記事一覧
何者にもならなくていい
最近思う。私は、何者にもならなくていいのではないか。
ずいぶん昔から、私はずっと「何者かになりたい」と思ってきた。自分にしかない可能性があって、それを実現するのが人生の目的ではないかと。別に、偉い人になりたい、ということではない。生活に困らないお金は欲しいけど、人がすごいと思うような立場を得たり、仕事に就きたいと思っていたわけでもない。
でも「自己実現」とでも言うのか。自分にしかない「何か」を
留学生との25年間2:初めての学生
初めて教えた学生のことは忘れないと言うが、確かにそうだと思う。私にとっては、本格的に日本語教師になり最初に担当した留学生。特にその中の一人のことがその後の私の「原点」となっている。
25年ほど前、私は地方の大学の非常勤講師として働き始めた。最初に担当したのは来日したばかりの留学生向け日本語クラス。学部進学前の予備教育として日本語を勉強するコースだった。学生は5人。タイ人2人、中国人2人、スリラン