠け者であるがゆえに
楽をしたがるので、リーダーになれば
他人に役割を振って組織を動かしていける。

有能な働き者は、自

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リメイク版『オホーツクに消ゆ』

リメイク版『オホーツクに消ゆ』

2024年9月12日に発売! ついに!

(ここから引用)

『あの「オホーツクに消ゆ」が…今、甦る。
ニポポ人形が涙するとき
またひとつ死体があがった…。

ある朝、東京湾に
男の水死体が浮かび上がった。
身元不明、推定年齢40歳前後。
そして事件は、北海道へと進む。
釧路、網走、知床、紋別…。
道東を中心に連鎖していく第2、第3の殺人。

本タイトルはコマンド選択式
テキストアドベンチャーです

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実はたくさんある門 ~ぐるり東大、門巡り~

実はたくさんある門 ~ぐるり東大、門巡り~

本郷の東大の門…と言えば「赤門」オンリー!
そう思い込んではいませんか?

では、実際にいくつ門があるのか?
ネットで調べてみますと…。

4つどころじゃなかった。実は多い。
そうなんです。赤門だけではないんです!

本記事ではこの「東大の門」について
実地で巡ってみましたので、
レポート風に書いてみることにします。
(下部にリンクを貼った
「本郷の地下喫茶店」レポートの続編です)

上野駅の西、

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孤独の(いなお)グルメレポート ~本郷三丁目の「麦」~

孤独の(いなお)グルメレポート ~本郷三丁目の「麦」~

東京大学の本郷キャンパス、と言えば
「本郷三丁目」という駅が思い浮かびます。

私は関係者でもなんでもありませんが、
一・二年目は「駒場」
三・四年目は「本郷」と
東大のキャンパスが
分かれていることは知っていた。

本郷とは「上野駅」の西の不忍池を越えて、
さらに西に行くと現れる街です。

…ただ元々「本郷」という地名には、
「元々の村・町」「中心街」「センター」
などの意味にしか過ぎません。

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滅私奉公と奉私滅公との間 ~「活私」が基本~

滅私奉公と奉私滅公との間 ~「活私」が基本~

私を滅して公に奉ずる:滅私奉公。
私に奉じて公を滅する:奉私滅公。

漢字だけを見れば、こういう意味です。
噛み砕いて言えば、

大げさに言えばそんな考え方です。
皆様だったらどちらですか?

…でも、これはどちらも同じ穴のムジナ、
という感じがしますよね。
その心は? …極端が過ぎる。

「私」と「公」の定義は様々ありますが、
「私」は個人で「公」は集団。
「私」は単数で「公」は複数。

ワンフ

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シンドバッド、マルコ、ヴェルヌ ~海と陸の交錯~

シンドバッド、マルコ、ヴェルヌ ~海と陸の交錯~

イスラーム、モンゴル、西欧列強!
世界に君臨した大帝国です。
それぞれが隆盛したのは、以下の頃。

◆イスラーム:610年頃~
◆モンゴル:1206年頃~
◆西欧列強:1800年頃~

600年、1200年、1800年。

だいたい600年くらいで
「全世界的に大きく影響を及ぼす」勢力が
この世界に生まれています。
彼らの文化がどんどん広がっていった…。
しかし、これらは特徴も性質も違う。
生育環

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熊本にやってきた黒船 ~進撃のTSMC~

熊本にやってきた黒船 ~進撃のTSMC~

TSMC、とはいったい何の略でしょうか?

…「台湾積体電路製造股份有限公司」です。

たいわんせきたいでんろせいぞう
こふんゆうげんこうし。
英語なら「Taiwan Semiconductor
Manufacturing Company, Ltd.」。
頭文字を取って『TSMC』。

股份有限公司とは「株式会社」、
積体電路とは「集積回路(IC)」のこと。
日本語で表現すれば、
台湾の集積回路

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産業の米 ~サンドイッチも美味い~

産業の米 ~サンドイッチも美味い~

米は融通無碍。色々な食べ方がありますよね。
では『産業の米』はどうでしょう?

「…さ、産業の米?」

これは『半導体』の別名。
半導体はスマホ、パソコン、ゲーム機のほか、
ありとあらゆる電化製品に使われています。
現代社会には必要不可欠。主食レベル。
それゆえに『産業の米』とも呼ばれる。

…しかし、では具体的にどんなものなのか?

「そう言えば、最近、半導体の供給が減って
自動車の新車の納車が

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食べ物とモノと情報があふれる今の世の中で

食べ物とモノと情報があふれる今の世の中で

人類の歴史を変えてきた出来事とは?

人類史上の大きな「革命」として、
『農業革命』『産業革命』『情報革命』、
この三つがよく挙げられます。

『農業革命』によって、人類は
「食べ物」を管理できるようになります。
気候や運不運によって
餓死することも多かったのが、
食べ物を収穫し、貯蔵することが可能になった。
人為的に植物を植えて、育てる。

『産業革命』では、産業、つまり
「モノの作り方」の変化

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半導体 ~現代人を魔法使いにした部品~

半導体 ~現代人を魔法使いにした部品~

スマホには「まみむめも」の力があります。

何でもできちゃう「魔力」がある。
手から離させない「魅力」がある。
その一方で、
いちど失えば「無力」になる…。
使い過ぎれば「目力(視力)」を失う…。

トータルで考えれば、
人間にとても大きな「問題解決力」、
すなわち「も力」を与えてくれる
『魔法の板』だ、と言えるのではないか?

…例えば、50年ほど前の時代の人が、
タイムスリップして現代日本の

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